質問
お父さんとお母さんが以前、「回復したら、自分は無力だという事を受け入れられるようになる」と教えて下さいました。
私は、多分6歳ぐらいの時から、自分をずっと否定してきました。自分は無力、みにくい、と思って、その否定感の上に自分が成り立っているような感じでした。
今も、その否定感が心の底にこびりついています。なのはなでは、誰も自分を否定していないと解っていても、自分が自分を否定する気持ちが、ふとした瞬間にあらわれて不安になってしまいます。それは間違いだと思っても、否定するのがくせになっていて、抜けません。
「自分で自分を否定するタネを作らないように」と、心の底ではいつもはりつめています。
この否定感は、何を心がけていたら取れますか?
私は、否定感の無い自分に、変わる事が出来ますか?
教えて頂けると嬉しいです。
答え
なるほどね。うーん、あのね、この人、試しに、誰もいないような部屋でね、鏡を持って、割と大きめの鏡で無理なく自分の顔全体が映るくらいの鏡を持って、じーっと自分の顔を見てください。否定感が取れます。
じーっと見続けてください。自分を否定してるときはね、割と、醜い顔してます。嫌な顔してます。暗い顔してます。鏡で自分の顔みるとね、あ、醜いなと思う。嫌な感じを受ける。だから、表情をね、自動的にたちまち普通に戻していくんです。無意識にね。
普通の顔にすると、否定感が消えてるんです。
目だけが見えるとか、こんな小さい鏡じゃ駄目、すこし大きめのね。
否定した気持ちのままで良いですから、自分を鏡に映してみてください。自分で自分がばかばかしくなります。鏡割っちゃだめだよ。割らないで、自分で自分を見続ける。
自分で自分を、自動的に修正しちゃいますよ、人は。
それが具体的な方法ですね。
自分が無力だということを受け入れられるようになるって、本当に無力だということとはちょっと意味が違うんですね。
自分に自信を持った上で、それで無力でも構わない。何を失っても構わない。そういう気持ち。透明なね。力が無くても構わない、ということなんです。
何て言うのか、無力っていうこと、じゃあ、どれくらい力がついたら無力じゃないのかってことなんだけど。
僕は若い時に考えたことがある。これは、ほんっとうに大事な話なんです。すごく疑問に思ったことがある。
恋人と一緒に連れ立って歩くとき、どれくらい強くなれば恋人を守れるかということ。
好きな人だったら、その人が女で自分が男だったら、自分がその人を守らなきゃならないでしょ。
守るためには腕力が強くなきゃいけない。
で、仮に腕力を鍛えたとする。で、鍛えたとしても、もっと強いすごい人が来て、それに襲われたら、守れない。では、もっと鍛えよう、と言っても限界があるよね。プロボクサーのヘビー級みたいなのが来たら、守れない。
守れないとしたら、そんな弱い自分は女の人と付き合ってはいけないんじゃないか。守れるくらい強くならないと、女性と付き合う資格はないんじゃないか、と思いました。
すると、どこまでいってもきりがないんです。世界チャンピオンぐらいに強くならなければ、安全に守れるとはいえない。
それを、どう考えたらいいのかなと思ったんです。
そして答えに辿り着きました。それは何か。
戦える身体を作っておけばいい、ということなんです。
もし、女性を守るために、自分が戦って殺されたとする。で、守りきれなかったら、その場での自分の死をもってお詫びすれば、許されるのではないか、と。
ところが、死ぬくらいまで戦えるには、相当に強い心と身体じゃないと、死ぬまで戦えないんです。やっぱり、相当に鍛えないと戦えない。
自分は死ぬまで、身体に残っている力を出し切るまで戦う、っていう気持ちと身体を作れたら、強かろうと、弱かろうと、もうそれでOKなんです。それでいいんだと僕は思いました。
ただ、それくらいは強くなっておかないといけないと思った。
それと同じ。無力でいいんです。ただ、死ぬまで、自分は尽くすぞ、という、尽くせるという気持ちが持てたら、自信になる。
僕は、全てを失ってもいいくらい力を出しきれますよ、ということです。
でも、何回でもゼロから自分は生き直しますよ。やり直しますよという、そういうくらいの気持ちを持ったらいいんじゃないかな。
否定じゃないんですよ。ある種の自信なんです。
最近、僕は喧嘩しなくなったけど、ある種の哲学だと思いますよ。喧嘩しないというのも。即座に命を捨てる気持ちでやれる、という思いがあったら、喧嘩にならない。
あんた、そこまで命かけることじゃないですよって、相手が引っ込んでくれる。
そういう気持ちは、時々、使わなきゃいけないと思いますね。
だから、なんていうかな、自分は力ないと思っても良い。でも、力が無いために自分が駄目になっても、死ぬくらい、死ぬまで自分は力を尽くして達成する。それくらいの気持ちは常に持つべきでしょうね。
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