質問
理由はないのですが、悲しくなってしまったら、どうしたらいいですか。
答え
ありがちですね。悲しくなること。人間はちょっとしたことで悲しくなります。その反対に、ちょっとしたことで嬉しくもなります。
悲しくなって、布団の中に入って寝込んでしまうと、気分の転換ができません。
悲しくなったときに外に出て、花を見るとか、虫を見るとか、あるいは簡単な作業をして、うまくいったという小さな成功体験をすることが大事だと思います。
何か、うまくいったとか、ちょっとしたことでもいいことがあったと感じると、人の気持ちはすぐに上向きになります。
要は、「動く」ということです。止まっていないで、物理的に身体を動かすとか、移動するとか、そういうことがすごく大事だと思います。
みんなも聞いたことあると思いますが、カントという哲学者は歩きながら考えたと言われています。いつも同じ時間に散歩するのを日課にして、歩きながら考えました。
近所の人は時計代わりにしたくらいだそうです。カントが通ったから何時だ、って。
何でカントは歩いたのか。それはね、歩くことで考えがまとまりやすいからなんです。動くことで考えが発展していく。人間は、止まっていると、考えがジャグリング(堂々巡り)しやすいかもしれません。
例えば数学者は、考えるのが仕事です。難しい証明を考えるとき、1問の答えを出すのに、期間として半年ぐらいかけます。場合によっては2年ぐらいかけるときもある。
数学者が研究室で、紙と鉛筆を持っていたら、すごく研究したりしているように見えるけど、実際にはそういうこともあるけど、半年間、ひげをぼうぼうにして、池で釣りをしたり、山を歩き回っていたり、そのへんをのそのそしながら考えています。それが仕事のスタイルということがあります。
でも、一般の人から見ると、仕事から逃げて、さぼって仕事放棄しているようにしか見えない。ごそごそ釣りしたりしてたら……、およそ数学とは関係ない。
そうやりながら考えている。新しいアイデアを動きながら待つ。そういうことを数学者の藤原正彦が書いていました。
ということでね、悲しくなってしまって、身体が止まってしまうと、次の嬉しいことに、なかなか考えが行かないので、次に考えを行かせるためには、動くのがいいです。
何か、力を出す仕事をするのがいいんじゃないでしょうか。動けば必ず成果が出ます。小さな成果を積み上げていったら、いつのまにか悲しさはどこかに行ってしまいます。
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