今年に入ってから、物を壊す頻度が多いなと思います。結構、いろんなものを壊してしまってきて、また壊すんじゃないかと思ったら、最近は機械とか、大事な物を触るのが怖いなと思ってしまいます。どうしたらそういうのをなくせますか。
【お父さんの答え】
僕は2つ下に弟がいます。小学校のころ、2人で新しい靴を買ってもらったとすると、僕が1年持つときに、弟は減りが早いので半年で買い替えなければならない、ということがありました。
僕は自然に、靴が減らないように歩いてた、と思うんですね。靴の気持ちに添って、減らない歩き方をしていたわけです。
それと同じように、やっぱり機械の気持ちに添うっていうことが大事だと思います。
機械の気持ちに添うっていうのは、機械がいまどんなストレスがあるのか、気持ちよく動いているのか、そしてこの先も調子良く動いてくれるのか、機械と心を通わすようにして使うと壊れることがないんです。
話しは全然違うけれども、この前、なのはなファミリーではみんなで海に行きました。海遊びの中で魚たちを見たりしましたが、なかには魚を全然、見つけられませんでしたという人もいるんです。この前は、イカの群れが溜まっていたのを見つけて、いろんな人に教えたけど、それでも見えないという人がいるんです。
考えてみると、魚屋さんに並んでいるイカのように見ようとすると、海のなかのイカは見えないです。イカは半透明で目玉と脚がちょっと見えるだけ。よく見れば胴体も見えるけれども、目がそういうイカに慣れていないと見ることができません。だから、海で同じところにいて、同じタイミングで潜っても、見たっていう人と見てないという人が出てきてしまうんです。
もう一度いうと、イカの気持ちにならないと、イカが見えない。
同じものが目に入っても、それがイカだと認識できないわけです。目がくるくる動いてかわいいんだけどね。イカは他の魚より、人間に興味を持ったり、人間を怖がったり、時には呼べば寄ってくるときもあります。人間味のない魚って、目の前でこっちを見て泳いでいても知らんぷりして通り過ぎていくけど、イカはちゃんとこっち見て立ち止まる。
指を動かすと寄ってくるので、フレンドリーなんです。そんなイカの気持ちに添えない人が潜っても、何も見えなかったってなってしまうわけです。海の中のゴミにしか見えない。イカの足が下がっていても、紐がぶら下がってるだけかなと思ってしまう。
話しがイカに行ってしまったけど、それと同じで機械の気持ちに添える人は、草刈機のエンジンスタートするときでも紐を引いてブルルという音を聞いて、これはちょっとガソリンが行ってないとか、ガソリン行き過ぎたとか、2秒、音を聞いただけでわかります。
エンジンが回っているときでも、白煙の量とか、エンジンの音の変化で、そろそろ休ませたほうがいいとか、今気持ちよく回ってるとか判断できます。そういうふうに、気持ちを添わせることができるかできないかだと思うんだよね。それがあんまり添わせることができてないっていうか。全く機械の気持ちになろうとしていないと壊すことが多くなってしまうのです。
摂食障害の症状がある人の場合は、自分の心配とか、自分のつらさで頭がいっぱいなので、何にも気持ちを添わせることができないから、食器を洗えば食器を割るし、何かをやれば何かを壊しまくりになってしまう。
でも質問者の場合にはそういう症状は抜けているわけだけど、気持ちを添わせる習慣がないのだと思います。そこは変えなければいけないですね。
心に柔軟性を持たせて、自分を離れて周囲に自分を添わせるようになると、食器も壊さなくなるし、機械も壊さなくなっていきます。そういう意味では、質問者はまだまだ添わせようっていう気が少ないのかもしれませんね。
例えば乱暴に草刈機を扱って壊してしまったギアを交換すると、部品代だけで1万5000円くらいするんですよ。たった1回、刈り刃をガツンと硬いものにぶつけただけで、それだけ交換費用がかかってしまう。
壊さないように、機械に気持ちを添わせて大事に使っていってもらいたいですね。
(2023年8月14日 掲載)
Copyright © なのはなファミリー 2025 | WordPress Theme by MH Themes