6月10日(月)「シャインマスカットとオーロラブラックの手入れ & タマネギ、ニンニク、貯蔵完了!」

6月10日のなのはな

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 ブドウの花、今まで見たことがなかった。
 うーん。ちょっと、分かりにくい。

 古畑のシャインマスカット1本と、池上ブドウ畑のオーロラブラック4本。花が房ごとに満開になりはじめ、1回目のジベレリン処理を行いました。
 ブドウの担当を引き継がせてもらい、初めてのブドウの手入れでした。

 ジベレリン処理は、ジベレリンとフルメット液剤というホルモン剤を用います。ジベレリンは果実の種を抜く効果、フルメット液剤は着粒を促進する効果があります。
 1回目の適期は、房が満開になってから3日後まで。それも、湿度のある条件で処理し、液がゆっくりと乾くようにする必要があります。

 

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 限られた期間と、条件。うまく噛み合わせなければ、ホルモン剤の効果が得られず、いいブドウの房ができない。ジベレリン処理は、とても繊細な作業で、前日から緊張していました。
 今回、さとみちゃんとるりこちゃんと、3人で作業をしました。天気は、雨上がりで雲がまだ残っている空。そこそこ湿度があって、良い条件だったのではないかと思います。

 シャインマスカットは、水200ミリリットルに対し、ジベレリン5ミリグラムとフルメット液剤1ミリリットル。量ってみて、ミリグラム、という単位を今まで使ってこなかったことに気づきました。そこまで細かく量れる量りがなかったため、味噌の糀菌を分けるときのように、目分量で50ミリグラムを10等分して、5ミリグラムにしました。
 こんなに僅かなホルモン剤が、後のブドウの生育に大きく影響を及ぼすということが、不思議です。

 

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 透明のプラスチックコップに液を入れて、先端まで満開になっている房を、液に浸していきました。
 ブドウの花は、咲いたかどうか、よくよく見なければ分かりません。蕾の状態から、覆いが浮いて、しべが現れた状態。これが開花時の状態です。蕾の覆いが取れると、小さな果実の赤ちゃんが見えます。
 でも、そのすべてが黄緑。目を凝らして、房の全体の花が咲いているかを見て、判断していきました。

 液に浸けた房は、軽く余分な液を指でトントンと落とし、1回目が終わった印として、前回の花穂成形で房の上部に残しておいた花穂を、切り落としました。
 古畑のシャインマスカットは1本で、今のところ、約100房がついています。まだ満開になっていない房もある中、満開になっている房を見落とさないように、3人でチェックしました。今回は、全体の半分強の房を処理することができました。

 

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 古畑を終えて、次は池上ブドウ畑のオーロラブラックへ。オーロラブラックは、通常2回行うジベレリン処理を、1発処理、という1回のみで行うことが望ましいとされています。
 1発処理の場合、フルメット液剤の割合が、4倍になります。今まさに、これを書いているところ、間違いに気づきました。4倍にするところを、2倍にしてしまったことに。せっかく、1回で終えられたはずが……。
 けれど、今回処理できたのは、オーロラブラックは全体の3分の1ほど。まだ3分の2は残っています。3分の1は2回目の処理を行うことにして、めげずに次は、しっかり1発の倍率で行おうと思います。

 オーロラブラック、4本の房を数えてみると、坂の上から13房、20房、25房、45房、合わせて103房。見事に下へ行くほど、樹勢が強く、房も充実しています。坂の下には、水分、養分が集まってくることが目に見えて感じられました。

 

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 まだ、蕾が残っている房も多かったため、1回目のジベレリン処理を、また2、3日後に行う予定です。そして、処理2回目の前には果房成形。満開10日~15日後の期間に、穂軸長を調整する作業があります。
 限られた期間に繊細な手入れを重ねることで、ブドウの実ができていくことを、実際に行いながら初めて理解していきます。今まで、ブドウを食べるとき、こんなにも人の手がかかっているとは思っていませんでした。
 ブドウに限らずですが、立派な果実を実らせることは、本当に難しいことだと思いました。それだけに、極めて行く面白さも奥深いのだと思います。

 初めてのジベレリン処理で、慣れていないながらも、さとみちゃんやるりこちゃんが、傍で一緒に確認してくれたり、計算も助けてくれたりして、(私の勘違いで結局間違ってしまったけれど……)なんとか無事に(?)作業を終えることができました。
 また、房の状態、天候などを考えながら、なるべくいいタイミングで、いいブドウの房作りに繋がる手入れができるようにしていきたいです。

(りんね)

 

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 タマネギとニンニクの収穫作業も、ひと段落! 今日は、先日回収したタマネギとニンニクの貯蔵作業がありました。 

 まず初めに、ニンニク収納チーム、タマネギを収納する時に使用する新聞紙をコンテナにセットしていくチーム、収納分とは別に、台所で使いやすい形にタマネギを詰めるチーム、先行してタマネギを貯蔵できる状態にするチーム、とチーム分けが行われました。

 

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 ニンニク約30コンテナ、タマネギ96コンテナ分の作業なだけあり、分担も盛りだくさんでした。
 私は、台所で近々のうちに使うタマネギを貯蔵するチームに入らせてもらいました。根は切らず、タマネギ同士が直接当たらないよう新聞紙を敷いて、20コンテナ分のタマネギを詰めていく作業でした。根を切らないため、する事はただタマネギを詰めていくだけという単純作業。なるべくコンパクトにできるよう、隙間なく詰めていく事を意識して行いました。

 大まかに詰めていくと、最後のほうには微妙に小さな隙間が。この隙間に入るタマネギはないかと素早く見つけて入れていくのが、まるでパズルをしているようで楽しかったです。1コンテナあたり、大体2段タマネギを重ねる事ができたのですが2段だけでも重く、タマネギの立派さを感じる事ができて嬉しかったです。

 また、保存の時にタマネギが傷まないよう、窮屈に入れすぎないよう、注意して行う事ができてよかったなと思いました。本当にたくさんのタマネギを美味しい料理でいただけるのがとても楽しみになりました。

 

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 3人で20コンテナ分だったため、すぐに詰め終わり、一番、量が多く、時間がかかる貯蔵用のタマネギを詰めていくチームに合流しました。作業会場に行くと机の上にコンテナが並べられておりスムーズにできるように作られていました。無駄な移動がなく、流れるように作業が進んで本当に作業がしやすかったです。

 ニンニクの保存チームは2人のみで、さらに茎を5センチ残して切る過程があったため大変だったと思うのですが、ニンニクチームも早くに終わって合流してくれました。たくさんのコンテナを2人だけで早い時間のうちに終わらせてくれたことが本当に凄くて、ありがたかったです。

 

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 貯蔵用のタマネギはただ詰めるだけではなく、根を手で取る過程もありました。片手でタマネギを持って、根をひねるように力をこめて引っ張ると一度で根を取る事ができて、早かったです。根を取るのが本当に楽しくて、休憩も惜しくなってしまうほどでした。スピード感を意識していると徐々に作業が速くなっていって、楽しさが倍増するなと感じました。

 10人で一斉にすると高く積まれていたコンテナがみるみるうちに無くなっていき、みんなが一生懸命に、時間を意識しながら作業をしていることを感じられて、嬉しかったです。みんなで一団となってできる作業が本当に楽しいなと思います。

 

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 残り時間1時間を残して、大量のタマネギとニンニクの貯蔵準備が終了しました! 根などの床に落ちた物もしっかりと綺麗にして気持ちよく終わる事ができました。

 午前中で準備されたこのコンテナ達は、午後に全て山小屋まで運び、貯蔵されました。収穫から貯蔵まででも色々な過程があり、長くに渡っての作業でしたが、ついに貯蔵されました!

 みんなで一生懸命作業したタマネギやニンニクがいいように保存され、美味しい状態でいてくれる事を願っています。

(あや)