第30回「体型について」


〈質問者〉

質問

 体型についての質問です。
 私はなのはなで生活する中で、特に痩せたい、とは思わなくなりました。
 むしろ、痩せて体力が落ちるのは嫌です。
 けれど、下半身が上半身に対しアンバランスなほど太いことが、どうしても気になってしまいます。
 自分でも気にしている上、他人からも指摘され、すごくコンプレックスです。(もちろん、なのはなに来る前の話です)
「安産でいいよ!」
 などと慰められる度、内心、傷ついてきました。
 なので、いつも下半身の形が出ない服を着るようにしていたし、なのはなの衣装も、勇気を出して着るという心境です。
 体型のコンプレックスについてどのように考えたら気持ちが楽になりますか?
 また、体型は変えられますか?
 教えて頂けると嬉しいです。

 

〈お父さん〉

答え

 そうですね、体型のコンプレックスと、顔のコンプレックスは似ています。
 自分の身体であって、根本的には作りかえることが出来ない、というところが似ていますね。
 
 なのはなのお母さんは、太ももが太いです。それは遺伝プラス、中学の時にソフトボールの選手でしたから……。今でも、バットを持ったらホームランを打ちます。お母さんと同年代の女性で、お母さんくらい格好よくキャッチボール出来る人はいないでしょうね。
 ソフトボールやっていた人は、だいたい下半身が太いです。
 お母さんは若いとき、太もも周りとウエスト周りでは、太ももの方が太かったくらいです。
 
 今でも太いです。ずっと変わらないのかな、と思います。大変ですよ。ズボンが、なかなか買えないんです。太ももだけが特別に太いズボンは、なかなか売っていない。
 先日、大喜びしていました。あるリサイクルショップに入って、自分の足が綺麗に入るズボンを見つけた。
 どうやら、お母さんと同じ太さの人がそのリサイクルショップに自分のスラックスを持ち込んだらしい。同じ太さのスラックスが5本あって、全部買ってきた。
 すごいことなんです。5本も買えるなんてないんです。
 苦労もありますけど、お母さんは苦にしてませんね。それだけパワーがあるので、コンプレックスにしていないのです。
 
 男の場合は、比較的に体型は変わりやすいです。
 ずいぶん前ですけどね、力が強くなりたいと思って、ウエイトリフティングをするボディービルのジムに通いました。
 みるみるうちに筋肉がついていきました。その時、胸周りが108センチありました。かなり筋肉が見える身体になりました。
 そのジムでは女の人でもボディビル大会に出る人がいました。ビキニを着ると、筋肉がついているのが分かりますが、女性の場合は、男性よりも筋肉は見えにくいです。
 
 ボディビル上級者になると、太くしたい部分だけ特定の筋肉を鍛えます。
 どの筋肉をつよくするか、どこを太くしたらかっこうよくなるか、と考えて集中的に筋肉をつけていくわけです。そしてプロテインを飲んで、筋肉を太くしやすくします。
 こういうことを考えると、体型はある程度は作れるものとも言えます。

 しかし、女の人はなかなかそうはなりません。体型を変えるのは男性よりも難しい。そういうボディビルをやるのは現実的じゃないのかな、とも思います。
 体型はね、その人の人生観、仕事が決める、と僕は常々言っています。
 日々の生活が身体に出る、それでいいのかなと思います。
 体力があって、不自由は感じていなくて、見た目がどうか、ということなら、僕は見た目は全く気にしない方が良いんじゃないのかな、と思います。

 女の人の顔は、美人の方が良いに決まっています。男は美男子のほうがいい。
 ところが、顔が美人か美人じゃないかは、作りで決まるわけではないんです。美人かどうかは、表情で決まると思っています。
 実際に、この子可愛いな、好きだな、付き合ってみたいな、お嫁さんにしたいな、と思うならば、やっぱりその人の性格ですよね。
 
 ものすごく美人でも、氷のような視線を向けられたのでは、結婚してから年中寒い。
 ニコニコしてくれている人のほうが、安心して恋人でいられるし、安心して暮らせます。
 そういう、にこやかな人は、すごく好ましいなと思いますよね。
 
 みんな見てても、そうなんだけど、単に可愛いか可愛くないか、美人か美人じゃないか、というのではないと思います。
 まず、自信ありげな顔と自信なさげな顔があります。自分を守るために何もしりませんといった顔をしている人もあれば、賢そうな顔をしている人もいる。
 私、何も知らないんですけど、っていつもびっくりした様子で、利口そうな顔をしないでおく、失敗したら笑われるからと、最初から自信なさそうな顔をしている人がいる。それでは決して美人には見えません。
 
 要は、こうすればいいんです。自信がありそうな顔をして、余裕が無くてもありそうに見せて、もし頭が悪くても利口そうな顔をして、美人じゃなくても自分は綺麗だと信じて、表情豊かな顔をしていると、美人に見えてくるのです。
 畑で仕事を一生懸命にしていたり、コンサートの本番で集中して動いたりしているとき、その人の顔を見ているだけで神々しく見えるときがあります。
 
 逆に、思い切り疲れた表情をして、ぐだっとしているのを見ると蹴っ飛ばしたくなる。
 今、顔の話をしました。
 身体もそうじゃないですか。よく動く身体で、自分が仕事をしたり、生活をする上で、使いやすい身体なら、ちっともコンプレックスにならないはずです。自在に楽しんで使える身体ならば、きっときれいに見えることでしょう。

 また体型はその人の人となりを表現しています。
 僕は、太っている人を見ると、この人は怒りっぽくないな、包容力があるな、と思います。
 
 レストランに行くとします。
 げっそり痩せたコックが出てくるのと、ひげを蓄えた、でっぷり太ったコックが出てきて注文を取りにくるのと、どっちがおいしそうですか。
 太ったコックさんを見ると、おいしいものをたくさん食べたから太ったんだろうなと思ってしまいます。
 お菓子屋さんに行って、げっそり痩せた人がカウンターの中で働いていたら、まずそうでしょ。
 
 僕がケーキ屋になって、カウンターの中で接客をするために雇うのはなるべく太った女性にします。痩せた人が売るより、おいしく見えるに決まっています。
 こんなふうに、体型が何かを表現していたり、自分の性格を物語っていたりします。
 太った人なら、繊細さはないかもしれないけれど、たいがいの事は許してくれる、包容力を感じさせます。太り過ぎているのは悪いことかも知れないけれど、そういういいこともいっぱいある。

 ところで、質問者の下半身がアンバランスに太いということですが、そういう自分なんだと思えばいいでしょう。
 そういう人生を生きると思えばいいんじゃないかな、と僕は思います。
 僕は、高校の時に2年間で身長が20センチ高くなりました。
 背の高さをどう考えたらいいのか、と思いました。
 
 背が高いと、良いことと悪いことがあります。
 背が高いとね、性格的に増長します。偉くなった気がします。
 そのころ電車に乗っていると、みんな背の低い人ばかり、偉くなったような、強くなったような気持ちがします。世間の男がみんなつまらない存在に見える。増長する、自信が出る、おおらかになってを希望を持ちやすい、というのが背の高い人のいい所です。
 
 背が低いとどうか。背が低いと、謙虚になります。地味に生きよう、大それたこと考えずに、思慮深くて、浮かれ調子じゃない生き方をしようという気持ちになります。
 その点、背が高い人は、自信過剰で時に大ボラ吹きとなります。

 そういうわけで、背の高い僕には、謙虚さがない、大ボラ吹きで、自信過剰で、背が高くなっちゃったから、しょうがない。
 背の低い人は哲学者になれますよ。よくいうじゃない。「太ったブタか、痩せたソクラテスか」で言えば、背の高い大ボラ吹きか、背の低い哲学者か。
 
 脱線ついでにいえば、優しい奥さんを持った男は幸福な人生を送ることができる。悪妻を持った男は哲学者になれる。どっちに転んでもいい。
 同様にどの体型にも、それぞれ良いことと悪いことがある。体型を変えていく努力をするよりも、今の体型のプラス面を考えて、より魅力的に見せる方法を考えたり、自分の身体を思い切り、使い倒してみてはどうでしょう。
 使いやすい身体だなと感じたら、コンプレックスはなくなるでしょうね。









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第3回「本で涙を流すことについて」
第4回「本を読んでも内容を忘れてしまうことについて」
第5回「時間をうまく使えるようになるには」
第6回「太宰治について」
第7回「摂食障害の人が片付けが苦手だったり、約束の時間に遅れてしまうのは何故ですか?」
第8回「自分のことを『僕』『おいら』と言うのをやめられなかったのは、なぜか」
第9回「おいしいカレーと、おいしくないカレーの違い」
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第45回「身長は伸びますか」
第46回「否定感が強い」
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第51回「身体の調子と気持ち」
第52回「何のために変わるか」
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