魚を上手に食べられません。1匹まるごと魚が出ると、食べるのに時間がかかり、食べた後が汚いです。きれいに速く食べられるコツがあれば教えてもらえたら嬉しいです。
骨以外は全部食べられるのでしょうか?
【お父さんの答え】
これ、良い質問ですよね。魚には、食べ方があるんです。
それで、ちょっと変わった魚の食べ方から言うとね、鮎です。アユ。
鮎の塩焼きってイメージできますか? 鮎の塩焼きの食べ方は、ヒレにだいたい飾り塩をしてありますから、胸ビレと背ビレなどを塩ごと取ります。頭も取っていいです。
人によっては頭も取らないで、まるごと食べる。がぶがぶがぶ、内蔵ごと、骨ごと、食べる。しっぽは残します。
なんでまるごと食べるかというと、鮎は香りを楽しむ魚だから、なんですね。内蔵の苦みや香りを楽しむんです。そして背骨も柔らかい。なんたって腸(はらわた)のほのかな苦味。これが、いい。これを味わうんですね。
で、鮎というのは釣り方も独特で、友釣りで釣ります。聞いたことありますか? 友釣りというのは、お友達を呼んできてね、という釣り方じゃないんです。似てるんですけど、友釣りのもとになる魚を買って、しっぽ近くに鈎をつける。友釣り用の仕掛けは、釣り上げたい魚を引っ掛けるようにできている。
こちらで用意した鮎を泳がせると、渓流に住んでいる鮎が、俺の縄張りに来るんじゃねえって追い払いに来る。友達じゃない、いじめですね。しっぽで蹴る。すると友だちを連れてくるように釣れる、という仕組みです。
鮎は餌を食べないので、餌では釣れないから友釣りをする。餌をつける釣り方もありますけどだいたいは友釣りで、餌を付けてない。なんでかというと鮎は石についた藻を食べてて、虫を食べてないからで、それで腸ごと食べても大丈夫ということなんです。
それからもう1つ、鵜飼というのがあります。ミノをかぶった漁師さんが、鵜を泳がせて、鵜が潜って鮎を飲み込むと、手綱で呼び戻す。おいでおいで。口から鮎を出すようにうえってやると、ばだばだばだって鮎を吐き出す。また鮎を捕りにいく。
これも、餌で釣らないでしょ、鵜が咥えて飲み込んでくるわけだから、傷ついてないんですね。だからつまり、餌で釣ってないので、もちろん洗ってから焼くから大丈夫。
ななほ:
網で獲ってるのかと。
あ、網に近いのあります。やな漁といって、川の中に竹のすのこを設置して、上流から流れてきた鮎がその竹の上に打ち上げられるのを手で捕ったり、網ですくったりする。
いずれにしても、釣らない。餌で釣らない漁ですね。
ちょっと話が遠回りしすぎて鮎に偏っちゃってますけど、そういうふうに丸ごと食べる鮎の食べ方もあります。
切り身魚で言ったら、一番の代表選手は、鮭の切り身ですね。鮭は切り身の皮を食べるんです。身と一緒に皮も。ところが、同じ切り身の代表的な魚のブリは、皮を残すんです。正式には皮は食べてはいけない。ブリの皮は美味しくないし、硬いからです。
鮭は皮が美味しいんです。柔らかいんです。
包丁の宣伝番組で魚を切るときはだいたい鮭が用意されてます。マグロを骨ごと切りません。鮭は骨ごと簡単に切れる。切り身の場合は皮を食べる魚と食べない魚があって、鮭は食べる。ブリは食べない。ということになりますね。
あとね、一匹まるごとの魚だと、まあ、割と多いのはイワシですよね。
干してあるイワシは、基本的に骨ごと、まるごと食べる。腸も食べられます。頭と尻尾を取ってね。あまり大きいのはちょっと骨が触るので、背骨を残してもいいです。
それから、アジはよく食べる魚です。アジは、骨が硬いので、背骨は残します。背びれ、胸びれ、残します。頭ももちろん食べません。焼いた鯵は、腸は取ってあるはずです。背骨の硬い魚は背骨は食べません。ただし焼いてあったら皮は食べられます。
それから煮魚でいうとカレイの煮魚がありますね。これは皮ごと食べられます。腸はとってあるはずです。
で、カレイの背骨は残します。しっぽも残します。
なのはなに来て、みんなに特徴な魚の食べ方で、一番、気になるのは、頭から尻尾まで全部食べちゃってるという人が結構多いということです。これは摂食障害だった人に特徴的な食べ方と言えます。魚の頭を食べるなんてよほどのことです。尻尾を食べる、これもよほどのことで、お見合いの席でもし魚が出て、もし頭と尻尾を食べてしまったら、エイエリアンと思われますよ。頭と尻尾は何があっても残す。
まゆ
イワシってまるごと食べられる魚?
イワシの丸干なんかはまるごと食べられますよ。でも…ちょっと頭残そうよ。やっぱし。癖になるといけないから。
ななほ:
須原さんはイワシの頭を食べてる。
須原さんは、食べてもいいんです。
ななほ:
キスはしっぽ食べますか。
しっぽは、まあどの魚も食べない。キスは絶対、頭も食べないです。いくら干したキスでも、頭食べるのやめようよ。
まゆ:
なのはなに来るまでは結構、頭を食べてて、みんなが残すので驚きました。あけみちゃんに教えてもらってから残している。
魚の頭は食べないよ。
れいこ:
カレイは食べてる途中でひっくり返すの、ありですか。
あの……要するに半身を食べたあと?
れいこ:
頭がこっちにあるから。反対に置き直すのは?
左ヒラメに右カレイで、大体の魚は、お腹を手前にしたときに頭が左に来るように置く。だから鯛で大事なのは左目。左目を怪我してる鯛は弾かれる。ところがカレイはあれだけ顔はひん曲がってますけど、どうしても頭が右側に来る。
それをひっくり返して食べるのはマナー違反です。どういう理由であれ、こっちに頭があるやつをこっちにするのはマナー違反。
だから、上になってる半身を食べたら、背骨を外すんです。
頭ごと骨を外して、ぽんとお皿の上のほうに寄せて、それで、背びれを取ってというのがマナーですよね。
それでね、魚をきれいに食べる最大のコツは、おそらく、皮をどうするかという皮問題だと思いますね。皮を食べない、となると一生懸命に皮を取って皿がぐちゃぐちゃに汚くなる。みんなが子供3人くらい産んだあとは――2人生んでも、何でも食ってやろうという気になります。皮を食べちゃってください。鱗がついていたら嫌ですけどね。魚の皮を食べてしまうと割とアラはきれいですよね。ヒレは食べない、頭も食べないしっぽも食べない。腸も原則的には食べない。最初に言った鮎は、例外的な魚です。焼いた魚とか煮た魚はよく、調理済みってシールを貼って売っていますが、あれは腸を出していますよということです。
まゆ:
モサエビの唐揚げ、その頭は食べますか?
……。(頭が大きいからなあ)
まゆ:
味噌が美味しくて。
食べていいです。食べたい人は食べてください。
年をとってくると、大きい頭は刺さるのでね、……残しますけどね。
エビの場合には、というか唐揚げで衣を着せて揚げている揚げ物は、全部食べていいことになっているんです。天ぷらでも、どんな天ぷらにせよ、揚がってる場合には一応全部食べていんです。
ななほ:
カレイの上に付いてるやつは私は食べていたんですけど。
骨っぽくない?
ななほ:
どうやって食べればいいですか?
全体的に。
あのね、干したエテガレイというのあるでしょう。あれは背骨以外、背骨と頭と尻尾以外は、上のヒレも下のヒレも全部、食べていいです。
あやこ:
サバの皮は、食べますか?
サバの皮は、大体煮付けでしょう。焼くのと。食べていいです。薄いから。
あやこ:
カレイの縁側は?
ああそれ、縁側ね。煮魚の場合の縁側は、パクっとして、チュウチュウして、小骨を骨を出す。
まとめてパク。ちゅうちゅうちゅう……
あやこ:
見栄えが悪くはないでしょうか。
そうですね、マナーとして、一度口に入れたものは出さない、となってますね。
だから、だから、それはマナー的に言うと、しない。チュウチュウ吸って骨を出すというのは大洗方式です。大洗の人はみんなそうします。それと大洗の人はご飯を食べたあと茶碗に煮魚の骨を入れて、そこにお湯を注ぐんです。からから(かき回して)……魚湯。
ちょっと醤油味の煮魚の味のするお湯にして、そのときに骨をばらかしながらチュウチュウ啜りながら、髄まで全部きれいに、白い骨だけになるまで食べるんですけど、マナー的に言ったらそれはちょっと残しちゃっていいでしょうね。ヒレの、要するに縁側についてる小骨に筋肉がついている。それを外して、お箸でチャッチャッチャッとやるだけやって、それだけ食べらればいい。普通そうですね。
はい。
まみ:
ハタハタの顔のすぐそばにある部分の名前ってなんですか。ヒレですか?
こうなるのは全部、胸鰭ですよ。
やすよ:
そこは食べますか。
ハタハタは頭も胸鰭も食べないです。だから胸鰭のところから頭を落として、あれは背骨が柔らかいですから、バリバリって背骨ごと食べる。頭と尻尾は残します。
あのね。ハタハタは雄と雌があるんですよ。メスは、プチプチのお腹がいっぱい入っててお腹、プチプチです。卵ごと食べる。オスはプチプチがない。と言うことですよね。
なぜか、メスが出ることってないですよね。オスばかりですよね。
それは卵があったらおいしい。
メスは高いんでしょうね。高いのは、なにかお金持ちの家に行くんでしょう。
あまりこだわらないでいいけれど、頭と尻尾は食べないで残しなさいよ、ということです。
(2019年8月6日掲載)
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