第62回「わからない問題は」


〈質問者〉

質問

 私は今、簿記の試験に向けて勉強しています。
 でも、分からない問題があると、そこから進めなくなり、1つの問題に1日かけても、解けないことがあります。

 周囲のみんなは、きっと、私が「簿記を教えてもらえたらうれしい」と言ったら教えてくれると思います。
 でも、相手の時間をとってしまうことが、すごく申しわけないと思ってしまい、わからない問題が、どんどん、たまってしまっています。
 テキストや回答を見ても、どうしてもわからなくて、甘えたことかもしれないけれど、今、困っています。

 人に助けてもらうとき、申しわけないと思ってしまうのは、人を恐れているからですか?
 私は、人の気持ちを、さぐりすぎですか?
 また、人の時間をもらって、助けてもらったとき、申しわけないと感じることが間違いだったら、どんな気持ちで人と関わったら、罪悪感を感じずに、周囲の人に助けてもらうことが出来ますか?

 

〈お父さん〉

答え

「人に助けてもらうとき、申しわけないと思ってしまうのは、人を恐れているからですか?」
 そうだと思いますね。
「人の気持ちを、さぐりすぎですか?」と聞かれたら、そうだと思います。

 ええ……「どんな気持ちで人と関わったら、罪悪感を感じずに、周囲の人に助けてもらうことができますか?」
 どうなんでしょうねえ。周囲の人と言っても、いろいろいますよね。いろんな人がいますよね。自分が、好きだな、と思う人に、聞いてみたらいいんじゃないでしょうかね。
 
 この人は、周りの人をみな同じに見てしまっているのかな、と思うんですね。周囲の人にもいろんな人がいるので、自分の好きな人から教えてもらう、とか、自分が好意を持ってる人に聞く、というのが、基本なんじゃないでしょうかね。周囲の人、誰でもいいからっていうのは、良くないのかなと思います。誰でもいいからと思っちゃうのは。
 好きな人から教えてもらおう、という気持ちになるのが大事かなと思いますね。ね。

 

〈お母さん〉

 そうだね。それはそうとして、けっこう、……教えたいものだよ。聞いてもらったら嬉しいものだよ。
 聞かれた人は、自分も、もしわからなかったらどうしよう、と思ってるのかな。分からなかったら、聞かれて、「あ、ごめん。わかんないよ」って言って、わかってそうな人を紹介してあげればいいじゃん。

 

〈お父さん〉

 そう。助ける人と助けられる人、教える人と教えられる人って、あまり分けすぎてるのかな。
 一つの問題を肴にして、2人で遊ぶと思えばいいような気がしますね。
 それとか、それより前にね、一つの問題に1日かけても解けない問題があります、という勉強の仕方が問題だね。
 
 僕は、簿記の2級や3級で1日かけて問題を解くなんて、そんな意味のある問題はないと思いますね。だから、問題と答えをさっさと見て、次々暗記していく。もし考えていたら、何の成果もない1日となる。意味のある勉強とは僕は思わないです。
 わからなかったら、僕は、わかる問題だけをどんどんやっていって、確実にわかるようにして、わからない問題は人に聞くと。これだけ、たくさん、まわりに2級持ってる人がいるんだからね。迷ったり悩んだりしてる時間を、極力無くするのが正しい勉強の仕方です。

 極端な言い方するとね、自分の時間を、自分の好きなように時間を潰すのは勝手でしょ、という考えは、僕は嫌いです。自分の時間なんか一つもなくていい、と僕は思ってますね。
 つまり、自分が停滞してる時間を少なくして、自分が何かをしたら、誰かに何かを貢献できるわけでしょ。貢献した方がいいと思いますね。自分の時間だからって、自分がボーッとわからないまま考えたって、誰の役にも立たないですよ。
 自分の時間を無駄遣いしてるということは、世の中に対しても、自分という1人の人間の労働力を無駄にしている、という考え方ですよね。それは、罪なことじゃないでしょうか。
 
 ここに2人、労働力がいる。あるいは、何かをやれる人間が2人いる。
 片方の人は、何か仕事をする。
 1人が、ずっと問題を考えて1日解けない。ということは、何も覚えていない。なんのためにもなってない。そういう考えは、無意味なだけです。
 問題を考えるよりも、もう1人の人に、これ教えてくれる? って言って、この人の手は止めるかもしれないけど、20分30分で分かって、あ、これは覚えた。それから2人で仕事したら、その地域なりグループに2人分の労働力を奉仕できるでしょ。
 それが、自分で勝手に自分の時間をものすごい無駄遣いしてて、それは、世の中に対してね、望まれた生き方ではないような気がしますね。
 
 人の時間を無駄にしてはいけない、だから質問しにくいと言って、自分の時間をたっぷりと無駄にする。それはいけませんよ。
 結局、自分も、客観的に見るとね、ほんとだったら、なんか役に立たなきゃいけない。それが、自分という1人の人間を無駄にするというのは、馬鹿げたことだし、恥ずかしいことだし、いけないことだ。そういう考え方ですよね。
 停滞してるのはね。わからなかったら答えを聞く。どんどん、できるようにしてく。
 聞いてはやり、聞いてはやりだから、わからなかったら、次これ、次これ、って全部教えてもらって、わからないところをまとめて一気になくす。
 できるものは元々できる。わからないものは、できるようにして、暗記する。暗記するのに時間かけるのはいいけど、問題を解こうとして悩んで時間使うのは、勉強って言わない。時間の無駄遣い、でしかないですよ。









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第3回「本で涙を流すことについて」
第4回「本を読んでも内容を忘れてしまうことについて」
第5回「時間をうまく使えるようになるには」
第6回「太宰治について」
第7回「摂食障害の人が片付けが苦手だったり、約束の時間に遅れてしまうのは何故ですか?」
第8回「自分のことを『僕』『おいら』と言うのをやめられなかったのは、なぜか」
第9回「おいしいカレーと、おいしくないカレーの違い」
第10回「楽しんで走る」
第11回「死ぬことへの考え」
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第44回「才能について」
第45回「身長は伸びますか」
第46回「否定感が強い」
第47回「ぐっすり眠れない」
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第52回「何のために変わるか」
第53回「痛みを知る」/a>
第54回「投げやりな気持ち」
第55回「未完成」
第56回「相手を許す」
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第58回「甘いと甘え」
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第63回「眠ること」
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