オーラについて。
「オーラのある人」という言い方がありますが、オーラとは、自尊心がある人にしか出せないものではないか? と思いました。
例えば、ステージでお客さんに楽しんでもらうために演じるとき、オーラが無いと駄目だ、と思うのですが、それは自尊心を高く持つ必要があるということだと思いました。オーラは自尊心に基づくもの、という考えはあっていますか。
自分の答え
オーラは自尊心からくる。だから、自尊心が高くないと表現者としての生き方はできない。
ちょっと違うんですよね。「自尊心を高く持つこと=オーラが出やすくなる」ということは合っているけど、オーラというのは「演じる心」です。オーラを持ってる人は、人から見られる自分を意識しているんです。あるいは見せる自分を作っているんです、心の中で。それがオーラになって人に見えるんですよね。
いくら自尊心を高く持っていても、「自分」をやっている人からはそんなにオーラは出ない。自分をやっていては、だめなんです。「今、自分をやってる」といったときの自分というのは、他者を意識しない自分のための自分です。
みんなを見てると、自分をやってる人と、自分からちょっと離れて理想的な人を演じている人、その2種類の人がいます。自分をやってる人が多いです。
オーラは出ません、それではね。
前からやってみたかったので、今がいい機会だと思います。自分の前後左右に座っている人を見渡して、この人を演じてみようという人を見つけてください。今、決めて下さい。この人を演じてみよう、という人です。決めましたか?
じゃあ、下を向いて。その人を演じて顔を上げてください。
……みんなこれまでの感じと微妙に違いますね。その人になりきったまま、まわりを見回してください。
自分をやってるということは、周囲に対して無実の人を演じている人でもあるんです。
それじゃ、オーラが出ません。
「私は無罪ですよ、潔白です」っていう顔をしてしまうんです。
素をやっちゃうと、そうなってしまうんです、だからオーラが出ない。オーラというのは、自分以外のものを演じたときに初めて出ると思います。
だから、なるだけ高い、理想的な人を演じるんですよ。
じゃあ今度は隣の人じゃなくてですね、理想の人、こうあるべき人というのを演じてみましょうか。もう1回下を向いてください。
すごく立派な自分。自分を離れた自分、になりきってください。
はい、顔を上げてさい。あ、さっきよりもいいな。
なんか、目の前に利口な人いっぱい揃ってるな、という感じがします。なんか理性的な人が増えたな、という感じがする。
いつもこうであってもらいたいな。
そうだよね、いつもこうであってほしいな。うん、言葉は適切じゃないかもしれないけど、利口そうな人がたくさん、という感じを受けますよ。
……あのさ、アセスメントのときみんなこんな顔をしてよ。アセスメントのときでも何でも、自分を演じないで。利口そうにしてよ。いいです、気持ちがいいな、ね、お母さん。
みんなオーラが出てるよ、オーラが。
すっごい人に見えるよ、OLのすごく仕事のできる人っていう感じだよ、顔がね。
お母さんこれからいつも、オーラタイムというのを作ろう。
見せようと思う自分をいかに出すか、という時間です。
自尊心じゃなくて、自分じゃなくていいんです。すごく立派な人を演じている自分も自分のうちですからね。最高の自分を演じたってやっぱりそれぞれの限界があるわけですから。限界まで最高の自分を演じる、でいいんです。
それをやっているとね、綺麗な人になっていきます。タレントなんかでもそうなんですよ、最初は田舎臭いお姉ちゃんが、テレビで見るたびに綺麗になっていって、しばらくしたらすごいオーラがでるようなアイドルになってることあるでしょう。
昔はよく、NHKの朝ドラの主人公が、出始めの頃と、半年経った最後の頃とでは、見違えるように綺麗になるとよく言われていました。テレビで半年も撮られて演じているうちに、どんどんきれいになっていくんですね。連続ドラマだから変化が見えるんです。
変わっていくんです。それは変わろうとする意識、演じようとする意識が変わっていく。そして、演じるレベルが少しずつ高くなっていく。演じることによって、自分で自分のオーラをどんどん高貴なものにしていくことができるのだと思います。
素の自分でいないこと、オーラを出すにはそれが大事だと思います。
(2018年7月13日掲載)
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