5月29日(水)「小さな野菜たちの草取りツアー & 夏に向かうイチジク」

5月29日のなのはな

 昨日までの雨が嘘のように、カラッと、清々しく晴れた1日でした。

 雨が降った。
 ということは土が柔らかくなる、ということは……
「今日は、絶好の草取り日和!」

 午後は、草取りを中心に、太ネギと人参の手入れに、みんなと回りました。
 以前から、草取りがしたい畑がある、と、みんなの声を聞いていたけれど、今日がまさにそのチャンスの日でした。

 

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 はじめに回ったのは、太ネギの苗床。
 雨上がりの、清々しく瑞々しい空気の中、みんなと歩いて行きました。
 苗床に着くと、あらら、まだ細くて小さい太ネギが、草の中にかくれんぼをしていました。
 みんなで、一斉にしゃがんで畝に取りつきました。
 太ネギを抜かないように、慎重に、周りの草を取っていきます。

 

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 黙々と集中する作業が、楽しくて、さとえちゃんが、
「みんなが草を取ってくれたところが、凄くきれいになっています」
 と声をかけてくれました。

 緑色の地面が茶色になり、太ネギも、はっきりと姿を現しました。
 30分以上、太ネギと雑草に向き合い続け、そのフィニッシュがきました。
 畝の上が、すっきりと綺麗になりました。

 そして、その綺麗になったところから、刈りたての柔らかい草を根切り虫対策用に敷き、病気の予防に消石灰をまきました。
 今の太ネギにとって、最適な手入れができて、自分たちの気持ちも、太ネギも、気持ちが良かったです。

 

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 太ネギの作業を終えて、次の畑に向かうとき、さとえちゃんが、
「みんな、集中したと思うので、周りの景色をじっくりと堪能しながら、次の畑へ向かってください」
 と穏やかな笑顔で話してくれて、そのことに、気持ちがとても和んだな、と思いました。

 次の畑は、山畑下。人参の畑です。
 そこで行う手入れは、やはり「草取り」です。

 

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 この日の人参畑で一番驚いたことは、人参の成長です。
 これまで、今季の春人参を見ることは多々あったけれど、ずっと5センチくらいの草丈で、繊細だ、3歳くらいだ、という印象だったのが、今日は、中学生くらいになっていました。
 草取りをするときも、人参を抜かないか、ひやひやしていたけれど、今日はそうではありませんでした。
 草丈も、15センチほどになっていて、地面の付近では、人参のオレンジ色が見えました。葉も、人参の葉特有の少しザラザラとした感触がありました。
 人参も大きくなったんだな、と感じ、成長を見られて嬉しかったです。

 

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 この様子だと、あっという間に大きくなって、収穫の時期が来るのかな、と楽しみになりました。
 作業終了時刻の5時になるまで、みんなと黙々と、人参の草を取っていきました。
 山畑から見える、高いところからの景色も清々しくて、人参も気持ちよさそうだな、と思いました。

 雨後の絶好の機会に、みんなと草取りを回れて、嬉しかったです。

(ほし)

 

***

 

 バナーネ、蓬莱柿、桝井ドーフィンにブラウンターキー。なのはなで育てているイチジクは、どの品種も青々とした新梢が茂ってきました。夏果を収穫できる品種は、まだ青く硬いけれど、枝先で果実が膨らんできています。
 今日は、細々としたイチジクの手入れを進めました。

 まずは、芽かき。そのままにしておくと枝が密に茂りすぎてしまうため、良い枝の生育に栄養を使い、日照や風通しを確保するために、芽かきをします。
 混みあっているところで、弱めの枝、勢いが強くなりすぎてしまいそうな内向枝や、根元から生えてきたひこばえの芽をかきました。イチジクは生命力が旺盛で、一度、芽をかいても、また新しい芽が次々に伸びてきます。そのため、伸びてくる都度、芽かきをしています。

 

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 暖かくなり、イチジクの新梢が成長する嬉しさと共に、やってくるのは天敵です。
 5月下旬から、カミキリムシの成虫がイチジク畑に姿を現すようになりました。
 カミキリムシは、枝の表面を食べる上、やっかいなことに、枝に穴を開けて卵を産み付け、その幼虫が枝の内部にトンネルを掘ってどんどん食べてしまいます。放っておくと幼虫は、どんどん根元に向かって枝の内部を食べながら、1~2年を木の中で過ごし、成虫になってしまう……。主枝をまるごと枯らしてしまうような、大きな被害に繋がります。

 幼虫の被害は、枝に開けられた穴から、木屑が出てくるサインがあります。見つけ次第、防除をしました。1か月に2回ほど、定期的に畑を見回って防除をしていると、今日は畑の全体で2か所ほどと、被害は少なくなっていました。

 成虫は、最近は見つけ次第、捕まえています。
 今日は、今年初めてゴマダラカミキリに出会いました。体長15センチほど。イチジク畑にやってくる、キボシカミキリ、ゴマダラカミキリ、クワカミキリでは、中くらいの大きさです。それでも、存在感抜群。1匹捕まえたらそれだけ、イチジクの被害も大きく防げることを感じました。

 池上三角畑で育てているバナーネの挿し木も、勢いのいいものは、15~20センチほどに芽が伸びてきました。少し前まで、葉色が薄かったのですが、今は艶やかな緑になってきています。根が上手く張ってきたのかな……と感じました。
 挿し木も草取りをして、どうか無事に元気な苗になりますように、と念を送りました。

 

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 今年は冬が寒すぎなかったため、イチジクの成木は、夏果の収穫のために切り返さなかった枝も、ほとんど枯れこみませんでした。
 そのため、この夏は、特に夏果を多く収穫できるのではないか、と予想しています。夏果は、前年枝の先端のみに実る性質があるため、本来、収量は多くはありませんが、一つひとつの実が、大きくて立派なものになります。

 夏果の収穫は7月。害獣からも守って、いい実を美味しいときに収穫できるようにしていきたいです。収穫シーズンが着々と近づいてくることに、緊張もあるけれど、粘り強く、できる手入れを行いたいと思います。

(りんね)

 

 1日を通して、桃の手入れや、畑のチームごとに分かれた担当野菜の手入れ、稲と野菜の水やり、そして代掻きの作業も行ない、夏へ向かって、それぞれの場所で作業を進めることができました。

 

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〈夜には、竹内さんに教えていただきながら、勝央金時太鼓の演奏『那岐おろし』を練習しました〉

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