なのはなに来て知ったのですが、潔癖症も摂食障害の症状のひとつなのでしょうか?
もしそうであるなら、どうして摂食障害になるとこういう症状が出るのでしょうか。
振り返ってみると、私もなのはなに来る前は、シャワーは1日2回浴びないといや嫌、自分の匂いが気になる、身体をごしごし洗わないと気持ちが悪い、手洗いに神経質になるなどがありました。
【答え】
潔癖症は摂食障害の女性が持っている典型的な症状の一つです。
心の潔癖を求める気持ちが次第に強くなってくると、物理的な潔癖も求めるということかなと僕は理解しています。
自分が精神的に苦しくなってくると、雑味のあることとか汚いこととか、間違っていることとかが許せなくなってくる。心の幅がだんだん狭くなってきて、自分が良しとするものしか受け入れにくくなってくるんですよね。
実際に、精神的にも物理的にも受け入れにくいから、摂食障害の症状には、食べられるものが決まってくるという場合もあります。極端な場合には納豆しか食べられないとなった人もいますし、飲み物でもアツアツのやけどしそうな熱さにしないと飲みたくないとか、そういうかなり際立った「これでなければ」というのが出てきますよね。
自分が受け入れられるものがだんだん狭くなってくるのです。
そういうなかで、潔癖症というのも、バイキンがあるとか、汚れてるかも知れないとか、細菌があると思ったら、そういうことが許せなくて、奇麗なことしか受け入れられない。心が、きゅうっと狭くなってきている、その表れだと思います。
気持ちがゆったりしてくると、わりとなんでも受け入れられるし、包容力が出てくる。
まあ、あまり小さなことにこだわらなくてもいいか、ってなってくるし、潔癖症もすこしずつゆるくなってくる。
今、潔癖症が少しずつゆるくなってくると言いましたが、突然、潔癖症がなくなることもあります。
僕が忘れられないのは、「私はガチガチの潔癖症です」と言ってなのはなファミリーに来た人のケースです。
時期が良かったのか、悪かったのか、田植え前の時期でした。
なのはなでは、田植え前に泥んこ相撲をやるんです。みんなと一緒に田んぼに行ったとき、シラっとして「私、畦で見てます」と言うのです。
僕は「まあ、気持ちはわかるけど、一応、全員参加だから、やろうよ」と言いました。
すると、何を思ったか、こんなふうに即答しました。
「じゃあ、私、お父さんが相手なら、泥んこ相撲を取ります」
最後にお父さんとその子の番になりました。お父さんは、その子を一気に持ち上げて、ダブーンと頭からしっかり泥の中に沈めてやりました。
「なんてことするんですか、お父さんだったら手加減して泥につけないと思ったのに」
というので、「いや、お父さんだから丁寧に頭からつけました。こういうときはお父さんを相手に選ばないほうがいいよ」
ところがその子はサバサバした顔でいうのです。
「ああ、こんな泥まみれになっちゃって。もう私、どうでも良くなりました。潔癖症やめます」
それで、本当にその瞬間から、潔癖症をやめたんです。それくらい、きれいに無くなっちゃうんですよね。あくまで精神的なものなんだなと再確認した出来事でした。
その子は症状もすべてなくなって、卒業し、しっかり働いています。その後も、潔癖症に逆戻りすることもなく、元気に過ごしています。
まあまあそういうことで、潔癖症は摂食障害の典型的な症状ですけど、これもなくすことができますし、摂食障害の症状がきれいになくなると、それと前後して潔癖の拘りもなくなるし、ぶり返すこともないですよ、ということで、安心してください。
(2019年3月8日掲載)
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