2歳のたけちゃんの姿を見ていると、自分のやったこととか、嬉しかったことを、「見て、見て、」とみんなに言ってまわっています。
でも自分は小さいときから、目立つことや人に見られることを極端に避けてきたという自覚があります。今でもみんなの中に埋もれているほうが、安心する気持ちが強いと感じています。
そういうふうに、目立ちたくない気持ちになっているのはなぜなのでしょうか。
【お父さんの答え】
それは叱られたり、低い評価を受けたり、否定されるのが怖いからでしょう。
やっぱり物心ついたころから、自分の言ったことの揚げ足を取られたり、叱られたり、あるいはきつい評価を受けたり、自分の思わぬほうに決めつけられたり、ということが重なって、臆病な気持ちになってしまったのだと思います。
自分が否定されるかもしれないと思ったら、何を言うのも怖くなるし、褒められなくてもいいからられないように、目立たないようにしておこうと誰だって思うものです。
やっぱりあなたも、いつも目立たないように振る舞っていると感じます。
もしも、親がとても優秀な人で、子供にも優秀であってほしいという願いが強かったりすると、厳しい子育てになることもあるでしょうね。あるいは、子供に英才教育をしよう、と思っている親御さんも、求めるものが多いので、幼いときから「こうであってほしい」と子供に対して厳しい教育を強いることにもなるでしょう。
そういう親御さんは、現在では少なくないと思います。
ただ、親御さんとすれば、「子供のためによかれ」という気持ちでそんなふうにしているので、子供を窮屈な気持ちに追いやっているとは思ってもみないのです。だから親御さんのほうからは、そういう教育方針を改めるという考えは生まれません。
ただ、みんなの中に埋もれていたい人になっていると、ちゃんとした仕事はできないと思います。
あなたは今、難関大学に合格するための受験勉強を勉強してるところだけど、まず話し方を変える必要があると思います。いつも早口でダーッと話して、聞き取るのがやっというような話し方です。まさにみんなの中に埋もれていたいという喋り方です。
難しい仕事に就こうという人ほど、正しいコミュニケーションがとれなければならないのに、そんなに早口で喋っていてはきちんとした関係はとれません。だから、勉強をする以上に、そういう埋もれたいという気持ちを修正する必要があると思います。相手を不安にさせるし、自分で責任を持つという姿勢が見えなくなってしまいます。
いま、なのはなファミリーではコンサートやイベントの機会にみんなでダンスを踊ることが多いけれども、大勢で踊るダンスであっても、その中に「埋もれていたい」という人が混じって踊っていると、そのダンスは質が落ちてしまいます。
ダンサーの1人ひとりが、「自分を見て」という見せる気持ちで踊らないと見映えはしません。みんなの中に埋もれて踊っていたい、というときには気持ちは後ろ向きですから、見る人に訴えるものが何もなくなってしまいます。
ディズニーランドのパレードでもそうですよね。ミッキーとミニーちゃんだけが堂々と踊っていて、ほかのダンサーがコソコソしていたらパレードどころではなくなってしまう。ダンサーの全員が観客に向けて全力で笑顔を振りまいて踊っている。全員が堂々と踊っていますよね。僕からすれば見たこともない、聞いたこともないキャラクターまでが主役のような顔をして、いや顔はないか、知らない着ぐるみを着て踊ってるでしょ。そうじゃないと、パフォーマンスは落ちてしまい、誰も見たいと思わないパレードになってしまいます。
目立つ人は特別な人じゃなくて、人間っていうのは1人、1人が目立つ存在です。それが普通です。くじけさせられた人や、プライドを強く傷つけられた人は、その他大勢に埋もれたくなってしまいますが、埋もれたい人のほうが普通ではありません。埋もれていたら、何者にもなれないよ。
よく言っているのですが、難関試験に受かるには、自分だけのオリジナル・サクセスストーリーが必要です。あなたの場合には、喋り方から変えること、それができないと成功はないと思います。いくら勉強したって、頭が埋もれたい頭では、埋もれる結果しか生まないと思うからです。
まずは話し方を変えて、「埋もれたい頭」から、「自分を見て」という思考になったら、結果を出しやすくなると思いますよ。
(2023年5月17日 掲載)
Copyright © なのはなファミリー 2023 | WordPress Theme by MH Themes