【4月号⑱】「新しい道へ進む、かりんちゃんへ ―― なのはな写真館と『グレイテスト・ショー』 ――」 ななほ

 

「かりんちゃんの好きな女優さんは?」
「オードリー・ヘップバーン」
「かりんちゃんの好きな映画は?」
「ドラえもん!」

 今年の春から高校生になるかりんちゃんが、春休みでなのはなに遊びに来てくれました。
 なのはなのみんなのお陰で行きたい高校に入学できた、と喜んでいる、かりんちゃん。
「そんな、かりんちゃんの進学祝いに、何か喜んでもらえることをしたい!」
 なのはなのみんなの思いに、お母さんの提案で、かりんちゃんの進学祝い撮影会を開催することになりました。

 かりんちゃんはハートピーのセラピストである亜希子さんの娘さんで、生まれたばかりの時からなのはなのみんなの中にいて、なのはなのみんなの姿を見て、ダンスや演劇などに興味を持っていて、高校も演劇コースのあるところに進学をするそうです。

 そんなふうに、なのはなファミリーを小さい頃から知っていて、なのはなファミリーが大好きで、憧れを持ってくれているかりんちゃん、夢に向かって新たな高校生活を送ることになるかりんちゃんが、私たちにとっても希望に感じます。

 かりんちゃんの撮影会では、当日までかりんちゃんにはお楽しみで、事前にあゆちゃんが、かりんちゃんから、「好きな色」「好きな映画」「好きな曲」などをインタビューしてくれていて、それをもとに、衣装の準備をしました。
 あゆちゃんが、
「かりんちゃんに電話したとき、好きな映画を聞いたら、迷った末に『ドラえもん!』と言っていて、かりんちゃんらしくて笑っちゃったよ」
 と話していたのですが、なのはなファミリーのみんなとなら、『ドラえもん』も夢じゃないかも。

 撮影会のある前日から、体育館をみんなで飾り付けました。
 天井にピンクと白のハニカムボールを吊して、三種類の撮影背景を吊り、体育館の中心には、かりんちゃんが二歳のとき、お父さん監督でなのはなのみんながかりんちゃんをモデルに撮影したというときの写真を飾り、その空間はとても華やかで、癒やされます。

 かりんちゃんが二歳のときの写真を見ると、本当に天使のような笑顔を浮かべていて、とても可愛らしかったし、今も当時に比べると、背もぐんぐんと伸びて、顔も大人っぽくなっているけれど、かりんちゃんが満面の笑みで笑う姿は、二歳の時の天使の笑顔そのもので、そんなかりんちゃんが可愛いです。

 

 

 あゆちゃんやまえちゃんたちが選んでくれた衣装は、どれもかりんちゃんに似合っていて、白いドレスにティアラをつけたかりんちゃんや、黒いドレスに黒の手袋をはめて、上品な笑顔を浮かべているかりんちゃんは、かりんちゃんの好きなオードリー・ヘップバーンのようで、とても綺麗でした。
 かりんちゃんはみんなに囲まれて、時に恥ずかしそうな笑顔を浮かべながらも、写真を撮るときはその役を演じて表情を作ってくれていました。

 そのあとは、子供組のみんなとの撮影で、ちゃっかり私も子供組として、かりんちゃんと一緒に写真を撮ってもらいました。

 まずは、私たち子供組が手作りをした、ティーリーフスカートをはいて、まえちゃんカメラマンで『なのはな葉っぱ隊』の撮影。

■次々に変身!

 

 白い背景に、緑の葉っぱの衣装を身に纏い、子供組でギューッとなって撮影している間は、とても楽しかったし、幸せな気持ちをお裾分けしてもらいました。
 五人で段々になって顔を出してみたり、ギュウギュウにくっついて撮影したり、みんなで大きなハートを作ったり、半円になって座ってみたり、その時間がとても嬉しかったです。
 みんなも「かわいい〜」「とっても華やかだね」「CDアルバムのジャケット写真みたい」と言いながらライトを当ててくれたり、応援したりしてくれて、その空間がとても温かかったし、子供組からも、かりんちゃんのお祝いができたようで嬉しくなりました。

 また、撮影会では、後に予定している『グレイテストショー』のダンスお披露目に向けて、みんなも色々な衣装を着ていたため、カラフルな衣装を着たみんながかりんちゃんを囲んで撮影している様子も、目にも心にもカラフルでした。

 かりんちゃんが、去年のウィンターコンサートで一緒に『シヴァーズ』を踊ったときに着ていた、ピンク色の衣装を着て、その周りを水色のちょっと不思議な衣装を着たみつきちゃんや、モコモコのゆりかちゃんなど少し特徴のあるカラフルな衣装を着たみんなが囲んでいて、とても面白かったです。

 そのあとは、あゆちゃんカメラマンのブースに移り、星空が描かれたスクリーンを背景に撮影会がありました。かりんちゃんが青と緑色のドレスを着てポーズをとる姿はとても美しくて、空から舞い降りてきた女神様のようでした。
 本当にどの衣装を着ても、どの角度から見てもかりんちゃんが綺麗で、可愛くて、上品でもあり、十五歳らしくて、その場にいるだけで気持ちが上がっていきます。

 


 

 その後も、『ザ・シード』の赤いドレスを着ての撮影があり、途中からはお父さんカメラマンで撮影会が進みました。
 お父さんの提案で、あゆちゃんと私で、かりんちゃんのドレスのスカートを左右から持ち上げて、パッと離した瞬間に、お父さんがシャッターを切っての撮影。
 こんな風に動きをつけることができるんだなと驚いたし、目にピントがあって、スカートがふわっとなっている写真はとても躍動感があり、見とれてしまいました。

 また、かりんちゃんが『ザ・シード』のときに踊っていたコンテンポラリーダンスを踊りながら、それを撮影すると言うこともあり、かりんちゃんの踊るダイナミックで伸びやかなダンスがとても華やかで、どんな写真が撮れているのか、ワクワクしました。

 

 

 そして、最後はまたもや子供組も入っての、お遊び撮影。
 そう、『ドラえもん』です。

■ドラえもんがやって来た

 

 私は衣装部ということもあり、朝にまえちゃんと『ドラえもん』の衣装考案をしたのですが、どうしたら、『ドラえもん』を再現できるのか、とても迷いました。
 でも、なのはなファミリーには何百と衣装があります。その中で、ドラえもんと言えば、やっぱり、あのメタリック全身タイツ衣装。

 この青の全身衣装に、青のふんわりとしたズボンをはいて、両手に白の手袋、両足に白の靴下。赤い花をつけて、金の鈴をつけて、お腹にポケットを模して白の水泳帽を着けたらもう、ドラえもん。

 かりんちゃんがドラえもんの衣装を着ている姿は、とてもキュートだったし、他のメンバーものび太君がももかちゃん、スネ夫がりなちゃん、ジャイアンがちさちゃん、しずかちゃんが私と、思った以上に『ドラえもん』らしい衣装考案ができました。

 もちろん、ももかちゃんにはメガネをかけてもらい、りなちゃんの前髪をワックスで横にし、ちさちゃんのお腹にはフリースを詰め込んで、私も髪を左右に結びました。
 そうすると、本当にドラえもんの世界みたいで、私たちも顔を合わせる度に笑い、みんなにも「似合ってるねー」と笑ってもらいました。

 

 

 『ドラえもん』の会では、体育館の中心にドアを持ってきて、それを囲んで撮影したり、「これって、ドラえもん?」というような表情をして撮影したり、びっくりした顔や、嬉しそうな顔、それぞれのキャラクターに合わせた表情などで撮影をしました。

 私もよもや、人生でしずかちゃんになれる日が来るなんて思っていなかったのですが、撮影をしていてもすごく盛り上がったし、私もドラえもんが好きだったので、かりんちゃんと子供組とドラえもんの世界ができて楽しかったです。

 午前中で、何着も衣装を着替えて、髪型をセットして、撮影をしていたかりんちゃんは、とても大変だったと思うのですが、ずっと笑顔で、楽しそうにいてくれるかりんちゃんが優しいなと思いました。
 かりんちゃんの進学祝いの撮影会では、十五歳のかりんちゃんの可愛らしさや、美しさをたくさん、写真に撮ることができたり、私たちもそばで感じることができてとても嬉しかったです。

 

 

 これから高校生活を送るかりんちゃん。小さい頃からなのはなファミリーを見てきて、みんなとコンサートをすることが夢だったかりんちゃんと昨年、一緒に『シヴァーズ』『ザ・シード』を踊ることができて、こうして春休みに、なのはなに遊びに来てくれることが嬉しいなと思います。

 かりんちゃんがなのはなに帰ってくる度に、「帰りました」と変わらない笑顔を向けてくれて、
「何だか、田んぼとか山とか、安心する。なのはなに帰ってきた、って感じがする」
 と言ってくれるかりんちゃんが嬉しくて、かりんちゃんと家族でいられることが嬉しいです。

 

■ザ・グレイテストショー

 そして、そんなかりんちゃんの撮影会の最後には、今のメンバーで踊る『ザ・グレイテストショー』の初披露を見てもらいました。
 この曲は、以前上演したウィンターコンサートのオープニングだった曲なのですが、お母さんの、「もう一度、グレイテストショーをみたい」という提案で、今のメンバーで、新しい構成で『グレイテストショー』を踊ることになりました。
 練習が始まったのは二月に入ってからだったのですが、ミーティングの合間や夜の時間を使って練習をしてきました。
 色鮮やかな衣装に、クルクルと替わるフォーメーションは、まさにサーカスの舞台のようで、踊っていても気持ちが外向きになるし、みんなで一つのショーを作りあげているという感覚が、ミーティングを経た今の気持ちにピッタリでした。

 一人ひとりが大切な役割を担っていて、誰一人として欠けてはいけない存在で、みんなでお互い様で力を合わせ、助け合ったら、不可能なことなんて何もないと思えるような、この曲が私は大好きです。

 

 

 まだ完成度も途中段階でもあったのですが、かりんちゃんに、今のメンバーで、今の私たちが精一杯で踊る『グレイテストショー』を見てもらえたことが嬉しかったし、すべて踊り終えたとき、かりんちゃんが大きな拍手をして喜んでくれている姿が見えて、心の底から嬉しい気持ちが私たちを満たしてくれました。
 かりんちゃんの進学祝いで開かれたなのはな写真館も、『グレイテストショー』のお披露目も、撮られる側も撮る側も嬉しく、見ている側も見られている側も嬉しくて、その空間を、明るく希望のある空気が満たしてくれていることを感じました。

 改めて、かりんちゃんが目指していた高校に無事、入学できることになったのが嬉しいです。また、いつでもなのはなに遊びに帰ってきてほしいし、これから、かりんちゃんにとって、充実した楽しい高校生活が送れることを、なのはなのみんなで願っています。