ダンスや楽器など、すべてのことを高いレベルでやりたい、できるはずだと思って、できるかどうかではなく、やる、と思うのは欲張りですか?
【答え】
やる、でいいと思いますよ。
やる。できるかどうかで言ったら、間もなくウィンターコンサートがありますが、まだ脚本は書いていません。脚本が書けるのか、書けないのか、でいうと、書けても書けなくてもコンサートはやるんです。それも高いレベルの脚本を書く、どうしてもやるっていう覚悟をしているんです。
摂食障害でも、私は治らなくてもいいんではないかと思ってしまう人がいます。
本当に治らなくていいんですか、帰る場所があるんですか、病気のままやっていけるんですか、ということになる。
それが「うちは超お金持ちで、私が死ぬまで食べ吐きを続けても経済的に困らない。家に帰ればいつでも食べ吐きの世界に戻れるんです」と思い込んでいる人がいる。
そういう人は治る必要がないのかもしれない。治らなくても良いのかもしれませんね。治らなければならないという動機もないですから。
それが帰る場所がない人は、石にかじりついても治らなければいけない。そこなんですね。家はあったとしても、治らなくては帰れない、という人も同じです。
退路を絶った人は強いです。もう戻れない。
この高いレベルで、というのも同じなんです。高いレベルでやるしかない、低いレベルではできない、と思ったら高いレベルが実現するのです。
低いレベルではやらない。その気持ちの入れ方が、すごく大事なんじゃないかと思います。低いレベルでやるという選択肢はない、っていう状況は凄く良いことなんじゃないかと思う。
高いレベルでのダンスを目指す、高いレベルでの楽器演奏を目指す。まだ自分が実現してないレベルをイメージして、それができると信じて練習していく。
できると信じてやれば、できるようになります。
信じる力がなかったら、そこまではいきません。できるようにならない。
ギターでも何でもそうです。
例えば、スリーフィンガーを教わって練習する。初めはできません。すぐにできるはずがないですからね。でも、できると信じて練習する。できない、できない、という日が続きます。それでもできるようになることを信じて、練習する。それでも、できるようにならない。
ところが、ある日の朝、いつものように練習していると、なんかこれできてない? できてるよ。びっくりした、というふうに、突然、できる瞬間が来るのです。
信じていない人、練習しない人には、その瞬間は訪れません。
突然、できるようになっている、イメージした通りにできるようになる、いつそれができるかはわからない、でもきっと間に合うはずだ、それを信じて練習を続けていく。それしかないです。
ある意味、それは欲張りかもしれません。でも、そういう欲はたくさん持っていていいんです。自分の欲のようで、自分の欲ではありません。祈り、願い、に近いものですね。それで誰が得をするかというと、究極、自分の得のためじゃないんです。
見に来てくれたお客さんを喜ばせたい、一緒にやる仲間を喜ばせたい、そういう欲はたくさん持っていい欲なんです。
はっきり言って、自分が得するかどうか、だったら、辛い練習はやめてもいいかな、とすぐに諦めがついてやれません。でも、仲間のため、お客さんのためだったら、ちょっとやそっとじゃやめられないんです。人生っていつも、そういう気持ちで向かうものじゃないかな、と思います。
(2018年11月2日掲載)
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