第206回「作業で焦ってしまう」
作業で、必要以上に焦ってしまうことがあります。
「ここまで何分で終わらせたいです」とリーダーさんに言われたときや、効率の良い作業ができていないと感じたとき、焦ってしまって冷静さを失い、余計時間がかかったり、焦った空気を出してしまい、周囲に迷惑をかけてしまったりします。
私は昔からよく焦って冷静さを失いあがってしまうことがあり、問題だと思っていました。
どうしたらこの悪い癖をやめられますか。
自分の答え
意識的に、焦らないようにする。
【お父さんの答え】
なるほどね。
あのね、この人は真面目な人だと思うんですね。こういうふうに真面目で、融通が利かない人というのは、求められている作業の質と量のバランスを取るのが難しいんですね。
ありとあらゆる仕事には、必ず、締切があるんです。締め切りを守って初めて仕事になる。締切のない仕事は、いつまでも終わることがない。つまり仕事にならない。
何でもかんでも締切に間に合わせなきゃいけないんです。
今から、何人で、この仕事をやって、ここまでに終わるであろう仕事の質、量を考えたときにーーいいですか、締め切りがあり、仕事の量がこのくらいと言ったら、自ずと求められる質というのは決まってきますよね。それなのに自分で勝手に仕事の質を上げていると、終わらない、となってしまうんです。
だから、仕事の質を落として、ピタッと終わることが大事。質を落としすぎると時間が余る。やり直しなんて言うことになってしまうので、時間までにちょうど終わるくらいの質はどのくらいかを見極めるというのが大人なんです。それがベテランなんですよね。
問題を言い換えるとね、この人はそれが苦手ということです。
「私は、時間対効果でいう最高のパフォーマンスを出すための仕事の量と質を見極めるのが下手です。ペース配分が上手にいきません」
という問題に取り替えたほうがいい。すると自ずと、今求められている質はこのくらいだなという、それを見る眼を養うことができる。予測をする。そういうふうにして仕事に取り掛かると、焦らなくなるんじゃないでしょうか。
予測をする練習をすればいいんです。
意外とこういう真面目な人は、先を見ないものです。不安の先取りだけはするけど、仕事の先は見えない。
先の着地点を、よく「落とし所」とか言いますけど、どういうところがこの仕事の着地点かなという、その着地点を日々、見よう、見ようという意識を持っていると、自ずと見えてきます。
このくらいの人数でこの時間だと、このくらいの質じゃないと終わらないな。少し雑でも、早めにやっていこうやとできるんです。それが全体的にみんな、下手ですね。
だから少人数で作業をすると、ときどき自分たちでも「何やってたんだこれ」っていうくらい、杜撰な作業結果になることもあります。
大人数だと、うわあ進むなというのは、お互いにやる楽しさが出てくるので、ワッと進むということもあるんですけど、大人数でやる場合に、見極めがわりと的確にいくし、何故か多人数でやると、一人分の仕事量が細切れになるので、自分の仕事量の全体を見渡しやすくなり、作業が捗るということがあります。自分の仕事の総量が小さく見えると、割と意欲を持ってできる。みんなで同じ作業をやっていると、わかりやすくなるんです。
小人数で、広い範囲のことをやろうとなると、うわ大変だ、早くやろうよという人と、やる気のない人の差が出てきて、よほど上手く指揮しないとうまくいきません。
早くやろうよと言ってた人も、だめだこれ終わらない、ってだんだんやる気を無くしてきて、何をやってたのだかよくわからない、となりがちです。
だから、常に仕事の全体量を見て、締め切り時間を意識して、ペース配分を立てる練習をしていくというのが焦らない対策として最善でしょうね。
ありとあらゆる仕事でそういう訓練をしていくと、作業をやっているときに焦る気持ちをなくせるでしょうね。
(2019年8月16日)