勝央町公民館で催されている、勝央町三味線教室に参加しています。五月から始まった、月に一回催されている勝央三味線教室で、六月は、二十八日に教室が開かれました。
勝央町の伝統的な踊りである、『勝央音頭』『ヤットサ節』『サンサン勝央』という三曲は、太鼓と長唄に合わせて三味線が演奏されます。コロナ前は、十月に開催される勝央町金時祭りで、毎年、踊りに伴って三味線が演奏されて、なのはなの先輩たちも演奏に参加していました。コロナからそういった三味線の演奏の機会も一時期なくなってしまったのですが、より多くの人が三味線に親しみ、勝央音頭を弾ける人が増えるように、また町にある三味線の文化を残していけるようにと、三味線教室が始まり、私たちも三味線を学べることになりました。
■三味線の奥深さ
この教室では、東京からプロの三味線の先生が来られて指導してくださります。四月に、三味線教室が開催されるにあたって体験会と先生の演奏会が行われたのですが、先生の演奏を聴いて、三味線の表現の幅が広いことや、三味線がこんなにも綺麗で奥が深いということを知って、より興味を持つようになりました。三味線は、弦は三本ですが、その三本の中にドレミファソラシドがあって、どんな曲も演奏することができます。また、三味線にはバチを弦を弾くという他にも、指だけで弾くなど、いくつかの奏法があることを私はそのとき知りました。先生の演奏では、穏やかな曲調の情景が思い浮かぶような民謡や、津軽三味線で演奏される早弾きの曲など弾いてくださり、いつかこんな曲を、できるようになってみたいと思いました。
なのはなから三味線教室に行くにあたって私が思っていることは二つあります。一つは、勝央町の文化を大事にして残していき、広めていく立場でありたいこと。地域の行事のときには、総踊りに合わせて三味線の演奏をしたり、それをなのはなの子がずっと続けていけるようにしたいです。
もう一つは、なのはなの三味線をもっと多く活用したいということ。今、なのはなには、綺麗な三味線が十台ほどあります。教室に通う自分達が、教わったことをなのはな内でも広げて、金時祭りのときの勝央音頭だけではなくて、できれば他の形でも活用して演奏したいということです。
今は、りなちゃん、すにたちゃん、私で通っていますが、三人で、三味線についてよく知り、できるようになって、伝えられるようになりたいと思っています。
■『勝央音頭』と『黒田節』
前回の五月から、早速『勝央音頭』の練習をしています。
教室の時間はとても楽しいです。まず、譜面をおよそ四小節ずつに区切りながら、先生に指の運び方など教わって弾いてみます。最初はゆっくりで、徐々に長いフレーズを本来のテンポに合わせて弾いてみます。自分が正しい弾き方でできているのだろうか、と自分だけでは分からないのですが、練習中は、先生が一人ひとり回ってアドバイスをしてくださり、そのときに自分の癖や違っていたところを知ることができます。自分の指の運び方が少し違っていたとか、撥の角度など、姿勢や道具の正しい持ち方ができているかどうかは、自分では中々気づきにくいことです。
慣れていなかったり、三味線に対しての知識が薄くても、先生が、分かりやすく教えてくださいます。
今回二回目の教室で、『勝央音頭』は一通り教わって、三人のあいだでも大体弾けるくらいになりました。また、今回の教室では『黒田節』という福岡県の民謡も教わりました。『黒田節』は、ゆっくりなテンポで指使いもあまり難しくありません。先生によると、三味線は、音の余韻が残るもので、それを綺麗に残すには弦を触る指をあまり離さずに移動させることが大切なのだそうで、その練習に丁度良い曲です。間に、指で弦をはじく奏法も出てきます。弦をはじくときは、撥を持っている手はなにもせずに、左指だけで弦をはじきます。私は、これが中々綺麗にできないため、今回どうしたらいいのか質問させていただいて、指で大きく弾くことがコツなのだと知りました。
今回の練習を通して、自分は、左指の移動で、弦から指を離し過ぎていたなと思い、そのことに気を付けると、大分、曲がなめらかに聞こえるようになりました。
■たくさん練習して
一度、先生が『勝央音頭』を弾いて見せてくださったのですが、それを聞くと、この曲はこんなにも綺麗だったのだなと思えます。三味線一本だけの演奏、それでも、ずっと聞いていたくなるような曲に思いました。それをイメージしながら練習するのですが、自分が弾くと、情緒がないような感じになってしまいます。三味線は、強い音も、穏やかな音も出せて、とても綺麗な音が出せるのだけれど、それは正しい指使いやリズムの上で、自分の心持ち次第なのかもしれないと思います。先生が弾いたような『勝央音頭』に近づけるようになりたいと思っています。
次の教室では、『ヤットサ節』を習う予定です。教室は月に一度だけなので、次の教室まで、三人で、できるだけたくさん練習して上達したいと思っています。