いま、私は保育の勉強しています。そのなかで児童養護施設などに預けられた子供は、親から虐待を受けたりしていて人との信頼関係が適切に育っていなかったり、思春期に精神的な症状を出すなどの問題を抱えてしまう人もいると聞きました。
その施設で育っている間は、そういう症状も抑えられた状態だけど、施設を出されるとすぐに生き方に迷ってしまう人が多いという問題があるそうです。
そういうことを防ぐために、児童養護施設で、なのはなのような疑似の家族関係とか、人との信頼関係をちゃんと入れられるような指導とか仕組みがあったら、そういうことはなくなるものですか。
【お父さんの答え】
児童養護施設には、職員はいますが、お父さん役とかお母さん役の人は置かず、いわゆる疑似家族の形をとってはいません。家族の役割をもった人はいなかったとしても、きちんと生き方を教えるプログラムがあれば、そのプログラムが機能して18歳で児童養護施設を出た後も生き方に迷いなく生きられるようになりますかっていう質問だと思います。
もし、そういうプログラムがあれば、機能するというのは事実でしょうね。
現状では、施設の職員が子供たちに対して生活する場所を、つまり寝るところと食べ物を提供して、義務教育プラス高校3年までの教育期間だけを保護する場所としてしか捉えられてないのではないかと思います。
あるいは、里親に引き取られるのを待つまでの待機場所とか、親が引き取りに来るまでの預かり所という側面があると、どこまでも仮住まいという雰囲気でしかなくなってしまいます。
最近の児童養護施設の実態はあまりよく知らないけれども、だいぶ前に養護施設に行ったことがって、そのとき叶うことなら里親になりたいと思ったことがありましたが、それはそういう雰囲気があって、こういう施設に入っている子には、やはり里親的な人が必要だなと痛感しました。
いまも、施設のなかで擬似的な家族関係を作るとか、信頼関係を育てていく、虐待を受けた辛い体験を過去のものとして昇華していくというプログラムとか、人の生き方を教えていくというプログラムはないのではないかと思います。
そういう意味で、養護施設を預かる場所ではなく、人をケアして育てる場所という観点からもっと構造的に運営のあり方を見直していくべきだろうとは思います。それができたならば、18歳で養護施設を出てからすぐ生き方に迷ってしまうということをなくせるのではないかと思います。
(2023年6月20日 掲載)
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