5月16日(木)「ごきげんよう、キュウリのご夫人たち?! & 版画教室の夜」

5月16日のなのはな

 風が田畑を吹き渡り、戸を叩き、林を揺らし、そして、みんなが桃の樹にかけたネットをも乱してしまいました。樹がこれ以上傷まないよう、桃のチームは急いでネットを固定したり、あるいは樹によっては一度外す判断をして、対応しました。先を読んで手入れをすることの大切さ、自然を相手にすることの難しさ、それでも前向きに、何度でもやるぞ、という気持ちを持つことの大切さ。お母さんや、桃担当のあんなちゃんが話してくれた、昼食の席でした。

 同時に、作物の成長もたくさん感じます。グラウンドに並ぶミラシートを少しめくると、葉先の一つひとつに露玉をのせて、私たちの大切な稲の苗が、芽を伸ばしています。崖崩れ下ハウスでは甘酸っぱく青い香りをはなつミニトマトが、1センチ弱の実をつけています。そして食卓には、前日の朝に摘果したズッキーニの炒め物も並びました。梅林上の畑では、タマネギがもう食べられそうに大きくなっている、と、草取りへ行った子たちが教えてくれました。

 

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〈午前9時半時点の、稲の苗〉
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〈ミニトマト〉
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〈実をつけはじめたズッキーニ〉

 

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 ユーノス畑のビニールハウスで、第2弾のキュウリの定植をしました。
 第1弾のキュウリはネットに捕まるくらいまで大きく育ち始めています。
 私たちのチームではキュウリに「きゅーり夫人」と名前を付けて声をかけながら育てていて、この日の作業も、キュウリたちに声をかけながら行ないました。

 

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 この日は、空いているスペースに新しく第2弾の株を植え付けました。
 大きくなったキュウリに見慣れていたので、苗はまだ小さく可愛く見えました。
 前回植え付けたときに少し反省点があったので、今回はそれに注意しながら植えられて、また成長過程を見守るのもとても楽しみになったなと思います。

 

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 定植の後には、第1弾の誘引もしました。
 一緒に作業してくれていたしなこちゃんが、誘引のコツを教えてくれて、みんなでしっかりと株をネットに固定することができて嬉しかったです。
 
 その他にも水が浸透しやすくなるように株の周りの土を耕したり、水がとどまるように畝間の土を畝の縁に上げたりして、ハウス全体の様子が綺麗になって、とても満足しました。

 

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 夕食の時のコメントで「きゅーり夫人」の話をしたら、それは安易すぎる名前だよ! とみんなに笑いながら言われてしまったのですが……んふふ、私はとっても気に入っています。
 他にも良い名前があったら、またみんなに付けてもらおう! と思って、募集中です。
 
 夏野菜の中でも大好きなキュウリが美味しく育ってたくさん採れるように、手入れを頑張りたいです!

(まなか)

 

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〈野イチゴに出会いました〉

 

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 気合の入った動きで、ばれんが行き来する、版画教室の机の上。
 藤井さんが来てくださり、夜7時から始まった木版画教室では、春から手掛け始めた作品を完成させるべく、主に刷りの工程を行ないました。
 絵の具と水の分量、色の混ぜ加減、ばれんの動かし方。版画は、無数の要素で、いかようにも表情を変えていきます。

 

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 教室のさいごには、ある子が刷った作品を並べて、どれを額縁に収めるか、藤井さんとみんなとで考えました。「せえの……」声に合わせて好きなほうを指さしながら、2つの候補まで絞り込みました。少しコントラストが落ち着いていて、情緒があるもの。くっきりとコントラストが効いて、遠くから見ても映えそうなもの。かすれていることの味わい。画面のなかに描かれたテーブルの色の濃さ……。1つとして同じ刷り上がりはなく、細かな表情まで愛おしく感じました。

 

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