本を読むときに、内容はわかるんですけど、面白いとか、感動するとかもわかるんですけど、その本を通して作者が伝えたいことが読み取れないと思っています。それはどうしたら読み取れるようになりますか。
【お父さんの答え】
面白いと思ったり、感動したっていうのがあれば、それは作者の意図したことを読み取れているんじゃないのかなと思いますね。
もし心配だったら、文芸評論っていう分野があるんだけど、その文芸評論を読むと、本の読み方や、どう感動したらいいのか、というのがわかります。一度、それを読んでみたら、深い読み方がどんなものかわかると思います。
ところで、僕が大学で受けた講座で、文学概論というのがあって、その一番最初の先生の話が非常に印象深かったです。
小説は、何か大事なことを伝えるとかは二の次、三の次で、読んで面白くなければ何の役にも立たない、とキッパリ断言しました。読んで面白いこと。面白く読めること、それが絶対的条件としてなければ、小説としては何の意味もないという。
だから、自分が面白くないと思ったら、その本は読まなくていいんです。
自分が面白くないなと思ったら、ちょっと今の自分に合ってないということもあるでしょう。その本のほうが面白くないのか、自分の集中力がなくて面白く読めないのか。まあ、それはどっちでもいいけど、ためになりそうだからと面白くもない本を読む必要はまったくありません。
そして、自分が集中力が弱いなと思う日は、短編小説とかエッセイなど、短い文章の面白く読める本を読めばいいだけです。
つまり、面白くなかったら読むのをやめる、そして面白く読める本を探すという方針をもって、面白く読める本を次々に、面白い、面白いって読んでるうちに、だんだん読むベテランになってきて、より深く読めるようにもなるんじゃないか、そう思いますよ。
では難しい本がいつまでたっても読めないかというと、そうでもなくて、興味深いなと思えば難しい本も面白く、興味深く読めるようになるので、自分の理解度が深まるほどに、読める本の幅も広がってくると思っておいていいんじゃないでしょうか。
(2023年8月18日 掲載)
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