第345回「体重が増えると大きな気持ちでいられるようになった」
お父さんに、体重が増えると気持ちの許容量も大きくなって、多少のストレスは受け入れられるようになるということを聞いて、自分もそんなふうに変わったのだなと改めて気付きました。
私は体重が少なかったので、いまは朝、昼、夕の3食のほかに夜食としておにぎりを食べているのですが、このごろ自分のこだわりも少なくなったと思います。
体重が増えるというのはいいこと、と思っていいんですね。
【お父さんの答え】
そうですね、年齢によっても理想的な体型というのは違ってくると思います。
例えば高齢になってくると、少し太り気味くらいのほうが骨折しにくくなります。年齢が進むと骨粗鬆症になって、骨が弱くなり、ちょっと転んだりするだけで骨折しやすくなります。けれども、体重がある人は、その体重が骨を強くする刺激となって、痩せた人よりも骨が強くなるので、骨折しにくくなります。つまり寝たきりになりにくいのです。
それと、子育てをする年代の女性は、子供を抱いたり背負ったりする機会が増えるので、腕力は強くなります。力が弱かったら、子供を抱き上げることも大変です。子供を持つとわかりますが、子育て中は本当にもっと力が欲しいと感じることが多いはずです。
以前、障害をもつ子の発達訓練指導に力を入れていたころ、印象的な家族がありました。兄妹がお兄ちゃんと妹の2人で、妹に障害があり、お兄ちゃんは小学校低学年でした。その母親がとてもスレンダーな体型で、つまりかなり痩せている人でした。
痩せている体型の人は、どうしても細かなことにこだわる気持ちが強い、と僕は感じています。その母親も例外ではないようで、お兄ちゃんに対する言葉とか注意が厳しすぎるというか、口うるさい母親になっているように思いました。障害を持つ妹のほうに向けては厳しいことを言わないのですが、その反動でお兄ちゃんに厳しく当たりすぎている印象でした。
そのせいか、お兄ちゃんは小学生になってからもずっとおねしょが治らず、精神科に通って薬を飲んでいました。母親にそのことでアドバイスもしたのですが、残念ですが、その後も母親の体重が増えることはなく、口うるさく注意する姿勢も変わりませんでした。
体重が増え、体力ができると精神的に余裕ができますから、子育てに関しても余裕を持つことができますし、子供も伸び伸び育つことができます。そうでないと、母親のストレスを子供はまともに受けますから、安心して育つことが難しくなります。
僕自身、中年以降に体重が増えてから、マイナス思考が減って、短気だった性格がやや是正されたと実感しています。
知人の中に、100kg以上の体重の人がいますが、怒っているのを見たことがないです。そういうことを考えても、体重は少ないよりも多いほうが、ストレスに強いとも言えるだろうし、精神的に余裕がもてるようになるということでしょうね。
いつでもその時々で、充分に力を出せる腕力、粘りのある体力と精神力、そういうものを維持するには、ある程度の体重がなければ無理です。
まだ結婚前はスタイルがどうかといっている段階もあるかもしれませんが、結婚したら実用的な体力のある女性のほうが好ましいと多くの男性は思うでしょうね。
(2023年6月29日 掲載)