「ライブの実行委員をして」 まなか

2024年 山小屋キャンプ感想文

 イベント盛りだくさんの4月。その締めくくりは山小屋キャンプでした。
 今年の係はライブの実行委員でした。
 キャンプ準備では、みんなのライブの段取り決め、リハーサルや飾り作り、お父さんお母さんライブのテーマや流れをみんなで作っていくことが楽しかったです。
 その中でも一番不安で一番心配していたのが、音響の配線です。
 今年は自分たちが配線から音調整、キャンプ全体のBGMやマイクまで担当することになっていて、本当に緊張していました。
 今回のキャンプで自分の頭の中を大きくしめていたのは「配線、音響」で、今までとは全然違う気持ちでキャンプに向かいました。

 キャンプ準備が本格的に始まってから、訳が分からなかった配線の仕方を覚えたり、音が出る仕組みを知る機会をもらえて、知っていく内に少し面白さも感じられるようになれたことが嬉しかったです。
 みんなが忙しい中で、朝、せいこちゃんと2人でリハーサル用に配線してみて、音が出たときの達成感は本当に大きくて、2人で同じ気持ちを感じられたことが幸せだなと思いました。

 ライブ準備をしていて、飾り付けや段取りだけで無く、天気や場所をしっかり気にしなければいけないんだなと気付けて、そのことも印象に残りました。

 正直まだまだ分からないことだらけで、課題だらけで覚えたいことばかりなのですが、少しでも役に立てることが増えたら良いなと思って、これをきっかけに勉強してみたいなと思いました。

 キャンプ前日の夜遅くまで本当にドタバタでやることが間に合っていなくて大変だったのですが、ひいひい言いながら明日に向けて準備するのがすごく楽しくて、仲間とやることはなんでも面白くて楽しいものになるんだなと実感できたことも嬉しかったです。

 キャンプ当日。
 ゲストの相川さんや大竹さんも来て下さって、家族全員でキャンプに向かいました。
 山小屋は環境整備の人たちが綺麗にしてくれていて、ついてすぐに準備が始められることも気持ちよくて嬉しかったです。
 なにより盛男おじいちゃんの山は本当に綺麗だなといつも思います。
 きらきらとこぼれる木漏れ日の中を歩いているだけで、気持ちがリラックスして、ふううっとこれからの緊張も不安もほどけていくようでした。
 ここで初めて、「ああ、キャンプすっごく楽しみだなあ!」とわくわくする気持ちになれて、すごく嬉しかったです。

 テント設営や準備の時間、打ち合わせ通りにさやねちゃんと一緒に、みんなのライブに向けて配線や飾り付けをしました。
 意外とスムーズに終えることが出来てよかったです。
 持って行ったプラコップのイルミネーションが可愛くて、良いステージになったなと思いながら飾り付けをしていました。
 隣ではお昼のたこ焼きを焼き始めていて良い香りが漂っていたのも、お祭りのようにわくわくして嬉しくなりました。

 美味しいお昼を食べてから、キャンプ一発目の遊び、基地作りです。
 山の中に竹でドームを作り、昆虫ファッションに身を包んだモデルさんに立ってもらいました。
 私とりゅうさんのチームで、モデルのほのかちゃんに似合うようなドームを作ります。
 最初に須原さんからの説明があったのですが、私にはとても難しくちんぷんかんぷんだったのですが、ななほちゃんやよしみちゃん、ゆずちゃん、なるちゃんがしっかりと覚えていてくれて、どんどんと竹を組み立てていきました。
 土台に円状の竹を組むのですが、最初は太い竹を使って作ると円が歪な形……。
 なるちゃんが、「細くて節の間が広くてしなる竹を使ったら綺麗になるよ!」と教えてくれて、そうして作り直すとまんまるで綺麗な円が出来ました!

 ドームの屋根を組むのに、ああでもない、こうでもないと苦戦していると、お父さんがやってきて「こうすればすぐに立つよ」とやり方を教えて下さいました。
 そうすると、本当にあっという間に球状に竹が張り巡らせて、そのスピードに驚きました。
 その後でも、「もっと竹を使って屋根にしたら格好良くなるよ」と教えて下さって、他のチームとはひと味違うドームに出来た事も楽しくて嬉しかったです。

 飾り付けでもお母さんが、「この篠竹を周りに差したら格好良くなるんじゃないかな?」と教えて下さいました。
 りゅうさんにたくさん切ってもらって、ドームを囲うように差していくと、周りの飾りも相まって日本風で奥ゆかしいような雰囲気のドームが出来上がりました。
 「アサギマダラの羽安めの宿」とタイトルをつけて、美しい蝶になったほのかちゃんがそこへ立つと、本当に素敵な作品になったなあと思います。

 みんなのを見て回る時間も楽しくて、テントウムシや蜂、玉虫になったみんなと竹のドームを見ていると、まるで物語のなかからそのまま夢の国に来たような、そんな気分になりました。
 コンサートに使えそうな衣装もたくさんあって、もう今から次の脚本が楽しみになったなと思います。

 お父さん、お母さんが話して下さって、「今の時代、どんなことが起こるか分からないから、自分でこんなふうな建物を作れるようになれることは大事なことだ」と教えて頂きました。
 竹と紐だけで、寝起きできる場所を建てられる自信を、みんなでつけられたなと思います。

 夜は準備中、一番不安だったみんなのライブ。
 私は今回ゆいちゃんと一緒に司会をさせてもらいました。

 私はこの有志のライブが大好きで、毎回、どんなことをしようと楽しみにしていました。
 でも今回、実行委員をやらせてもらって、こんなに準備と段取りが必要なイベントだったんだなと知れた事が良い経験になって、これからの気持ちや行動にも繋がるなと思いました。
 お父さんにミキサーで基本的な操作を教えてもらえたことも有り難くて勉強になりました。
 よく集合で聞いていた、周波数の設定の仕方をやってみせてくれて、実際に音が変わるのを実感出来た事が面白いなあと思ったし、もっと知れたら良いなと思いました。

 自分はフラダンスの「POPO」というチームと、「まつりのせなか」というバンドで出させてもらいました。
 POPOでは、夏に向けたフラダンスをゆりかちゃんに教えてもらって、歌とダンスで演奏させてもらいました。
 ビーチが思い浮かぶような華やかな曲はライブの始まりにぴったりで、のんちゃんとよしみちゃんとお揃いの衣装も嬉しかったです。
 一度ダンスと練習して入るときに、振りをみんなで少し考えた時間が楽しくて、やっぱり歌ったり踊ったりして表現することを作っていくのが好きだなと思いました。

 「まつりのせなか」では、ずっとやりたかった金管が入ったバンドをやらせてもらいました。
 5人のバンドだったのですが、声をかけたみんなが快く「やるよ!」と言ってくれて、大好きな曲をみんなで山小屋キャンプバージョンにして歌えたことが嬉しかったです。

 ゲストの大竹さんや相川さんもシークレットゲストとして参加して下さいました。
 お2人とも忙しい中、準備をして下さっていることも本当に有り難くて、その時間を思うだけで何だか胸が一杯になります。
 みんなもその気持ちは同じで、お2人がステージに上がるとみんなの顔がきらきらと輝くのを、前から見させてもらえた事が嬉しかったです。

 最後に歌ってくれたお仕事組さんたちのグループ。なのはなのオリジナル曲『キボウ』を、今いる人たちとも共有したいという気持ちを込めて歌ってくれました。
 歌詞の中に出てくる「ぼく」は私たちそのもので、お父さんが書いてくださった曲を聴かせてもらえて感動しました。
 その中でも「ぼくはきみのためにいきる。君に繋がる人のために」という歌詞を聞くと涙が出そうになって、私もそう思い合える仲間でいたいと思いました。

 みんなが作ってくれたライブはとても優しい時間で、そんなふうに夜を過ごせたことが有り難くて幸せでした。

 へとへとになって寝袋で眠るのも気持ちよかったです。
 私は山小屋で眠ったのですが、夜は遅く、朝は早くから台所さんがずっと準備をしてくれているのを感じました。
 そのことが有り難くて、温かくて、安心した気持ちのままうとうとと眠りました。

 2日目は楽しみにしていたウォークラリーです。
 今年のウォークラリーも盛りだくさんで、小さなクイズからみんなで挑むアトラクションで楽しみました。
 中でも一番楽しかったのは、蜘蛛の森での頭脳戦鬼ごっこです。
 蜘蛛の巣型のネットに添って、真ん中のポイントを狙う3人の挑戦者。それに対して1匹の蜘蛛(鬼)。
 鬼はじゃんけんに勝った人数分進めるのに対して、挑戦者はじゃんけんで勝って一歩ずつ進みます。

 勝っても進む方向一つで簡単に食べられてしまうこのゲームがお気に入りになりました。

 私たちのチームはじゃんけんが弱すぎて次々に蜘蛛に食べられてしまったのですが、「ああ、もう一回挑戦したい!!!」と何度も言うくらいに面白かったです。

 蟻の森で、仲間にコガネムシ(鬼)が紛れ込んでいるのを、目隠しした仲間がジェスチャーと手の感覚だけで判断するゲームもとても面白かったです。
 全身タイツを着た実行委員さんを見るだけで可愛くて嬉しくなったし、ゲームも仲間の作戦を立てるのが面白くて楽しかったです。
 いかに鬼に、こっそり隠した振りを見破られないかがポイントでした。

 今回はスペシャルサンドイッチを食べた後にスケッチをする時間もあって、一休みの時間もたっぷり昆虫ウォークラリーの世界を楽しめました。

 ウォークラリーから帰ってきたあとは、すぐに「料理の鉄人」です。
 今回はみんなでカレーを作りました。
 ルー争奪戦をして、各チーム違う種類のルーで作ったのも面白くて、他のチームのを味見して違いを比べたりするのも面白かったです。
 私はりゅうさんチームでした。火をおこすのもすごく早かったり、肉に下味をつけたり、基本的な料理を教わりながらみんなで作れたのが楽しかったです。

 副菜に卵料理がつくのですが、りゅうさんがふわふわスクランブルエッグを作って下さいました。
 チーズと牛乳、お砂糖と塩胡椒で味つけして、ふわふわぷるぷるに卵が焼けていくのは、見ていても本当に美味しそうでお腹がぐうとなりました。

 盛り付けはりゅうさんこだわりの富士山型にしてくれました。
 トッピングにベーコンと桃ジャムを別に添えて、見た目にも女子力高めな可愛いプレートが嬉しかったです。

 カレーは最初フルーティーで甘く感じるけれど、スパイスをたくさん感じてピリッと辛く、まるでバターチキンカレーのような味わいで本当に美味しかったです。
 卵はぷるぷる甘くてしょっぱくて桃ジャムとベーコンと食べると、フレンチトーストにベーコンをのせて食べているような、アメリカンな味になりました。これがものすごく美味しくてチームの人と何度も「美味しいね!」と言い合いながら食べられたことが嬉しかったです。

 夜はお父さんとお母さんのライブです。
 リビングにぎゅうぎゅうに集まってお父さんとお母さんを囲んでいるのがとても幸せでした。
 今回のライブは、歌をたくさん聴けたらなと思っていて、お父さんお母さんに何曲も歌って頂けたことも有り難くて、みんなの満足度も高かったのではないかなと思いました。
 久々に聞く曲もあったりして、お父さんの歌声がやっぱり本当に好きだなと思いました。

 ゲストさんからの生質問のコーナーもあって、お父さんの今まで経験してきたお話を聞かせてもらいました。
 お話を聞いていて、本当にお父さんのように絶対に諦めない心が私にも必要だなと思いました。
 お話を聞いていると本当に力が湧いてきて、ライブの時間でパワーがチャージされたようにやる気がでたなと思います。
 ライブの実行委員であれこれ心配ばかりしていたのですが、本当にいいライブを作って下さったことが有り難くて嬉しかったです。

 最終日は雨。
 ナスの畝たてのメンバーと片付けに分かれて、朝からみんなで動きました。
 おじいちゃんの山が片付けて美しくなると、心がすっきりとしていきます。
 同じ時間に早急の作業で、ナスの畝立てをしてくれているみんなと同じ「キャンプも作業も最後まできちんとして、うんと楽しもう」という気持ちで過ごしている事を感じて、てきぱきと動けたように思います。

 美味しいぼた餅のお昼を古吉野で食べてから、午後は新聞紙ファッションショーです。
 今年は色紙や色画用紙、モールやストローなども使って作ると言うことで、昨年とは作るポイントが少し違ったなと思いました。
 私はまえちゃんチームでテーマは「さなぎ」。
 最初に聞いた時は、さなぎ!? と思ってびっくりしたのですが、まえちゃんが思い描くイメージを聞いていくと、何だか格好いい物が出来そうでわくわくしました。
 みんながどたばたしながら、新聞紙を折ったり貼ったり切ったりしていく時間がすごく楽しくて、時間が本当にあっという間でした。

 最終的に出来上がった服は、どのチームよりも可愛く出来て、モデルのももかちゃんにぴったりな素敵な服になりました。
 ランウェイを歩く他のチームのモデルさんも、すごく素敵でした。
 男性チームは、ちゃんとズボンを裁断して作っていて、さすが相川さん、大竹さんだなと思いました。
 ケープのような羽がすごく格好良くて、そのままウィンターコンサートの衣装に出来そうなくらい。見ているだけでわくわくしました。
 華やかな昆虫ファッションショーをみんなで作り上げられたことが嬉しかったです。
 やっぱり新聞紙ファッションショーの達成感はすごいなと思いました。

 最後の夜はセブンブリッジ大会です。
 大好きなセブンブリッジを新しい仲間やゲストの方と出来るのが特別で嬉しかったです。
 ゲームは勿論、やっぱり罰ゲームが面白くてみんなが昆虫になりきる姿を見て大笑いしました。
 相川さん、大竹さんの罰ゲームもクオリティ高くて面白かったけれど、さすがだなと思いました。

 最後に大竹さんから作品のポストカードをもらえた事も、みんなに宝物を分けて下さったように嬉しかったです。
 蝉に寄生する冬虫夏草が、蝉の絶滅を救ったと、作品の解説をしてもらっていて、大竹さんも普段同じ利他心の気持ちをとても大切になさって生きているのだなと思いました。

 大竹さんも相川さんと仲間でいられることが本当に希望で心強くて、有り難いことだなと今回のキャンプでたくさんたくさん感じました。
 そんなふうに助け合える仲間がいて、私も誰かの役に立てるように自分を成長させていきたいと初めて思えるのだなと思いました。

 最後まで音響の事が課題の一つとしてあったのですが、チームのみんなと協力して最後まで出来た事が本当に有り難かったです。

 キャンプを通して、成長できた部分と、もっと鍛えなければならない気持ちに出会えたと思います。
 来年はもっと良いキャンプになるように、反省をしっかりして次回に繋げていきたいです。