摂食障害から回復したいと思うときには、「人智を超えた存在(神のようなもの)」を思う気持ちを抜きに、回復することはできないとお父さんお母さんスタッフさんの話を聞いていて思いました。しかし、私は自分の中から神様が消えてしまう時間が多く、特に利己的な気持ちになるほど、神様がいなくなり、症状に逃げたいとまで思うようになります。
そこで質問なのですが、どうして私は神様を信じる気持ちがとても薄くなるのでしょうか。どうしたら人智を超えた存在を信じる気持ちを持ち続けられますか。
【お父さんの答え】
そうですね、直感的に僕が思うのは、この質問者は自分のコンディションがいいときに、「自分がみんなに愛される人間になりたい」と思っていないんじゃないか、ということですね。
調子のいい時ほど、人の役に立つ人間になりたい、モラルの高い人間になりたい、という思いをしっかりと持つことが大事だなと思います。
どうしてかというと、摂食障害になると周囲の人の自分に対する評価がとても気になり、ともすると被害感情や自己否定が強くなり、それが症状を出す引き金になります。
「人の評価が気になる」というのは受動的な気持ちです。それに対して「こうなりたい」という能動的な気持ちを強く持ち続けることで、受け身の気持ちである「人の評価」があまり気にならなくなるのです。
「自分の中から神様が消えてしまう」というのは、人の評価を気になりだした時か、自分の我欲が出てくる時のいずれかです。
目の前にいる人の気持ちが気になると、もっと大きな存在がどこかに飛んでしまうということなのです。すると、相手から受けるストレスが表面化します。
一方の我欲というのは、何かで気に入らないことがあって、正義を通したいと怒りが湧いたときも我欲のうちです。
いずれにしても、神様(人智を超えた存在を思う気持ち)は消えてしまいます。
人智を超えた存在を信じることが必要だというのは、人の評価が絶対的なものに思ってしまったり、何でも自分で決めなければ、という思いが強くなりすぎてしまうから、という意味です。
所詮、人の考えることには限界があり、目に見えない人智を超えた存在に生かされているのだ、と思うことで、「考えてもわからないこともある」とか「自分への評価も人の評価である以上、絶対的なものではない」と、深刻にならずに受け流すことができます。
受け流すことができれば、症状めいた気持ちに走ることもないのです。
念のために言いますが、私たちは宗教を持つことを勧めているわけではありません。
では、どうしたら人智を超えた存在を信じ続けることができるのか、ということです。
それは、その気持ちを100%持たなければならない、とは思わないことです。半分の50%くらいでいいから、ずっと持ち続けようと思えば長続きするはずです。
信じるというのは、良い展開になることをイメージするということです。自分と神様の関係がいいふうになっていく、という気持ちを50%くらいでいいから持ち続けよう、と思うことです。そうすると目の前の人に左右されずに済むと思います。
(2023年10月1日 掲載)
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