個人的な話かもしれないですけど、年齢と気持ちがちぐはぐな時期と、年齢と気持ちが合ってる時期があるなと思っています。
今は、気持ちが追いついてきていますが、今までを思うとなんかあまりにも違いすぎて、実際の年齢に気持ちが追いついていなかったと思います。誰でもそういうことはあるものでしょうか。
この実年齢と気持ちのギャップをどう乗り越えていったらいいのか、教えていただけたら嬉しいです。
【お父さんの答え】
年齢と自分の自覚が噛み合わない感覚は、誰にでもあることだと思います。年齢と自分の意識の持ち方には、かなり個人差があります。
例えば僕らがまだ20代だった頃、輸入楽器の営業をやっている人がいて、取引先に行って平社員だと営業がやりにくいので、給料は今のままでもいいから課長か部長の肩書きだけをくださいと社長に直訴した人がいる。若いときには年齢を上に見られたい、そのほうが仕事がしやすいという人はいます。年上に見られたいんですね。
その人は、名刺だけだぞ、ということで肩書きをもらって張り切って仕事をしていましたが、そのうち自分で会社を立ち上げて社長になって成功しましたね。
女性でも、年上に見られたい人はいますね。「私が若かったころはさぁー」という女性がいくつかといえば、19歳のスケバンみたいな女性だったりして、お前、今でも若いよって言いたいときもあるよ。やっぱり年上に見せたがる。
やる気がある人も年上に見せたがるし、そんなふうに実年齢よりも上に見せたい人もいれば、上に見せたい時期もありますね。
その逆に、実年齢よりも若めに見せたい人もいれば、そういう時期もあります。
ただ全体として、年齢と意識の関係のほとんどは、意識が年齢に置いてかれてしまって、知らないうちに年をとってしまっている、意識が年齢に追い付いていないほうが一般的かなと思いますね。
僕も前から、自分の意識は32歳くらいですと人に言ったりしてるけど、実際はもっと若い意識しかないかもしれないね。はっきり言って、今でも自分の年齢は信じられないというか、そんなに年をとっているかとビックリするくらいで、実際に20代の子と話していても同世代くらいの意識しかない、というのが本当の気持ちです。自分が年上と思うことはほとんどないです。
逆に同世代の古い友人と話していると、身体が悪くなったとか動かなくなったという話題が多くて、僕も合わせたりすることもあるけれども、現実的に全然まだまだ若いと自分は思ってるし、年をとっているという自覚はかなり薄い。ソフトバレーをやっていても、みんなに負ける気がしない。
考えてみれば、身体の一部(お寺関係)がストレスで悪くなっているところはあるけど、これはもうすぐ治ると思っています。そうそう、若いときと同じように夜食を習慣的に食べたりして高血糖にもなったけど、これはもう修正済みで普通の血糖値になったしね。(言い訳はしているけど、やっぱり結構、年をとっている)
意識が年齢に追いつかないというのは、まだ気持ちがその年齢ほど定まっていないということでしょうね。だから、ちょっと待ってくれっていう気持ちがあるときは、年齢に見合った品格、知識、実力ができてなくて、まだ準備できてませんという感覚でしょう。
論語で孔子は「15にして学に志し、30にして立ち、40にして惑わず、50にして天命を知り、60にして耳順い、70にして心の欲する所に従えども矩を踰えず」といっている。15歳になっても本気で勉強に取り組むのは難しいし、30歳になっても自立は難しいし、40歳になっても迷ってばかりだし、50になっても天命を信じられないし、60になっても人の言うことに素直になれないし、70になっても欲望が多すぎて間違いばかりしてしまうのが普通だから、その反対のことを書いているわけだよね。
よく思うのは、子供ができる頃に親の自覚が生まれるかというとそうじゃない。子供が生まれてから、子供に親にしてもらうというのが正直な感覚だと思う。
これはみんなに言えることなんだけど、結婚をして子供か産まれるでしょ。でも、まだまだ、俺、自分が父親だなんて、信じられないよってたぶん誰もそう思う。
でも子供が大きくなってきて、パパと言ったり、お父さんとか言い始めるので、俺がお父さんか、そうだよね、お父さんらしくしよう、みたいな感覚だと思います。
子供が父親をつくるというか、子供に母親にしてもらうみたいなところはあります。
子供が目の前にいる、という事実が自覚を与えてくれる。気持ちは乗り遅れているけど子供ができて大人になる、というのが大方の夫婦なんだと思います。
ただ、お父さんが32歳くらいの自覚しかないとかみんなの前でいうと、無責任な人と思われるからそんなふうに言わないほうがいいよとお母さんにはられている。私は人間が全然、できていません、ってそんな言い訳はしないほうがいい、年齢に見合った品格を備えなさいということだよね。
やっぱり年がいったら、年がいっただけの振る舞いをする責任があるからね。中身はないけど、中身があるふりをしているうちに、やがて中身が年齢に追いついてきてくれないかな、そういう感じでいいのではないでしょうか。
(2023年5月5日 掲載)
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