今なのはなファミリーにいるたけちゃん(2歳児)を、一緒に作業に連れていく機会があるのですが、そういう小さい子にどこまでがよくて、どこからがダメかと言う、境界線の判断がいつも難しいなと思っています。
一緒に作業へ行こう、と言って外に出ると、たけちゃんは行きたい方向に勝手にバーっと走って行ったりする、そのときはこっちだよと言えるのでわかるのですが、たとえば拗ねてイヤイヤをしすると、そういうときどうしたらいいんだろうと解らなくなります。
どうやったらたけちゃんも楽しめる、自分も楽しめる、というふうにできるんだろうかと思います。
小さな子を上手に遊ばせたり、思い通りに楽しめるようにする、心持ちというのはどういうものでしょうか。
【お父さんの答え】
それは、こちらの気持ちを子供にわかりやすく伝えることがポイントだと思います。
そして、わかりやすく伝える、というのは言葉じゃないんです。気迫です。
そこまでは踏み込ませないぞ、というのを気迫で伝える。
こっちに来て、というのを、言葉は丁寧に、しかし気迫を込めて伝える。
畑でみんなが作業する横で遊ばせているとすると、こっちの土は何も植えていないからぐちゃぐちゃにして遊んでもいいし、みんなのようにきれいに畝を作ってね、でもこっちは新しい種を蒔いたところだから入ってはダメだよ、と言葉は丁寧に、しかし気迫を込めて伝える。
昨日も、ここは絶対入らないでって、言ったら入らない。たけちゃんから見て、この人は本気で言ってるな、と思ったら本当に入らない。
それが、子供だとおもってゆっくり丁寧に、「あのね、こっちは駄目だからね」なんて優しく言っていて、気迫がないと、本気度が全く伝わらないから、返って面白がって、入るなというところに、わざとのように来て、慌てさせて、それをたけちゃんが楽しんでしまいます。
つまり、その子をどうさせたいのか、それを気迫で伝えることなのです。
どう遊ばせたいのか、どうして欲しいのかっていうのを言葉だけじゃなくて、心でドンと伝えたら、言った通りにしてくれます。
あくまで一般論でいうと、摂食障害の女性は、ユアペースになってしまう人が多いです。
子供に対してもユアペースになって、子供の自由度を尊重しなければいけないんじゃないかと半分くらい思っていたりする。
まして相手が子供だから、より丁寧に、優しく言わなければならないと思うと、まったく気迫がなくなってしまう。それではこうさせたいという思いが伝わらない。
子供は言葉を大人ほど尊重しないし、理解しないので、子供は大人の真剣度というか本心を見抜こうとします。だから、言葉以上に、気持ちというか気迫に重点を置くようにすると、いいでしょうね。
たけちゃんは、お父さんのことが好きだけれども、普段からちょっと怖い。遠慮して、お父さんの半径1メートル以内には入らない。用があるときは来ますけど。
何でお父さんを怖いと思ってるかっていうと、日々の全員の集合の場で、僕がみんなに話しているのを聞いて、この人はこうあるべきっていうのを持ってる人だけど、自分はまだそれがよくわかってないから、近くで間違ったことしたら怒られそうだからまずいなと思っているわけです。
日頃からのお父さんの気迫を見ていますね。
あるとき、部屋の中でたけちゃんがダダをこねて、わーわー言っていた。僕がドアを開いて入ると、ピタリと騒ぐのをやめた。「たけちゃん、いま何か騒いでいた?」と聞くとクビを横に振って、何もしてない、という。その後も、騒がない。
その場にいた人は、なぜお父さんがいるとダダをこねないの? と言っていました。
この人のそばで騒ぐとられると思うので、騒いでいなかったことにしてしまう、それくらい人を見ています。
同じ大人でも、なのはなのお母さんのところにはよく来る。遊んでくれたりよくおやつをくれたりする人だからね。
お父さんがどういう人、お母さんがどういう人、と子供ながらによくわかってて、そこはもう線引きをちゃんとしているので、逆にこの人は信念がなくてぐちゃぐちゃだなという人には何でもする。
そこを踏まえて、子供に対してユアペースにならずに、マイペースで気持ちで伝えるということを心がけると、うまくいくでしょうね。
あともう1つ、質問があるんですが、たけちゃんがダメなことをしていたら、ダメだよとストレートに言ってもいいですか。
もちろん、それはいいです。
自分の思ったことは、ストレートに言って良いです。ただ、ちょっと勘違いしてもらったら困るのは、その子の人格をダメな子、と言ってはいけないことです。
その行為だけをダメ、ということ。
それをやってはダメ、その代わり、こんなふうにして、というといいでしょうね。
やった子供そのものを、ダメな子だねというのと、行為だけをそれはダメというのはまったく違います。
それをやられたら困ります、というのをきちんと伝えるのは当然のことです。
言葉だけじゃなくて、真剣な表情と雰囲気でダメ、と伝える。そして、伝えた後、笑顔になって、こっちをしようか、と明るく伝えると、ああ怒ってないな、こっちをやればいいのか、と子供も気持ちの切り替えが簡単にできます。
余談ですが、サッカーの審判と選手の関係も似てますよね。
いい審判は、反則行為に対して即座にピーッと笛を吹き、イエローカードを出して、厳しい表情をする。選手がわかったよ、というふうに両手を広げたりすると、審判はニコッと笑って、そうだよ、気をつけようぜ的に大人な対応をする、そういう試合は荒れないですよね。
(2022年6月24日 掲載)
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