要領がいい人と、要領の悪い人がいると思いますが、どこでその違いが出てきてしまうのか、自分ではよくわからないのですが、お父さんに教えていただけると嬉しいです。
【お父さんの答え】
確かに要領がいい人もいれば、要領が悪い人もいますよね。
要領のいい人は、仕事の完成形をすぐにイメージできる人だと思います。仕事に取り組む時点で、使える時間、使える素材、そのとき動ける人数、その人の熟練度などを考えて、即座に、この仕事の落としどころはこれくらい、という完成形が把握できてしまう人だと思います。許された時間や環境、条件の中で、ベストパフォーマンスをするにはこの辺りを目指そうということが、すぐにイメージできる人ということなんでしょうね。
逆に要領が悪い人は、その完成形をイメージしないまま、手順だとかやり方にこだわりすぎて、結果としていいパフォーマンスが出せない人ということです。あるいは未完成になったり、締め切り時間に遅れたりして、それが要領が悪いということになるのだと思います。
別の言い方をすれば、小さく産んで大きく育てることができる人が要領のいい人で、計画倒れになっちゃう人が要領の悪い人ということもできます。いずれにせよ、僕は「落としどころ」っていう言葉が好きなんだけど、落としどころのイメージがちゃんとつかめる人になると要領よくなるでしょう。
あと仕事を段取りよく進めることができる人が要領のいい人ともいえます。
大がかりな仕事になると、どれだけ段取りがうまくできてるかで、作業が始まってからのスピードや、やりやすさが違ってきます。
進める前に、まずは段取りの部分と、本作業とに分けて、きちんと段取り部分を済ませてから、本作業に入る、ということも必要な場合があります。
よくドイツ人と日本人の違いで言われたのが、書類を作るというとき、日本人はすぐにパソコンを開いて書類を作り始めるが、ドイツ人は書類を入れる棚を作り始めるという。
つまり、書類やファイルを作って、それが机の上に山積みになってから、棚を作らなくちゃといって作るとなかなか片付かない。ドイツ人は先を読んで、棚からつくるということだよね。そうするといつも片付いているし、書類が散逸しない。
もっとも、今は棚を作らずに、クラウドと契約する、ということかもしれない。
台所仕事でも同じだと思います。料理をしようと思ったら、まず包丁を持って何かを切りたがる人と、包丁を持つ前に、切った食材を入れるザルや皿を用意する人とがいると思います。当然、切った食材を入れる容器を用意してから始まる人のほうが要領がいいということになるでしょうね。
要領がいい人と悪い人とが作る料理、どちらが美味しいかというと、やっぱり要領のいい人のほうでしょうね。
(2023年8月10日 掲載)
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