【4月号⑨】「能登半島地震復興支援チャリティーコンサートへの出演」 るりこ

 

 美作文化センターで開催された、能登半島地震復興支援チャリティーコンサートに出演しました。このコンサートには、地域のバンドや和太鼓グループなど全12組が出演し、なのはなファミリーは2組目として、3曲の演奏とダンスを披露しました。3月17日の本番に向けて、『ビューティフル・ピープル』『バッド・ハビット』『ホワイト・フラッグ』の3曲の練習を積み重ねました。

 ウィンターコンサート以来、フルマラソンに向かうためのフルメニューで日常的に身体づくりをしていたり、定期的にあるアセスメント演奏でダンス練習を重ねてきたこともあり、また一段、ダンスが踊りやすくなったことを感じています。また、踊りこなしていくうちに、1曲1曲により気持ちをのせやすくなり、3曲ともに自分たちに欠かせない大事な曲になっています。
 11時にチャリティーコンサートが開会すると、勝田清流太鼓のみなさんによる演奏があり、その次の2組目がなのはなの出番でした。

 

■気持ちが1つに

 外で控え、いよいよ太鼓の演奏が終わり、自分たちの出番が始まる頃、あゆちゃんが大きな声で、「みんな、行くよ」と声をかけてくれました。それに対してみんなで、「はいっ」と大きな声で返事をしました。
 その瞬間に、全員の気持ちが1つになることを感じました。
 能登の方々に、自分たちの気持ち、曲にのせて表現する意気込みが届く、そんな演奏になればと思いました。
 とても緊張したけれど、心の中で、(どうか最高のステージをみんなと作り上げられますように)と祈って、いよいよステージへと上がりました。

 ステージに立つと、お客さんの姿が目に入りました。なかには応援組のみんなの姿もあり、最近新しく増えた仲間に向けても、良いステージにしたいと思いました。
 演奏が始まってからは、3曲が終わるのが本当にあっという間でした。
 今回の曲目では、曲間に、ほぼ全員が衣裳の早着替えをする必要がありました。古吉野でのリハーサルのときには着替えが間に合わず、数名が出に間に合わないことがありました。その後、衣裳部を中心に着替えの改善策を見つけていき、ペア態勢にしたことや、着替えの多い子がいかに早く着替えられるかという段取りを綿密に行ったおかげで、本番は全員が出のセリフまでに揃った状態で、気持ちをつくって、最後の曲である『ホワイト・フラッグ』に臨むことができました。

 

 

 今回の曲目を選ぶとき、復興支援コンサートと聞いて、お母さんは真っ先に、「『ホワイト・フラッグ』を演奏しよう」と答えたそうです。
 この曲はウィンターコンサートでエンディングに全員で踊った曲であり、自分たちにとっても、「白旗は上げない」という、これからの人生へ前向きに立ち向かう勇気と覚悟が込められた、闘いの曲です。能登半島の方々の、今の大変さや困難は、私は想像することしかできないけれど、ここで倒れたりなんかしない、絶対に諦めないで生きていくんだ、という思いを、自分たちの最大限で、この曲には込めています。

 そういう気持ちも込めて、自分たちの生きていく覚悟を、ダンスという手段を使って表現しているなかで、サビを踊っているとき、2階席の下手側で、わたしたちの曲に合わせて身体を大きく揺らしたり、手拍子をして見てくださっている方の姿が目に入りました。

■成功という形で

 その女性の、弾むように身体や手足を動かす姿から、自分たちの気持ちに賛同してくださっている、応援してくださっているように感じられました。このコンサートを通して、そういう方に出会えたことが嬉しかったです。 

 『ホワイト・フラッグ』はフォーメーション移動が多く、さらに今回は、ステージの奥行きが不慣れな幅と違うこともあり、練習時には、移動中に人と人がぶつかる事故が起きていました。
 前日の場ミリの時点でも解消されなくて、本番前の夜ギリギリまで、体育館で実際のステージをイメージして、みんなと何度も何度も繰り返して練習をしました。
 ここまで力を尽くしたら、あとはみんなと信じることと、みんなが一体となることだと思いました。

 

 

 そして本番、『ホワイト・フラッグ』を踊っていると、これまでの中でも一番、みんなが一体となっていることを感じました。
 そして、懸念していたフォーメーション移動でもトラブルが起きず、全員が成功という形で幕を下ろすことができました。
 一人ひとりが仲間を信じて、「絶対に成功させよう」と祈る気持ちが、最高の結果に繋がった演奏にできたと思います。

 久しぶりのイベントでしたが、人前で表現することで改めて、自分の未熟さを知る機会にもなりました。お客さんがいると、やはりいつも以上に緊張してしまい、一瞬でも気持ちが縮こまってしまいそうになります。
 ですが、見てくださる人がいるからこそ、表現がどのように伝わるのか、お客さんとの間に生まれるものを感じることもできて、イベント出演は、自分を成長させるには大事なチャンスなんだと思いました。

 これから春、夏に向かっていくなかで、イベント出演は増えていきます。その1回1回を大事にして、演奏ごとにダンスの質も、気持ちの面でもステップアップしていける、そういう場として自分を成長させていきたいです。
 またダンスという手段を通して、自分たちの気持ちを表現していけることが嬉しいです。