私、演じるのが下手なんですけど、自分で生きているとすごく生きにくいというか、すごい苦しくなります。でも、何かを演じているとすごく気持ちが楽になるんですけど、この差はいったい何なんだろうって思います。自分をしていると結構、気持ちが落ちてしまいます。どうしたらいいでしょうか。
【お父さんの答え】
もう生きる事に、静かに絶望しているんですね。
親や教師、友人などからさんざん否定されて育ってくると、否定される前に自分は駄目だと自分で否定してしまうようになります。その症状で苦しんできているんですね。
こうなると、基本的に生きる望みを持とうとすると、自分は駄目な人間だという思いが後から追いかけてきます。だから、自分じゃない人を演じたほうが楽になるのです。
摂食障害じゃない人でも、自分は駄目人間だって思う人が増えていますね。そうなると、問題なのは、将来に対して明るいイメージが持てなくなることです。絶対にうまくいかない、と思えてしまうのです。いつの間にか未来を暗いものにイメージしているんです。
そういう時にはどうしたらいいか。
遠い先の未来をイメージしないことです。幸い、人間というのは、時間の中を泳ぐように生きていて、目の前にはいつも「現在」しかなくて、実際に未来はなくてただ「概念」があるだけなんですね。だから、あまり1週間先、10日先まで自分が生きてるって思わないことです。
未来が暗くなる悪いイメージに囚われてしまうから苦しくなるのです。そこで、「今日、楽しければいいや」というふうに刹那的に、場当たり的に、生きていくことです。
いま楽しければいいや、今日を乗り切ればもういいですって思って、先を読まない。未来も考えない。何の予定も、深刻に考えない。江戸っ子は、宵越しの銭は持たない、という生き方をしたといいますよね。明日のことは考えない、今日稼いだカネは今日、使い切ってしまう。そんな江戸っ子のように生きればいいと思います。
計画性もなく、今日楽しければいいなんていうと、そういう考えはダメだなんて、言う人が出てきそうです。
一見、悪いようだけど、静かに絶望してしまった人は、もうそれに徹することです。今日楽しく過ごす、それだけでいいです。計画性ゼロでいいですよ。しばらくの間は、今日楽しければそれでいい、今日悪いことが起きなければいい、と思っていまだけを楽しんで過ごしましょう。未来のことは考えない、明日のことは考えない。そういう考えで、楽しくいきましょう。そのうち、自分もまんざらじゃないな、と思えるようになった頃には、自分の地で生きていても苦しくならないはずです。
(2023年9月23日 掲載)
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