話を要約することについての質問です。自分はハウスミーティングで聞いたお話とか、本の内容とかを、こんな話だったと、面白く、具体的にまとめて話すのがすごく苦手です。自分の場合は、どんな話しもすごく抽象的に、短く記憶してしまう癖があると感じています。最近、昼食の席とかで、他の子が読んでくれた本の話しをみんなが話してくれることがあるんですけど、そういうのを聞いてて、きちんと解釈して伝えられるのはすごいと思いました。どうやったらそれができるようになりますか。
【お父さんの答え】
要領よくまとめて話すには、ポイントがあると思います。まず話しの中心となる固有名詞を覚えるということ。そしてそれがどうしたっていう動詞を覚えること。
それを繋げれば、何がどうした、という1つのまとまった話しになります。それを積み重ねていくということだと思います。
まずは一番大事な主人公の固有名詞を覚えることが疎かになっていると思います。どうしてかというと、話しの全部を覚えようとして、次々に覚えていくんだけど、大事なことも、大事じゃないことも、平均して全部を覚えていくので途中で記憶容量がいっぱいになってしまい、結局は一番大事なことがわからなくなってしまうのです。
だから、全部を覚えようとはしないこと、というのがコツなのです。
少し引いた気持ちで、ざっくりと全体を捉えて、全体としてどんな話かを掴もうとしながら聞いて行く。一つひとつにはこだわらないで、全体としてどんな話かというのを掴み、その中で中心になる固有名詞と、それがどうした、というのを掴めば、話しの大筋をはずすことがなくなります。
うちは定期的にコンサートを開いていますが、バンドの音や演奏をまとめるときにも同じことをします。だいたい僕がミキサーをするので、音の調整をしてくださいというときには、まず全体で演奏をしてもらいます。ボーッと全体の音を聞いて、どんな印象なのかというのをハッキリ掴みます。
例えば、全体としてガチャガチャしてるな、というときもあれば、何か面白くないとか、音が濁ってるとか、低音部が弱いとか、逆に低音が強すぎるとか。メロディーラインが聞こえにくいとか。
そんなふうに全体としてどうなのか、というのを掴んでから、それを修正するということをします。音がガチャガチャしてるときは、ガチャガチャさせているのはどの楽器なのか、あるいは特にどのフレーズがダメなのか、を聞きながら絞っていきます。そして、ミキサーで調整できるところは調整して、場合によっては演奏を変えてもらったほうがいいか、音色を変えてもらったほうがいいか、いくつか試してもらって最適な音を作っていきます。
それが、最初から全部の楽器にこだわって聞いてしまったら、何を立てていいのか、どういう曲なのか、いつまでたっても掴めません。どう調整したらいいのかもわからなくなってしまいます。
話しの流れを掴むのも同じで、話しの全体を覚えようとするのではなく、そもそも1行で言えばどんな話しなのか、と考えながら聞いていって、余分な飾りの言葉は記憶の中で省略してしまいます。
どんな話しなのか、緩く、緩く、聞いていって、全体を掴みます。
決して、話しのディティールまで全部を覚えておこうとはしないこと。それで、話し中心になるストーリーが掴めたら、記憶の中から自分が必要だと思った飾りの部分を思い出して効果的にくっつけていって、自分なりの解釈で話しを再構成するということです。
そんなふうにすれば、聞いた話もポイントを外さずに覚えておくことができるようになります。聞いたことを、自分なりに話すこともできるようになります。
ぜひ、ゆるーく聴く、というスタンスを試してみてください。
(2023年8月8日 掲載)
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