私は、なのはなファミリーに来てから、味覚がすごく変わったと思います。
以前は香りが強いものとか、生臭いものとかがすごく大好きでした。
なのはなファミリーに来てから、なのはなでバジルがたくさん収穫されて、それでピザを作って食べたとき、ピザに乗ってるバジルが香りが強くて大好きだったので、私はバジルをよけてピザを食べて、バジルだけを最後に残していたんです。
家ではバジルだけのサラダを食べるぐらい、大好きでした。ところが、そのピザのとき残しておいたバジルだけを食べたとき、その香りで酔ってしまって、午後の作業ではちょっと具合いが悪いと思う感じになってしまいました。
それと前は好きだったハタハタの内臓も、今では苦手だから残そうと思うようになりました。
どうしてこんなに味覚が変わったのか、何の変化で味や香りの好きなものが駄目になったりするのか、不思議に思いました。どうして味覚が変わるのでしょうか。
【お父さんの答え】
ほとんどの人は摂食障害になると味覚が変わります。ひどい場合だと、きれいな水を飲んだだけで岩の味がすると感じることもあります。
精神的に追いつめられて苦しくなると、味覚はどんどん変わって行きます。香りの強いものが好き、刺激の強いものが好きになります。
だいぶ前のことですが、なのはなでカレーを食べたとき、入居して間もない子が、私は唐辛子を入れないと食べられないんですというので、唐辛子を出しました。そしたら、1瓶の半分以上もカレーにかけてしまった。その時はすごくびっくりしたけど、そういう人は少なくないです。
精神的にきつくなっている人は、食べ物、飲み物にも刺激を求めるので、味噌汁もただ暖かい味噌汁というのでは駄目で、電子レンジで熱々になるまでチンしないと飲まない。ほぼ熱湯で飲みたがる。
以前、摂食障害の子と一緒にたまたま中華料理屋さんで天津飯を食べたことがあるのだけど、酢を別に追加で注文してもらって、酢をかけて食べようとしたり、それこそ食べられないくらいまでの刺激を求めようとする。熱さとか、辛さ、酸っぱさ、ことごとくそういう味覚の限界までいってないと、食べた気がしない。
苦しくなると、感情が動かなくなり、頭も心も動かなくなって、もう何を食べても食べた気がしなくて、刺激を求めることになるのだと思います。そのうち、何を食べても砂を噛んでるような感じになっていきます。
なのはなファミリーに来る前は香りの強いものが大好きだった、というのもある種、症状めいたもので、なのはなに来てから味覚が変わったというのは、本来の味覚を感じられるようになった、ということだと思います。
症状が1つずつ消えていって、心が穏やかになると、淡白なものは淡白に味わって、充分に美味しく感じられるようになります。強い刺激がないと食べた気がしない、そういう感覚もなくなってくる、ということです。味覚が変わったといいますが、いまのほうが正しい味覚の感じ方だということだと思います。
(2023年3月26日 掲載)
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