質問
太宰治の本を読むと、苦しんで生きていたんだな、と感じます。
太宰治の苦しさは、私たちの苦しさと通じるものがあるのでしょうか? 気になりました。
また、お父さん、お母さんは、太宰治と、太宰治の作品について、どう思いますか?
答え
太宰治は生きにくさ、生きる苦しさを抱えていたと思います。そういう意味では、もしも太宰治が女性だったとして、今の時代に生きていたら、摂食障害になっていたのではないでしょうか。そう思えるくらい太宰治が抱えた生きにくさと、みんなが抱えている生きにくさはは、同じ種類のものだと思います。
結局、作家になって成功しましたが、それでも何回も自殺を試みて、もっぱら女性と心中を試みて、とうとう6回目か7回目に、玉川上水で入水自殺を果たしました。
東京・三鷹の禅林寺に、太宰治の墓があり、桜桃忌といって、6月19日には太宰治の好きな人が集まって、法要が営まれています。
僕は、太宰治は大好きです。唯一、嫌いな小説が「走れメロス」ですが、あれは太宰治が間違って書いてしまった駄作と思います。これだけは面白くないですが、これ以外は、全部面白いですね。
結局、太宰治は出口を見つけることができなかった。苦しみの原因も見つけられなかった。ただ、小説を書きながら、自分の傷と向き合っていたとは思います。その向き合い方が好きです。
太宰治の生家は、青森で旅館をやっていて、取材の折に泊まったことがあります。今は旅館をやめて記念館になっているようです。
太宰治の小説を読んで、共感するあまりに自殺した、という話を僕が若いときには聞いた事があります。恥ずかしい話ですが、それくらい共感したり、感動したりする気持ちを、僕は今でも持ち続けています。
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