ミーティングが終わってから気づいたことがあって、自分は具体的に考えることがすごく苦手だと思ってたんですけど、それは具体的に考えないようにして自分を守っていたんだなと気がつきました。
今、気がついたから、これからは具体的に考えることを意識する、というふうにやっていけば、できるようになるでしょうか。
【お父さんの答え】
僕は、車での移動中などに、ラジオを聞くことが多いです。
ラジオのキャスターにしても、芸人にしても、具体的な話をする人は面白い。でも、よほど頭がいい人じゃないと、話しが具体的にはならないのかなと思いますね。
普通の人でも、いつも具体的に面白い話をする人というのは、割と少ない。
だからこれから具体的に考えて、いつも具体的に話します、といっても難易度が高いですよ、とは思います。
一発屋で終らない芸人、タレントのほとんどは話が具体的で、しかもニュースがあって、新しい切り口があって、面白い話しができる人だと思います。
話が抽象的なタレントは、出演者として残っていない。だから、かなり難しいです。
みんなは日記を毎日、書いてますが、やっぱり読んで面白い日記というのは、精神的な抽象的な話よりも、具体的な話を書く人が面白いです。ニュース性のある話ですね。
雑誌の記事を書くときも、絶対的なコツがあるんです。
月刊誌、週刊誌を書く時は、最初の書き出しに具体的な事実関係を、場面として書く。
そのあとに、それはなぜかっていう謎解きを書く。それが済んだら、次に別の展開の具体的な場面を書く、そしてその解説を書く。それが飽きずに読んでもらうためのコツです。
うちも永年、ストーリー仕立てのウィンターコンサートをやってきていますが、その脚本を書くときも同じです。
最初に出てきた出演者が観念的な話ばっかりしたら、つまらないんです。
いきなり、突飛な事件から始まるから面白い。2019年のウインターコンサートは一番最初に女の子が出てきて、舞台の正面で骨董品の大切な恐竜の卵を、バットでバーンって割ってしまうでしょ。
え、なんで割るの?! っていう、そういうビックリ感を具体的な行動で見せています。
先にそれを見せて、あの人は何だったの? ということを思わせるから興味を引く。
日記も一緒です。日記も、自分の考えを延々と書くよりも、何か行動、具体的な出来事を再現する。そしてそれの解説を書く。次にまた行動とか、見たこと、現物の具体的な内容を書き、その解説という繰り返しで構成していったらとても面白い。
そういう訓練をしていると、自分の頭がだんだん具体的に働くようになる。抽象的な考えは、ジャグリングになって、答えを出さないまま同じところを廻っているだけになる。
精神的に病んでくると、ジャグリングばっかりで、具体性ゼロになっていく。もう恐ろしいほどの繰り返しになってしまう。
ただ人間は、聞いてくれる人がいると、恐ろしいほどの繰り返しが、実はできない。飽きてしまうから。それで、うちがしているOMTのミーティングは効果がある。どんな下らない間違いだらけのジャグリングでも喋って、喋って、喋って、喋り倒すと、飽きてきて、もういいか、と感じてそのジャグリングから抜けることができる。
そもそもジャグリングが面白いはずがない。人が聞いても面白くないし、自分でも面白くないから、気が済んだら、次に行こうという新しい気持ちになる。
何のアドバイスもなくていいから、間違った感情でも出すだけ出すと、きれいになくなって正しい感情にリセットされる。ただし、聞いてくれる人がいないと気が済まないよね。独り言では効果はない。
喜怒哀楽を正しく感じられるようになると、感情を消したり、出したりがスムーズにできるようになります。普通の人になる。
つまり、普通に人に話すときには、具体的な話しだけをする。
抽象的なマイナスな感情のジャグリングは、OMTなどで安全に吐き出すだけ吐き出して、リセットしてそれは頭の中に残さない、というふうにしていきましょう。
具体的な話しができている人の割合を敢えていうなら、大雑把にいって100人のうち3人くらいじゃないかと思います。
(2023年4月24日 掲載)
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