ナルシストの人ってなんかめっちゃ自分に自信があるじゃないですか。なんかもう、自分に自信がありすぎて、キラキラしてると思います。そういう人とは反対に、自分に自信がなさすぎて、自信喪失の鬱というか、引きこもりになっている人もいます。
実は私の身内にはその極端に違う人が両方ともいるのですが、同じような環境で育っているのに、なんでそんなに違ってしまうのか疑問に思いました。
【お父さんの答え】
ナルシストは自分に対して肯定的で、すごくキラキラしていていいと言えばいいのですが、もしもそれが行き過ぎていると、他の人の迷惑は考えない、自分さえよければいいという人になってしまいます。だから、自己肯定感が強ければ強いほどいいというものではありません。
自己愛性人格障害というのがあります。自己愛性の人格障害は、どんなに自分ができていなくても、自分のプラス面を過大評価して絶対的に自分が素晴らしいと思っているので、極めて自己中心で人に迷惑をかけていても全く反省することがないです。
だから、そういう人が職場で働くときは、自分の好きなようにしか働かないので、あんまり仕事の勉強はしないし、お客さんにサービスを提供しようという気持ちよりも、自分が最大限に働きやすければそれだけでいい、お客さんは自分のいいところを引き立たせるアクセサリーぐらいにしか思っていません。
自分が好きすぎて、ほかの人に共感したり、ほかの人のいいところ見つけをしようという気持ちはとても薄いです。当然、本人だけは自分はみんなから賞賛を浴びる存在だと思っているのに、現実は嫌われがちですから、本人としては周りの人は冷酷だと思ってしまいます。
そういう自己愛性の人格障害と、強い自己否定型の引きこもりの人は、正反対のように見えますが根っこの部分は同じだと思います。
軽々に言うのは憚られますが、やはり子育てをしているときの親の接し方に問題があったのではないかと感じます。たとえば親の性格がかなりきつかったとして、親の肯定に合わせて自分を美化して自己愛性人格障害にまで高めてしまったとか、同じ性格のきつい親にきついマイナス評価を受けた別の子がその評価に耐えきれずに自己否定するようになってしまった、ということはあると思います。親に否定される前に、自分で思い切り否定しておくと耐えられるわけです。
端的に言うと親から適切な評価を受けていない、認められるべきところで適切な認められ方をしてない、ちゃんとした声かけがなされてない、ということが原因だと思います。親が子供を猫可愛がりして、子供が客観的な自分の評価を見失ってしまうということもあるでしょう。
親が気分屋で、勝手に親が怒りたいときに怒りを爆発させ、機嫌のいいときにはなんでも良くなってしまうとか、親は感情的ではないけれどもあまりにも無口、無表情で、何を考えているかわからない人とか、そういう親の偏った性格に翻弄された子供は、バランスをとれた人格に成長するのが難しくなります。
あるいは、親の性格は偏っていないようだけれども、子供の教育に対しては厳しくて、エリートにならなきゃいけないとか、高学歴でなければ生きていけないとか、知人を引き合いにだして、あんな人みたいになっちゃダメよというダメ出しをしている親のもとでは、子供が生き方を見失ってしまうこともあります。
ナルシストというか、自己愛性人格障害だったら、人の見ていないところでは努力しません。ただ自分は素晴らしいと勘違いしているだけです。
ナルシストでは困りますが、ナルシストのように自信家ではあるけれど、自分の目標よりはずっとできていないことをよく自覚していて、人に見えないところで人一倍努力しているというのがいいんだと思います。
(2023年7月17日 掲載)
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