
6月5日のなのはな
サツマイモは苗を植えたら、芋がなる。植え付けた時点では、か弱そうな蔓と葉だけなのに、約半年後には主食にもなる芋になるから不思議です。
でも、こんなに丈夫な作物も、サツマイモだけじゃないかなと思います。
サツマイモの第2弾、約1000株を植え付けました。第1弾を植え付けたのは、4月終盤。当初の予定では、第2弾は5月中に植え付けたかったのですが、この1か月、わたしたちはある問題に悩まされていました。それは苗問題です。
古畑ハウスで育てているサツマイモの苗床の苗が、第1弾で苗を取りすぎてしまった影響で株が弱り、葉の勢いが弱まってしまいました。
肥料を与えたり、水やりの量を多めにしたり、暑さの影響かとハウス内を冷却したり……。様々な手を打って、どうか苗床が元気になるようにと願ってきました。
しかし、なかなか復活を見せないサツマイモの苗。このままなら株数を減らそうかと考えたりもしましたが、最終手段として、先日、苗床いっぱいに牛肥を施して、さらに液肥もたっぷりと与えてみました。最後の手段として、どうか効いてくださいと祈る気持ちでした。
わたしたちの祈る気持ちは、サツマイモに届きました。
翌日、苗床に行ってみると、明らかにサツマイモの顔色が変わっていました。
それから毎日、苗床に施した牛肥が染み渡るように水やりを欠かさずに行っていくと、心なしか葉の茂りも日に日に増していくように見えました。
この調子なら、第2弾を植え付けられそうだ。サツマイモの苗の状態をみて、今しかないと思い立ち、畑新チームになった初日に植え付けが行われました。
朝の涼しい時間帯に苗床の苗をカットしました。節を2~4節残して、カットしていきます。
元気に茂った苗床から、約700株ほどの苗を取ることができました。
サツマイモの植え付け方法は、昨年からの方法で確立されています。
第1弾でも大成功した方法です。それは、植え付け時にあるアイテムを活用するのです。
あるアイテムとは、篠竹です。まずマルチの穴に篠竹を真っ直ぐに差します。そして篠竹を引き抜くと同時に、開いた穴の中に苗をシュルッと入れ込むのです。差す、抜く、入れる。この3つのシンプルな工程が、植え付けのスピードを格段に上げてくれました。
心の中で唱えるように、(1、2、3)のリズムが出来上がります。土質も粘土質なので、篠竹を勢いよく引き抜いても穴が土でふさがらないため、苗が入れやすく、みんなから、「やりやすい!」と大好評でした。
1人1畝で長くても、この方法だとテンポよく楽しみながらできるので、見る見るうちに畑に苗が植わっていきました。
残りの約300株の苗は、すでに定植されている第1弾から取りました。第1弾は畑で順調に伸びていて、1本1本の蔓も太く、しっかりとしています。
切っているそばから、たくましさが感じられて、期待が持てそうだと思いました。
植え付けのあとは水やりをたっぷりして、仕上げに敷き草を、マルチの穴を塞ぐように敷きました。
敷き草をする目的は2つあります。1つ目は、マルチ焼けを防ぐためです。黒マルチと苗が触れ合った状態で日に照らされてしまうと、マルチの表面温度が上がって、葉が焼けてしまうことがあり、それを防ぎます。
2つ目は、防草です。サツマイモは蔓が伸びてしまうと、草取りがとてもやりづらくなってしまいます。
そのために黒マルチも敷いていますが、少しでも土が見えていると、そこから雑草が広がってしまいます。
マルチの穴から雑草が茂ってしまうので、この時点で土が見えないくらいに草をたっぷり敷いて、雑草が茂る隙間を作らせないという気持ちで、穴いっぱいにたっぷりと草を敷きました。
サツマイモの定植は、一度で植え付ける株数が1000株単位なので、大がかりになる作業ですが、第1弾で培ったやり方と流れが自分たちの中にも浸透していて、わずか80分ほどで川向こう畑の半面に約1000株を植わり終え、これで第1弾と合わせて、畑一面がサツマイモ畑になりました!
みんなのスピード感とやる気、団結力が発揮できて、とても良い作業だったと思います。
残すは、かちかち畑大です。あと3弾、4弾と、まだまだ苗が必要になりそうです。また明日に苗床に再び牛肥を施して、苗床を早めに復活させたいと思っています。なのはな内でも人気の高いサツマイモを、この秋にたくさん穫れたらいいなと思います。
続く午後、この日はどうやら定植ラッシュです。
再び、サツマイモ植え付けメンバーで集まって、午後からはササゲの定植をしました。
畑はうなぎ取り小、中畑と、発見畑奥の3枚です。各畑の一角に苗床があり、同じ畑で掘り起こして、同じ畑に植え付けられるので、移動や手間が省けて、とても良いです。
苗床で育つササゲの苗は15~20センチほどに草丈が揃い、色艶もとても良く、一本一本からエネルギーが感じられました。
ササゲは土寄せで畝を作っていくので、定植時は畝立てはせずに、掘り起こしたそばから、すぐに株間30センチで植え付けていきました。初生葉の真下まで土を被せてあげました。現時点は細い苗ですが、秋には莢がついて、豆がなります。
わたしはササゲの収穫が豆類の収穫のなかでも特に好きです。秋口にみんなで収穫することを思って、たくさんのササゲが穫れますようにと植え付けていきました。
午前のスピード感をここでも発揮し、6人で3枚の畑を1時間半ほどで植え付けを終わらせ、残りの時間でスイートコーンの手入れに行きました。お父さんの大好物のスイートコーンは全3弾まであり、段階的に収穫できるようにしています。第1弾は雌穂が枯れてきており、実が6センチ大にまで膨らんでいました。楽しみな収穫も間近です。

この日は摘果を行いました。1本から5~6の実がなっていますが、それを1つに絞り、栄養を集中させて、大きなスイートコーンを穫るためです。今回摘果したもののなかにも鉛筆の太さくらいの実ができていて、これも摘果コーンとしていただくこともできます。バキバキと摘果していくのは、何かをはいでいるようでもあり、とても快感でした。
サツマイモの植え付けから始まり、ササゲの定植、スイートコーンの手入れと流れるように過ぎていった1日でした。
明日も引き続き、雨前に植え付けラッシュが続きます。夏野菜がどんどんと畑にデビューしていくことが緊張もするけれど、これから始まっていく手入れを思うと、夏が楽しみになってきます。
(るりこ)
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夏に欠かせない、ナス。なのはなのナスも、ポットの中で大きく成長し、定植時期を迎えました。
そこで、定植前にしっかりと株を支えられるように、支柱立てをします。
午前一番、お父さんが畑に来て、ナスの支柱の設計プランを見てくださり、新しい方法でやることに。
今回、V字型の逆合掌作りを2メートルの竹で立て、約1メートルの高さで上段の横竹を取り付けます。下段は、後ほどエクセル線を張る予定にしています。
支柱立ては、古吉野なのはなの竹置き場に収めていた竹を畑へ運ぶところから始まり、本当に1からの作業でした。
まっさらな畝だけが立つ畑に、どんどん青々とした取れたての竹が運ばれていきます。
まずは、ひたすらV字の竹打ちをしました。まえちゃんとペアになり、1畝交代で、かけやでコンコン打っていきます。
交代しながらやることで、力のいる作業でも、ずっと持続して打ち続けることができてよかったです。
まえちゃんのスピード感ある作業に自分も自然とテンポを合わせていくと、動きも速くなり、とても楽しかったです。
事前に印をつけていたので、竹のラインがまっすぐにそろっていて、それだけでも美しく見えました。
お昼前に、サツマイモの植え付けを済ませたメンバーがヘルプで駆け付けてくれて、半日でV字の竹はすべて打ち終えることができました。
ここからが本題です。これから、ナスが1メートルを超えたとき、枝を誘引するための横竹をとりつけていきます。
筋肉で言うと、今までは上腕二頭筋あたりを使っていましたが、今度は指筋。(指筋というものはありません)
指との戦いです。
横竹とV字の竹を、抱っこちゃん結びでひたすら止めていきます。午後は、4つのペアが等間隔に畝に入り、どんどん手前に向かって進んでいくという方式でやりました。
抱っこちゃん結びをこんなにしたのは初めてというくらい、抱っこちゃん結びができて、うれしかったです。
なのはなに来るまでは全く知らなかったし、来てからもなかなか結べなかったけど、今や、もう楽しくて仕方がないという感じです。
予定よりも時間がかかってしまいましたが、夕食前までには横竹をすべて取り付けることができてうれしかったです。
最後まで、みんなが気持ちを沿わせて作業してくれて、本当に感謝でいっぱいです。
これでナスが定植できます。今日1日で支柱立てのほとんどが終わって、ホッとしました。
まだ、下段のエクセル線の取り付けがありますが、ひとまず定植前の準備ができました。
支柱立ての改善点も、よかった点も含めて、今後のために記録に残しておきたいです。
夏には、つやっつやのおナスが、鈴なりに実り、豊作になることを願って……。
明日はいよいよ定植です。これから、夏野菜が始まります。緊張、不安、あるけれど、みんながいてくれるから、この夏は絶対楽しくなると思います。ナスもピーマンも、夏野菜の成長が楽しみです。
(さき)
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【石生の田園風景】
