(今回は、卒業生からメールで届いた質問です)
お父さん、お母さんこんばんは。
お父さん、今日はちょっと相談をさせていただきたいです。
休日に、あれもやりたい、これもやりたい、などやりたいこと、行きたい場所があるのに、いざ休日になるとやる気がなくなってしまい結局は、洗濯をしてスーパーに買い出しに行ってダラダラして終わってしまうんです。
やりたいことをがあるのに、できないのは、甘えですか?
また時間があるときに教えていただけたら嬉しいです。
休日にやりたいことがあるのに、いざ休日になるとやる気がなくなってしまう、という相談ですね。
ひょっとすると、やりたいことが具体的になっていないのではないかな。
お父さんも普段、生活していて、これがあったらいいな、今度、買ってこよう、と思っているのに、たまたまスーパーやドラッグストアに寄る機会があって、さあ、何か買いたいものがあったはずだけど……。結局、欲しかったものを買いそびれて帰ってきたりすることがあります。
だいたいは、絶対に必要なものではないものだったりします。
休日にしたいこと、というのも、絶対にやらなければならないこと、というのではないと思います。絶対にやらなければならない、としたらやっているはずですから。
お父さんはいま、買い物に行ったときに買いたいものは、手帳になるべくメモをするようにしています。
ドラッグストアで今度、買いたいもの。スーパーで今度、買いたいもの。思いついたら、その都度、メモをしておきます。
そしてスーパーに行ったら、そのメモを見ながら買い物をします。メモがないと忘れるので、事前にメモをしておくのです。
それと一緒だと思います。
休日にしたいことを思いついたら、次の休日に何をしたい、とメモをするのです。
そして、やりたいことに順位をつけて、1番、2番、3番としておきます。
休日になったら、そのメモを見て、順番通りにやりたいことをすればいいのです。
なんとなく、やりたいことを思っていて、休日になって、なんかやりたいことがあったのに、と思っても、身体は動かない、というのは普通じゃないでしょうか。
休日が日曜日として、月曜、火曜、水曜と、毎日、少しずつ日曜にやりたいことを考えていって、計画を練って、予定を立てて、準備もする。
1日で足りない場合は、次の休みを使う。さらに、その次の休み、その次の次の休みまで、びっしりと計画を立て尽くしてしまう、というふうにしてはどうでしょうか。
予定や、計画のないところに、行動はありません。
例えばですが、もしペンキ塗りをしたいというときには、休日が来てからペンキと刷毛を買いに行くようでは遅いのです。
何日も前から、少しずつ必要な道具を買い溜める必要があります。
どこかに出かけたいなら、その出かける先を調べ尽くすという行為が事前にあるはずです。
お父さんたちは、この前の冬から春にかけて、猪か鹿を捕らえて、捌く予定でした。現実的に捌いたことは1度もありません。
しかし、皮剝ぎナイフや、解体のための刃物類、解体台などすべて揃えた上に、本を読んだりビデオ映像を見たりして、何度も解体する手順を、頭の中で徹底的にシミュレーションしました。
すっかり準備はできていたのに、とうとう捕まらないうちに猟の本格シーズンが過ぎてしまいました。もう、次の冬まで捌くことはないだろうと思っていました。
ところが、先日、突然、朝の7時になのはなファミリー近くの人から「鹿をあげるけど、要る?」と電話が入りました。
一瞬、迷いました。
本当にできるかな?
とっくに獣を捌いて内蔵を処理し、肉を切り分けるというあの大決心の緊張は切れていたから、迷ったのです。
でも、鹿をもらうことにしました。あれだけ準備したのです。できないはずがない。
午前8時半には、解体を始めました。まだ温かく心臓が止まったばかりの鹿です。午前10時には解体も、片付けも終えました。
初めてでしたが、ほぼシミュレーション通りに迷いなくできました。みんなで食べた鹿肉は美味しかったです。
つまり、いつ本番になってもいいような心構えと準備さえできていたら、すぐに実行に移せるのです。
解体は、ただ捌くだけではないです。頭とか、内蔵は、どこに捨てようかということも調べなければわかりません。
「あれもやりたい、これもやりたい、行きたい場所がある」
というふうに言っていますが、では、やりたいことの準備はどれくらいしていますか、行きたい場所をどれくらい下調べしていますか、ということなのです。
本当にやりたいことがあるならば、休みが来るずっと前から準備が始まっているはずだ、というのがお父さんの考えです。
絵を描きたいなら、画材を準備するとか。そういう準備が整っていないから、いざ休日という本番が来ても動けないのです。
休日が来たら、何時に起きて、まずこれをやって、何時に食事の準備をしてこれを食べて、何時からはこれをやって、という計画を綿密に立てる。平日に立てておく。
休みの日になってから考えよう、では、何も進みません。
そんなことだと思いますが、実際はどうなのでしょうか。
ちなみに、お父さんとお母さんには、休日という概念がありません。これまで休日と思った日がなくて、いつも何か用事のある日ばかりです。
いつも何か、自分で立てた予定や、人と会う約束などがあって、どこまでが仕事か、どこまでが仕事でないか、どこまでがプライベートか、どこまでが公用か、境界線がほとんどありません。
仕事上ではお父さんがトップですから、叱る人がいません。
お父さんを監督する人といえば、お母さんがいるくらいのものです。
お父さん自身は、休みはいらないと思っています。
まだ行けていないですが、もし釣りに行くとしても、それは次にみんなを楽しませるための下調べだったりで、純粋に個人的に趣味をするような時間を作りたいとも思わないし、もし趣味的に見えることをやったとしても、たぶん趣味ではありません。
実際に若いころにダンスをやってたからみんなにダンスを教えられるし、ギターをやっていたから、演奏を指導できるし、すべては自分のためと人のためが重なっています。
そういう人生でいいと思っています。
(2018年6月15日掲載)
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