第340回「いいサブリーダーとは」
今、私は畑のチームで、サブリーダーをさせてもらっています。
お父さんが、リーダーっていうのは周りから助けてもらえる人だ、と教えてくださったと思うんですけど、サブリーダーっていうのはどういうものなのかなって思いました。
自分の今の気持ちとしては、リーダーだけが仕事を抱え込んだり、いっぱいいっぱいにならないように、と思って毎日、明日の作業の予定を一緒に立てたり、密にコミュニケーションをとって、お互いが思ってることを伝え合い、同じ目線で畑を見ているように心がけてはいるんですけど。
今、特に大きな問題とかはなく、2人の中でうまくいってるとは思ってるんですけど、もっといいサブリーダーがあるんじゃないかとも思うのですが、いいサブリーダー像がどんなものかを教えてください。
【お父さんの答え】
サブリーダーは、半分リーダーで、半分はチーム・メンバーなんだよね。
普段は兵隊として動き、リーダーがいないときにはリーダーの代わりにもなる。
でも、リーダーとは違うスタンスも要求されるポジションだと思います。
学校でいうと、リーダーは校長先生で、サブリーダーが教頭先生だと思います。
校長先生の机は校長室にあり、基本、1人で校長先生が中にいます。ところが教頭先生は職員室の一番校長室寄りのところに机があって、職員室全体を見渡して、先生方と同じ場所にいます。
つまり、リーダー寄りか、チーム・メンバー寄りかというと、サブリーダーはチーム・メンバーに近いということができます。日常的にメンバーの中に身を沈めて、メンバーの状況を把握しておく。
それに対してリーダーである校長は1人、離れたところにいて、日々の雑用にとらわれない環境で全体の戦略を練っていく、ということになるでしょうね。
だから、教頭先生が、校長先生を助けたいといって、年中、校長室に入り浸っているというのは適当ではない、ということになります。
また、警察署でいうと、リーダーは署長で、サブリーダーは副署長ということになります。もしも、事件が起きて取材陣が警察署に行ったとすると、基本的に広報担当で表に出るのは副署長です。署長が対応するということはないです。
つまりマスコミ的には警察署の顔は副署長ということになります。だから対外的にも、先頭に立って対応したりすることもあるというのがサブリーダーです。
こういうふうに考えてみると、畑作業のチームでの場合、リーダーを助けたいからといって、いつもリーダーと一緒の所に立つことがいいわけではなくて、リーダーが考えやすいように、チーム・メンバーの把握を完璧にしてそれをリーダーに伝えることが大事だったり、リーダーの考えをチーム・メンバーにタイムリーに伝える役割を果たしていくのがいいサブリーダーということになるのではないかと思います。
学校でも、教頭先生がよく動いてしっかりしている学校はとてもまとまりがあります。けれども、いくらいい校長先生がいても、教頭先生が機能していないと先生方がバラバラになってしまい、いい学校運営はできません。
そういう意味で、質問の人はどちらかというとリーダーに沿うとか、リーダーのブレーンになることに重きを置きすぎているかもしれません。畑作業の時にも、もっとメンバーのポジションが適切かどうかを把握するとか、1人ひとりが間違った作業になっていないか目配りをするなど、メンバーにリーダーの考え通りに作業が進むように務めるという役割を重視したほうがいいように思います。自分でも、もっといいサブリーダー像があるのではないかと感じていたのは、そういうところだったのではないでしょうか。
(2023年6月22日 掲載)