【3月号⑬】「果樹の夢が広がる! ポポーとイチジクの苗畑」 りんね

 池上桃畑、スモモ畑、そしてブドウ畑と、なのはなの果樹畑が連なっている中ほどにある池上三角畑で、新しく、ポポーとイチジクの苗を育てることになりました。

 ポポーは、りなちゃんが種から発芽させて、古畑の苗床で育ててくれた苗を、約80本。
 イチジクは、今年剪定した枝を挿し穂にして、225本、植え付けました。

 私はイチジクを担当しているのですが、池上三角畑で、ポポーとイチジクを一緒に植えることになり、りなちゃんと協力しながら育てていけることが、とても心強くて嬉しかったです。

 畝立て、マルチシート張りから、りなちゃんと一緒に行いました。
 植え付けの日は、4人のメンバーで、ポポーとイチジクを同時に植え付けました。

 

〈種から育てているポポー〉

 

 はじめに古畑のポポーの苗の、掘り起こしから。
 りなちゃんから、ポポーは直根性、ということは聞いていたのですが、掘り起こすと、1本の根が真下に、ゴボウのように長く伸びていたことに驚きました。

 ポポーは南国の果樹にも関わらず、マイナス30度まで耐えられるそうです。
 そんな強さも、この地中深く張る根から来ているものかもしれない、と感じました。ポポーの生命力の強さに、惹きつけられます。

 大切な根を切らないように、そして乾燥させないように掘り起こしました。りなちゃんたちはポポーの植え付けへ畑に移動し、私はその間に、イチジクの挿し穂のカットを行いました。

 

■『バナーネ』の挿し木

 イチジクの挿し木は、金木犀畑の『バナーネ』の剪定枝を挿し穂に用いました。液肥を溶かした水に浸け置いた枝を、挿し穂としてカットします。下の断面は、節から発根しやすいため、節の部分を斜めに切る。そこから15から20センチほど、2、3節残して芽の真上でまっすぐに切る。

 挿し穂のカットには、桃の剪定で使っていた電動剪定ハサミを使わさせてもらいました。
 初めて電動剪定ハサミを使ったとき、スイッチを押した瞬間、何の抵抗もなくやや太めの枝がスパッと切れて、その感覚が衝撃的でした。
 これまでは普通の剪定ハサミで、下を斜めに切ることや、やや太めの枝を切ることに苦戦していたけれど、電動剪定は淀みなく、格段に速く切り進めることができました。

 イチジクの枝は果樹の中でも柔らかいけれど、紙を切るように切れてしまうほどの切れ味は、少し怖いほど。決して指を挟むことのないよう、心を落ち着かせて200以上の挿し穂をカットしていきました。

 挿し穂を持って畑へ移動し、ポポーの植え付けはりなちゃん、まりこちゃんが、イチジクの挿し木はさくらちゃんと私で、行いました。

 ポポーは1条植えで、植穴にたっぷりとジョウロで水を注ぎ、そこへ掘り起こした苗を植え付ける。株元には草を敷いて、篠竹を仮支柱にして誘引し、上からも水やりを行いました。
 まだ、苗は20センチ前後で小さいけれど、新しい畑で無事に活着し、大きく育ってほしいなと思いました。

 イチジクは、3条の千鳥植えになるよう、篠竹を土に斜めに挿し、挿し穂を挿す穴を開けていきました。次に挿し穂を、先端の一芽のみが顔を出すようにして、挿す。挿した後、土と挿し穂が密着するように、上から優しく土を押さえつけました。

 挿し穂はまだ根が生えていないので、乾燥をさせないように、地上に出る部分を最小にして、上の切り口にトップジンを塗布しました。水やりをして、最後に上からビニールをかけて、完了。
 イチジクの挿し木は、半月ほどで発根する予想です。

 

 

 植え付けが終わるとき、ぽつぽつと雨が降り始めました。今年は例年よりかなり気温が高く、果樹が休眠から覚める前に、なるべく早く植え付けておきたかったため、雨前に無事に植え付けが終わって、ほっとしました。

 桃やスモモ、ブドウに囲まれた、池上三角畑。果樹の神様に見守られているような感覚がします。
 ポポーとイチジクの苗が無事に根付き、なのはなの果樹栽培が広がっていきますように。これからも、りなちゃんと一緒に見守っていきたいです。