【3月号⑫】「ダンプカーのステージから ―― 落ち葉集めと堆肥づくり ――」 ほのか

 わたしたちがつくる新鮮でおいしい野菜の秘密の1つ、それは、落ち葉堆肥です!
 私は今回が初めての落ち葉集めでした。

 みんなの好きな作業、という会話をすると、「落ち葉集め」と答えている人が多く、最初は「ただ落ち葉を集めるだけなのに、何がそんなに楽しいんだろう」と疑問に思っていました。

 その疑問は、実際に落ち葉集めをしてみて解決されました。

 

 

 なのはなの落ち葉集めはスケールが違いました。永禮さんが、大きなダンプカーを運転してくださり、その中にみんなで集めた落ち葉を入れていきます。古吉野を出て車で30分くらい移動し、大井が丘まで行きます。

 その道中では、みんなで、私は誰でしょうクイズや、文字数が増えていくしりとりをしました。私は誰でしょうクイズで、まちちゃんが聖徳太子をお題にしたり、ゆきなちゃんはリンカーンをお題にしていましたが、その中の質問で、「ゆきなちゃんはその人が好きですか?」と言う質問をゆきなちゃんが勘違いして、「え? 私のことをその人が好きか?」と言っていて車の中は大爆笑でした。

 

  
■役割分担

 大通りを抜けて細いくねくねした道に入ると、そろそろ到着の合図です。近辺を移動しながら何か所か回ります。
 熊手で落ち葉をかき集める人、くわで溝の落ち葉を集める人、てみで集める人、ダンプの荷台に入ってみんなの落ち葉を受け取り入れる人の役割に分かれて集めます。

 私は、ダンプの中に入る役割をもらいました。高いところが好きなので、わくわくしながら荷台に入ると、何もないうちは思った以上に深く身体が沈み込むような感覚でした。

 スタンバイして準備完了。落ち葉集めがスタートしました!
 あらかじめ、永禮さんが下見をしてくださっていて、周辺が落ち葉の山でいっぱいになっていました。みんなが手際よく落ち葉を持ってきてくれます。

 

■気分はアイドル

 みんなが落ち葉まみれになりながら、ものすごい笑顔で持ってきてくれて、すごいパワーを感じました。(私も一度、てみで落ち葉を集める役割をやったことがありますが、かなり足腰にきます)
 1か所目が集め終わると、永禮さんのダンプの上に乗ったまま移動します。下にいるみんなが手を振ってくれる中を通り過ぎて、気分はアイドルのコンサートでした。

 どんどん足元に落ち葉がたまっていき、踏みながら落ち葉を受け取っていきます。
 はじめは下から見て私たちの姿が頭だけでしたが、落ち葉がたまっていくとだんだんと背が高くなり、ダンプいっぱいに落ち葉がたまると全身が見えるようになりました。どんなにいっぱいになっても踏めばまだまだ入ります。みんなでジャンプしたりしてかさをへらし、ぎゅうぎゅうに落ち葉を詰め込みました。

 

 

 何か所か回り終わり、落ち葉がいっぱいになると、古吉野に帰って崖崩れハウス前畑におろします。
 ところが、荷台が傾いてもなかなか落ちてきません。ぎゅうぎゅうに詰めすぎて密度が高くなり、どんなに角度をつけてもなかなか落ちませんでした。やっと落ちてきたところで、次は落ち葉堆肥作りです。

 

■密封が命

 後日、落ち葉の山を移動させ、饅頭型に整えます。これもなかなか大仕事で、てみで持って移動させてを繰り返し、落ち葉が発酵しやすい形状にしていきます。

 第1回目の落ち葉堆肥作りは、お父さんが監督でした。
 その日はよく晴れて日差しが強い日で、お客様も見えていました。混ぜるために過去の落ち葉堆肥を準備していると、カブトムシの幼虫がごろごろでてきて、その大きさに驚きました。
 まるまるとした幼虫で、掘れば掘るほど見つけることができました。

 

 

 次に米ぬかと牛肥、過去に作った落ち葉堆肥を混ぜます。くわで掘り起こしながらてみでまき、それをまたくわでほぐしていきます。
 よく混ざったら真ん中にくぼみを作り、そこにまた材料を入れて水たまりになるように水を入れ、ビニールで全体を覆いPPテープで2周、全体を縛り付け、密封したら完成です! 
 お父さんは、「密封が命」と言っていました。密封することで太陽熱と反応し発酵が進みます。これからうまく発酵して、いい落ち葉堆肥になるといいなと思います。

 

 

 落ち葉集めは地域の清掃にもなり地域の方にも喜んでいただけるし、自分たちの畑をよくしてくれる材料でもあり、まさに1石2鳥の作業だと感じました。なのはなの、身近な物をどんどん利用して工夫しようという気持ちが、ここにも現れているなと思いました。落ち葉集めのとき、永禮さんが駆けつけてくださることや、地域の方々が場所を提供してくださることが、有り難いです。