「春の日曜日」 みつき

4月7日

●桃の木が与えてくれる力

 日が沈んでいくかたわら、桃の木の下でゆっくりと過ごしました。
 今までにはなかった『お花見セブンブリッジ』が、特別な時間でした。

 みんなでゴザの上でトランプカードをよく切りました。いつ落ちたのか、淡いピンク色の桃の花びらが混じっているのも、ぽっと優しい気持ちになれました。

 セブンブリッジのゲーム中でも、いつ見上げても、満開の桃の花がいっぱいに視界に入ってきます。それが嬉しくて、思わず桃の木にお願いをするように手を合わせてみると……。その試合で、初めて一発上がりをすることができたのです!
 桃の花の華やかさや上品さはもちろんだけれど、桃の木の静かで大きなたたずまいに、わたしたちのことを見守ってもらっているようでした。

 お父さんが、昆虫の豆知識を話してくださったり、他のリーグのみんなの実況もしてくださいました。みんなが今、同じ桃の木の下で、どのように過ごしているのかが聞こえてくるのも、嬉しかったです。

 外はだんだんと暗くなってきて、お仕事組さんが、ライトアップをしてくれました。ライトが当たった桃の木は、ますます魅力的でした。
 少し切なくなってしまうくらい、なのはなのみんなが愛しくて、みんなでこの場所で過ごせることがうれしい、この時間がうれしい。そんな気持ちに包まれていました。
 ゲームをしていても何をしていても、この桃の木の下に居ると、目に見えない力を、はっきり感じ取ることができました。
「本当に、きれいだね」
 と言って、隣で桃の木を見つめるななほちゃん。そんなななほちゃんの横顔もきれいで、片付けをするのが惜しくて、ずっとこうして過ごしていたい、と感じてしまうほどでした。

 校舎の中に戻ってからも、みんなと美味しいカレーライスを頂いたり、罰ゲームのジェスチャーゲームで大笑いしたり、ずっと、幸せな気持ちが続いていました。

 お父さんやさとみちゃん、みんなが残してくれた『桃の唄』の歌詞のように、自然が見せてくれる姿、教えてくれることは、本当に大きいです。
「もも、もも、桃の木よ
 あなたが生きる姿から
 わたしは迷いを捨てました
 あなたがわたしに似てるなら
 わたしも咲かせてみようかな」
 この桃の木のように、大きく、優しく、誰かを癒す力を与えられるようになりたい、わたしもそう思わせてもらいました。

 元気が出る1日、とびきりの春の日曜日でした。明日からも頑張っていきます。