私は言葉でまとめるのが苦手だと思います。
職場で、誰かから聞いたことをまとめようとするとき、すごい苦手だなと思うんです。それは何が原因なのでしょうか。
【お父さんの答え】
それが仕事の内容だったとすると、まとめるのが苦手というよりも、その仕事に対する理解が浅いということではないかなと思います。
例えばハウスミーティングで話したことを、集合でみんなが言うとき、聞き間違いがけっこうあります。集合でお父さんが話したことをみんなが日記に書くときがあるけど、それでも誤解とか間違いが結構な頻度であります。
お父さんが答えることは日本語で、言っていることはわかるし、その時はなるほどなと思っても、自分がそれを書こうとすると聞いたことを書けない。お父さんが話すことは時にはかなり難しいことをわかりやすく言っています。聞けばそうか、と思うのだけど、本当に理解するのは難しい。それで理解が浅いからその通りには書けない、となってしまうと思います。
実際に、集合でお父さんの話しを聞いても、難しくて理解度は50%もありません、と自分から言う人が何人もいた。
それと同じように、職場で上司とか先輩の言うことを聞いて、そのときはわかったように思っても、あとで思い返してみるとよくわからない、うまくまとめられないとなってしまう。自分がわからない、という自覚が薄いかもしれません。
それを防ぐには、やっぱり仕事の内容を勉強することだよね。仕事を深くわかっていると、何を聞いても理解が早いし、まとめることもできます。
もう1つ、まとめられないという別の理由があるかもしれません。
窓口に来たお客様で、最初は無駄話から始まる人がいます。つまり、話しの中には、仕事に直結する重要な話しと、つなぎのための何でもない無駄話があります。
それを、お客様の言葉を全て真剣に受け止めて、無駄話を100%の集中力で聞いていくと、いざ仕事の話になっても、無駄話とどうつながるのかわからなくなって混乱してしまうということがあります。集中力も切れるし、何が無駄な話なのか、あるいは仕事の話の前提の話なのか、それとも重要な話なのか、わからなくなってしまう。
そういう混乱を防ぐには、「予測する」ということが大事です。
この人はどんな要件で来たのかなと予測する。おそらくこういう要求を言うはずだ、と思うと、前提の話しはスルーして右から左に聞き流すことができます。
そして、いよいよ仕事の話になったな、と思ったらそこから集中して聞く。そうすると混乱しないですみます。
何の予測もしないで、頭から話しを全部、深く受け止めようとしたら、混乱します。
だいたい、人が集中できる時間というのは1分くらいが限度だと思います。人は無意識のうちに、神経を集中させたり、弛緩させたりして、自動的に調節しています。もしも、1日中集中していたら、疲れすぎてしまって午前中も体力も神経ももたない。
その集中と弛緩がうまくできてない可能性があるということです。
人の話を聞くときに、最初から集中してしまって、時候の挨拶程度のときに集中して頭を巡らせ、1分すぎて集中が切れたころ仕事の話しになって、もう集中が切れているから何を言われているのか、頭がまとまらない、ということになってしまう。
どうもあなたの場合にはこっちのほうの気がするね。真面目すぎるから、相手の言葉の全てを理解しようとして、話しが横道にそれてもそっちに頭を持っていくから、本筋の話が見えなくなってしまうんじゃないかな。
相手に怒られないように聞こう、と心配しながら聞くとなお頭がうまくまわらない。
相手が何を言いたいのか、予測しながら聞いて、必要のないことは流しながら、予測が違っていたら、少しずつ予測を修正しながら聞いていく。そうすると話しがわかりやすい。
お父さんへの質問ボックスに質問を入れてもらうとき、質問に加えて、必ず自分が考えた答えも一緒に書いてください、としているでしょう。
それは答えを予測しながら聞くのと、予測しないで聞くのとでは、頭への入りかたが全く違うからです。予測していると、もし予測が外れたとしても、ゼロから聞くのよりはよほど理解が早いのです。予測を修正するだけなので頭が動きやすいのです。
仕事でも同じで、窓口に来たお客様の顔をみたら、こういう用事できたのだろう、と予測して接客すると、話しがすぐにわかると思います。今度、試してみてください。
(2023年4月8日 掲載)
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