
4月24日のなのはな
古畑ハウスの苗床ですくすく育ったサツマイモの苗が、畑へ旅立つ時が来ました。朝食前から何人もの子たちが苗のカットを進めてくれていました。今年のサツマイモは、苗床づくりが大成功、木枠の中に、葉が大きくて、ツヤツヤしたサツマイモのツルが、ぐんぐん伸びています。それを、茎が12センチの長さになるようカットしていきます。
サツマイモが植わるのは川向う畑。昨日、大人数のみんなが畝を立てて、マルチを張ってくれました。風が強かったにも関わらず、マルチがかまぼこ型の畝にフィットして、剥がれているところが一つもなくて、とても綺麗でした。
まず、みんなで植え付ける前に、一穴につき、草木灰を片手二掴みずつ、苗が植わる場所の両サイドに置いていきました。草木灰は、カリやリン酸、色々な栄養が含まれています。一つの苗が、たっぷりと草木灰が吸えるようにたくさん入れました。活着した後に、サツマイモが草木灰の栄養を蓄えられたらいいなあと思いました。
ゆりかちゃんやるりこちゃんが、苗床のサツマイモから、採れるだけたくさん、苗をカットして持ってきてくれました。苗がいっぱいに入った大きなたらいが、畑にいくつもあって、本当にたくさんの苗の数でした。それを、みつきちゃんがどんどん穴の上に苗を置いてくれて、みつきちゃんを追いかけて、みんなで定植に入りました。
サツマイモの定植は、他の野菜と少し違います。苗を土に植えるというのは同じなのですが、手で植穴を掘るのではなく、篠竹で掘ります。
篠竹を、マルチの穴にぐっと力を入れて刺し、篠竹を抜いた後の、細長い穴にサツマイモの苗をシュルっと入れます。
この時、篠竹を抜くと同時に、すかさずサツマイモの苗を刺すことが大切です。すると、穴が塞がる隙がなく、気持ちが良いぐらい、スルスルと苗が穴に入っていきました。手で掘ったら、埋められる深さに限界があるけれど、篠竹を刺して、その穴を植穴にする方法は、手で掘るよりも深く植えることが出来るし、とても軽い力で植えることが出来ます。画期的な方法でした。
川向う畑の土がフカフカしていて、篠竹を刺すと、どんどん深いところまで刺さっていきました。右手で篠竹を持って、左手で苗を持って、右手と左手を交互に差し替えるだけで、植え付けが完了しました。一株植えるのに、3秒かかるかかからないほどのスピードです。とても植え付けが速いし、こんなに楽しい定植はありません。
苗を刺した後は、ひとりでに穴が埋まりました。田んぼの手植えで、チョンと苗を土に刺したら、自然と定着するような感覚でした。
あんなにたくさんあったサツマイモの苗も、みんなとスピーディに、あっという間に定植をすることが出来ました。夢中になって植え付けていると、畑の面積の半分以上、サツマイモが植わっていました。
定植が完了して、みんなとジョーロで水やりし、草敷きをしました。草敷きは、葉が黒マルチに当たって焼けないようにする目的と、除草の目的もあります。サツマイモの苗の周りに、たっぷりと草を敷きました。
草を敷くと、少し鳥の巣のようで、真ん中にサツマイモの葉がピンと立っている光景が、とても可愛かったです。途中、みんなと草敷き選手権をして、優勝したのはももかちゃん。誰も、1畝7分ほどで草敷きをしていて、本当にあっという間でした。
最後に、今日植えたサツマイモの苗の数を計算してみると、1000株! こんなにも植えていたのか! とその数の多さにとても驚きました。サツマイモがいよいよ畑に植わって、これからの成長過程がとても楽しみだし、今年は早い時期にサツマイモが収穫できそうだなあと思って、豊作になってくれたら嬉しいなあと思いました。みんなで、サツマイモの定植を進められてとても嬉しかったです。
(りな)
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竹取物語、2023年。はじまり、はじまり!
今週、支柱用の竹取り作業があるということを小耳に挟んでいた私。よしみちゃんや、さきちゃんが事前に段取りを考えてくれていたり、ナスやピーマン、ゴーヤ、キュウリなどで使う必要な竹の数を整理してくれていたのを、目にしていた私。
(うわ、いいな。私も行きたいな……)
心の中でずっとそう思っていたのですが、今日の朝の作業発表時、私の願いは見事に叶いました。
やったー! 今日は、永禮さんとも一緒に竹取りが出来るぞ!
というわけで、竹取物語、午前の部。
午前はひたすらに、河原大の畑の隣にある竹林の竹を切るという半日。切ってくださるのは、永禮さんです。
永禮さんのチェーンソー捌きは、本当にすごいです。
「永禮さん、10分間で45本の竹を切られてますよ!」
よしみちゃんがこっそり数えてくれていました。
竹林は、切り拓いていくと、だんだん斜面になっていくのですが、この傾斜は私の見たかぎり、70度ほど。ほとんど崖と言える斜面にそびえたつ竹たちを、このスピードで切っていく永禮さん。とてつもなく、かっこ良いです。
永禮さんの手元をしてくれていたのは、ちさちゃん。
「竹、倒れまぁーーーす!」
長いもので15メートルほどはある、長い竹たち。永禮さんのスピードに合わせて竹を支え、倒すときにみんなに声をかけてくれました。かっこいい……。
崖で竹を待ち構えているのは、まちちゃんとよしみちゃん。倒れてくる竹を見事な運動神経でキャッチし、崖の上まで引っ張り上げてくれます。二人の腕力、そして、身体の使い方は、素晴らしいとしかいいようがありません。竹は上部でツタが絡んでいたりすることもあるのですが、見事に振り切ったり、素早くのこぎりでカットしたりして、竹を上の畑まで引き上げてくれます。
畑の上にたどり着いた竹たちを引っ張ってくれるのは、りんねちゃんです。彼女もとっても力持ち。重たい竹をぐいぐい引っ張って、河原大の畑に並べてくれました。
そして、午前中の竹の先端カットは、さきちゃん。次々と運ばれてくる竹を、ノコギリを使って、これもまたすごいスピードで、先端部分をカットし続けてくれました。
なのはな竹取物語のかぐや姫たちは、どこまでも強くて美しいのでした。
続きまして、竹取物語、午後の部です。
午後からは、伐採した約450本の竹たちの先端カットと、枝払いをひたすらに進めました。
先端のカットは、永禮さんと私が担当させて頂きました。午前は竹をひたすらに運んでいた私。永禮さんのチェーンソー捌きを間近で見させていただくことができました!
「永禮さん、豆腐を切ってるみたいに竹をカットしてくれるんだよ!」
「永禮さんのチェーンソーは、刺身包丁みたいだよ!」
まちちゃんや、よしみちゃんからそう聞いていたのですが、噂通りの切れ味。ほんの2秒で竹をカットしてくださいます。私はそのそばで竹を支えたり、カットの終わった竹を移動させたりしていたのですが、永禮さんがチェーンソーを自分の身体の一部のように扱われている姿、鮮やかに竹が切られて行く瞬間は、何度見ても飽きませんでした。なんとも贅沢な時間でした。
そのとき、他のメンバーは夢中で枝払いをしてくれていました。なのはなでは、竹を枝払いするのにとっておきのアイテムを使います。それは、鉄筋。直径1センチほど、長さ1メートル前後の棒なのですが、これを枝分かれした竹の付け根に、勢いよく当てると、一発で枝が切れるのです。これがなんとも快感で、なのはなの人気作業の一つなのです。
みんなが綺麗に枝払いしてくれた青竹が畑にたくさん並びだした頃、同時に竹の運搬も進めました。永禮さんのダンプに次々と竹を載せていきます。落ち葉集めや、籾殻、牡蠣殻の運搬など、なのはなの畑作業に、永禮さんと、永禮さんの運転してくださるダンプは欠かせないものとなっています。永禮さん、本当に、いつもありがとうございます。
そしてそして、竹取物語、夕方の部!(17時終了目標の作業が、少し長引いてしまったのは内緒です)
午後16時ごろ、450本の竹を、6人で捌くことに限界を感じた私たち。すぐそばの河原上でレタスの作業をしていたみんなの力も借りて、大人数で一斉に枝払いを進めました。
ピンチの時にはいつだって、仲間がたくさん駆けつけてくれます。
夕食前の当番に余裕がある子たちは、夕食ギリギリまで手伝ってくれて、畑に残った竹をほぼすべて枝払いしてくれました。
永禮さんと、よしみちゃんと私は、残った竹の運搬、さきちゃんとちさちゃんは、枝払いし終わった笹の処理までを頑張りました。
今日、採った竹を古吉野なのはなまで運搬したのは5往復。19時過ぎまでずっと永禮さんは、笑顔でダンプを運転してくださいました。
「みんなと長く一緒にいられて嬉しいんじゃ」
「僕も、みんなと家族じゃからな! 運命共同体ですよ!」
予定していた時間を過ぎてしまったにも関わらず、運転中も、ずっと、ずっと嬉しい言葉を掛けてくださって、私は、胸がいっぱいになりました。
18時半以降は古吉野の竹置き場に、たくさんのみんなが集まってきてくれていて、ダンプから竹を降ろすのを手伝ってくれました。
5往復目に河原に竹を取りに行くときは、あけみちゃんやまよちゃん、まちちゃん、どれみちゃんが気づけば畑まできてくれていて、一緒にダンプに竹を載せてくれました。
遅くなってしまった夕食も、気づけばあけみちゃんが全部温め直してくれていて、今日も、私は、こんなにも当たり前に助けてもらっていました。
私は、神様に囲まれた生活をしているのかもしれない。その神様たちと、私は家族なのです。
言葉にならないくらいの感謝と、尊さを改めて感じます。こんな気持ちを感じる毎日が来るなんて、なのはなに来る前までは想像もできませんでした。
竹取物語はまだまだ続きますが、夏野菜の支柱の準備をみんなで頑張っていきます。
素晴らしい夏になりますように。
(せいこ)
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