いろんな意味で、世のため、人のためになる生き方があると思うんですが、技術的なこととかスティーブ・ジョブズ(アップル創業者)みたいな人だったら、コンピューターを作って世のため、人のためになるという感じだと思います。
でも、際立った知識がなかったり、あんまり頭が良くなかったりすると、そういうことはできません。知識がなかったり、頭が良くなくてもできることもあると思うんですが、自分が持って生まれたもので、それぞれが最大限にやったら、それが集まるとすごくいいふうに世の中がなっていくということでしょうか。
【お父さんの答え】
頭がいい人と、頭があまりよくない人がいる、というのは確かにあるかもしれません。
でも僕から言わせると、「頭のいい人と頭の悪い人」がいるんじゃなくて、「頭を使う人と頭を使わない人」がいると感じています。
実際には、頭を使わない人が多いと思います。頭を使うっていう気持ちがない人が多いというかな。考えることを人に預けてしまう人が多いんです。
ちゃんと自分で考えようとするのか。それとも人に考えてもらおうとするのか。前に能動的と受動的とがあると言いましたが、それと同じです。能動的に生きている人は、自分で頭を使って考えようとします。しかし、受動的な人は、自分で考えないで、人に考えてもらおうとするばかりで、自分の頭を使おうとしないのです。
人に頭を使ってもらう人は、何も生み出すことはできません。
自分で頭を使う人は、何かを生み出すことができます。
その違いは大きいです。それは学歴は関係ないし、頭がいいか悪いかというのも、実はあまり関係ないのだと思います。
頭が悪いぐらいの人でも、一生懸命考えて一徹に何かを成し遂げようとしたら、できてしまいますから、頭が良くてもちっとも使わない人よりよっぽど頭のいいことができてしまいます。
だから、頭を使う人は、とても魅力的に見えるし、頭を使わない人に魅力はないよね。
それは農作業で畑に行ってても、すぐわかります。ほとんどの人は身体を使えないというよりも、頭を使う練習ができてないんじゃないかと感じてしまいます。とても簡単なことが、時として、すごく難しいことになることがあります。
最近も、畑に雨水が溜まって、一部が沼状態になってしまっている畑があり、畑の担当者から、どうしましょう、といって何をしたらいいかわからない、という相談がありました。
水は高いところから低いところに流れるので、どこに溜まった水を流すか決めて、あとは溝を掘っていけばいいだけのことです。
それが、畑の中に畦を作ってあると、その畦を切って水の通り道をつけたら外に出る、という発想がなかなかできないのです。
実際に数人でスコップで溝を掘ったら、あっという間に流れました。
水は高いところから低いところへ流れる、ということは頭がいいとか悪いとかじゃなくて、誰でも知っていることです。それをどうやって長そうか、という頭を使うわけです。頭を使わないと、溜まってしまっている、で止まってしまう。
こういうことが、いろんな場面でいくつもあって、それぞれの人が自分の目の前にあることを頭を使って解決しよう、という意識をもっと強く持ったら、たくさん解決できることがあって、それが蓄積すれば、世の中を変えるようなことにつながることも出てくるはずです。
こうしてみると、現状をただ受け止めるだけじゃなくて、よりよい方法を見つけようとする意欲を持てるかどうか、ということかもしれません。
どんなに頭がよくても、意欲がなければ使いようがないです。
その意欲を持つことが、ものすごく難しいことなのかもしれません。
(2023年6月6日 掲載)
Copyright © なのはなファミリー 2024 | WordPress Theme by MH Themes