お父さんが、経済観念を持つべきだ、と話してくれたことがあります。
作業をするときでも、そのコストと手間が見合っているかを考えるっていうことを話してくれました。
今、ビニールハウスの修繕をさせてもらっていて、部品やビニールの値段を調べるようにはなったんですけど、迷うことがあります。
ハウスの下側に畦シートを入れるんですけど、そのとき古いものを使うか、ある程度綺麗なものを使うか、というふうに迷います。いまはあんまり見えない内側は、ちょっとボコボコしてる古い物を繋ぎ合わせて使って、外側の見える方は綺麗めなものを使ったんですけど、そういうビニールとか、ほかの部品のコストとか手間を作業に見合ったように考えられるようになるには、どうしたらいいと思われますか。
【お父さんの答え】
昔のことですが、例えば肉屋さんに買い物に行くと、肉を薄い木でできた「きょうぎ」とか、竹の皮に包んでくれました。
それがいつの間にかポリ袋になってしまいました。ハンバーガーショップに行って珈琲を頼むと、紙のコップにプラスチックの蓋をしてくれて、小さなプラスチック容器にのミルク(フレッシュ)をくれる。
僕は、そういうプラスチックがわずか30分で消費されて、ゴミとして捨てられるのがもったいないと思ってしまいます。そしてそのゴミはどうなるのか、気になります。
昔は、ゴミ収集車が来なかったんです。ゴミそものものが少なくて、しかも全部が紙か木でできているので、庭先で簡単に燃やすことができる。
それが今はちょっと買い物に行っただけでパッケージが全部、ゴミになる。ビニールや発泡スチロール、プラスチックも多い。
最近、地球の海を泳いでいる魚の重さと、海に漂っているプラスチック片の重さとでは、プラスチックの方が重くなった、という記事を読んだことがあります。
プラスチックやビニールの多くが石油でできている。この勢いで石油を使っていって、1000年後の人が使う石油は残っているのか、この勢いでゴミを捨てていって埋め立てられてそのままになったゴミは、誰がいつ、どうやって処理するのか。
そういうことを考えて、最小限の資源の消費に抑えて、最小限のゴミしか出さない、というのが経済観念の基本だと思います。
随分前のことですが、南の島へ遊びに行ったときに、言われたことがあります。
「空き瓶は海に捨ててもいいです。でも、空き缶は捨てないでください」
おや、瓶のほうが割れて足を切ったりして危ないんじゃないかな、と思ったら、瓶はいずれ割れてガラスの砂になるけれど、空き缶はいつまでも残って砂にならないからダメなんだ、ということでした。
みんなの環境をみんなで守る、その意識が結局はコスト削減にもつながります。自分が使う資源は最小限にして、効果を最大限にする、それが経済観念の原則というふうに思ってください。
(2023年3月23日 掲載)
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