「『僕は勉強ができない(山田詠美)』を読んで」 さくら

4月15日

 主人公の時田秀美君は、勉強ができないけれど、学歴社会の中でも、そういうことに気を取られず、それよりも大切なことを知ろうとしていました。
 小学5年生の頃と、高校生の大学受験前の時期の話でした。

 時田秀美君は、母と祖母と暮らしていて、家に帰ると、自分がその日の出来事で感じたことを、私だったら恥ずかしいとかっこつける気持ちの方が多くなって隠してしまいそうなことも、オープンに全て話していました。母と祖母は秀美君の立場になって、気持ちを分かってくれて、自分の経験から、話をしてくれたり、甘えているところは厳しく甘えていると教えてくれています。母があばずれで、そのことで父親がいないですが、父親がいないことを「かわいそう」「父親がいないからそんななんだ」と言われて不幸にされることが、秀美君は嫌で、小さな幸せを大切にしています。

 印象に残ったところは、秀美君が祖父に泣いて相談したときの答えで、
 祖父「おまえは赤間さんって子のプライドを粉々にしちゃったんだなあ。誰もがその子に同情してた。でも、おまえはそれに気が付かなかった。それで、その子の気持ちがどれだけ救われていたことか。そして、ほかの子たちが、お前にそれを教えないでいたことで、どれだけ赤間さんを助けていたことか。でも、自分で気づいちゃったんだなあ」
 秀美君「でも、そんなつもりじゃなかったんだよ。赤間さんのプライドをつぶそうなんて、思いもよらなかったんだよ」
 祖父「そんなつもりじゃないのが一番悪い。
 悪意を持つのは、その悪意を自覚したからだ。それは自覚して、失くすこともできる。けどね、そんなつもりでなくやってしまうのは、鈍感だということだよ。賢くなかったな、今回は。おじいちゃんの言ってること解るか」
 というところでした。

「そんなつもりじゃなかった」ことをしてしまったとき、「知らなかった」ということも、そこに甘えていたらいけなくて、謙虚に素直にありたいと思いました。

 秀美君は、媚びとか作為がとても嫌いで、読んでいると、その動作によるその人の内側の下心というのがありありと書かれていて、自分もそういうところあるなと思いました。

 1日、自動車学校に行かせてもらいました。
 私はクラッチから足を離していって発進するところが上手くできなくて、何回かエンストしたのですが、それはクラッチが繋がったと思ったらすぐに足を離してしまうことと、アクセルが弱いためでした。クラッチはなめらかに発進するためだと教えていただき、何回か練習するうちに、クラッチを離すときのすぐ離さないで耐えて耐えてから離すというのが身体に入ってきて良かったです。アクセルを上げずにいきなり「いけー!」と言ったのでは寝起きの人には重たくてエンストしてしまうのだと思いました。
 明日はコースを覚えて、無線での実車になります。

 今日も1日、ありがとうございました。