質問
日本の中で、お父さんが、今一番、行きたい所はどこですか?
答え
そうですね、諏訪之瀬島に行きたいです。トカラ列島に属する十島村で2番目に大きい島です。火山活動が活発で、うまくいけば活火山がゴボゴボしているのが見られるかもしれない。
僕は島が好きです。
日本の一番北の島とか、端っこの島とか、島が好きですね。
島っていうのは、完結してるんですね。島で暮らしている人は、ひとまず島で足りる生活をしているんですね。最低限必要なものが、島には全部、揃っている。
特別な金物とか、大きな電機製品などは、外で買うでしょうけど、日常的に使う物がすべて揃っていて、そこだけで完結しているという感覚が好きなんです。
小学校もある、おまわりさんも1人くらいいる、村長さんがいて、魚屋さんがいて、社会を構成する人や店がとりあえずひと揃い、すべてあるところが素晴らしい。
コンパクトで分かりやすいでしょう、地域社会がね。社会構造の全体が見えやすい。そういうところが好きなのと、島って、海で隔てられている隔絶感もいい。例えば、県境って、看板があっても、そうかって実感がわかないでしょう。
アメリカ大統領にはマージナルマンがなるっていう話をよくしているでしょう。マージンというのは辺境。辺境に済む人が、アメリカ大統領になりやすい。なぜかというと、辺境の地では、社会構造が単純ですべてが把握しやすいので、そこで社会を掴んだ人は国全体でもバランスよく把握することができるからと言われています。
島は辺境の地の象徴のような存在です。
島っていうのは、海に囲まれていて、存在が掴みやすい。
それと悲しいですよね、それ以上どこにも行けません。それ以上頑張ったって、陸も橋もないんだから、それ以上頑張ってもしかたない。切なさが見えている。
いや、たとえ陸続きであっても、人間だからといってなんでも手に入れられる訳じゃないんです。それが、島がはっきりと見える形にしている。だから好きです。
存在のメリハリがある。いつ沈んでしまうかもしれない、そんな切なさもいい。
そういう中でも、諏訪之瀬島はいつか行きたいと40年以上前から思っていながら、まだ一度も行ってないところなのです。日本の中で一番、行きたい所はどこかと聞かれたら、諏訪之瀬島って答えたくなります。誰か、背中を押してほしい。
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