上手な緊張感の持ち方についての質問です。
作業をしたり普段の生活をするときでも、ちゃんとしたいとか、緊張感をもってしたいと思うと、気持ちが尖ってしまって、人に対して強く出てしまうことがあって、後から、これは優しくない言葉だったなと反省することがあります。
周りの人に嫌な思いをさせないように、上手に緊張感を持って進めるにはどうしたらいいでしょうか。
【お父さんの答え】
電気製品であれば、コンセントに電源を差してスイッチを入れたら、同じようにモーターが回って動いたり、電気がついたりします。
ところが、人間はそういうわけにはいかなくて、朝起きたときから、いい気分で目が覚めたのか、それとも悪い気分で目覚めたのか、というふうに気分に差があります。
いつもニュートラルな気持ちです、ということはありません。まずは、今日の自分の気分はどうなんだろうか、と考えてみる必要はあるでしょうね。朝起きてから、いま自分はどういう気分なのかということです。
例えばなのはなファミリーではウィンターコンサートを3時間以上の音楽劇で開催しています。その中で30曲近くの演奏やダンスがあるので、それを緊張感を持って取り組もうとなったら、それこそ3か月くらい前から気持ち作りを始めて、本番に向けて演奏やダンスを仕上げていくと同時に、ステージで高いパフォーマンスを発揮できるように「見せる」気持ちを仕上げていきます。
その前日とか、当日になっていきなり3時間分のコンサートの気持ちを作ろうと思っても、とても無理です。
それと同じように、何か作業をするときも、気持ちの助走をしていく必要があるでしょう。緊張感も含めて、気持ちを作ることは、いつもそういうことであって、仮に畑作業であっても、大きな作業のときは何日も前から段取りを立てていくと同時に、心づもりというか、その気持ちを積み上げていく必要があります。
少しずつ助走をつけていって、場合によっては一緒に作業をする仲間にも同じように気持ちの助走をつけてもらって、それが調和していればお互いに高い緊張感を持っていても、嫌な気分になることはないでしょうね。
大きな力を出す作業とか、激しいスポーツなどでは、大きな声を出したり、短く厳しい声を出しながらお互いの関係を作ることになるでしょうし、逆に室内のゆったりした作業のときには大きな声を出す場面はありません。
そういうときにそれぞれが同じように心の準備ができていたり、自分でも自信をもって何かに取り組めるというときは、いい意味で緊張感が質の高い作業をさせるでしょうし、誰も嫌な気持ちにはならないでしょうね。
逆に、準備不足で、その場その場でいきなりこういう心構えでやりましょうと付け焼き刃の緊張感を出そうとしても、自分も周りの人も嫌になってしまいます。
その場にふさわしい緊張感を持つために、自分も含めて周囲の人と一緒に段取りをつけたり、気持ちを高めたりして、気持ちを作る準備に時間をかけるというのがコツではないでしょうか。
(2023年5月13日 掲載)
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