「時間を忘れて」 みつき

5月19日

 待ちに待っていた、母の日の会が開催されました。
 家族みんなで、午後の半日を遊び尽くしました。小学校だったらこんなに長い休み時間もお昼休みもないだろうなと思うけれど、このときが終わるのが惜しいような、あっという間の夢の時間でした。

「ああ、一番、子供に返ったなあ」と思えたのは『ぐるぐるじゃんけん』です。
『ぐるぐるじゃんけん』は、ひと言で言うと、みんなで、ジャンケンを勝ち進みながらぐるぐる走り続ける遊び……。それだけだけれど、本当に楽しかったなあと感じました。

 イラストだったら、“ピューッ”という文字がついて、足で風が吹き回っているのではないかと思えるくらい、みんなが本気で猛ダッシュをしていました。その速さは、目の前に相手が現れたとき、ぶつかりそうになるくらい(実際にぶつかった!)でした。

 順番になり、自分のすぐ傍を走り去っていく味方チームの子、隣のレーンを走っている、これからぶつかるであろう相手チームの子、そして運命のじゃんけん……。見ていても、やっていても、ずっと大興奮でした。BGMもアナログで、遊び中はみんなで『RUN』を歌っていたのも、楽しかったです。

 子供のころ唯一やったことがあるのは『花いちもんめ』でした。
 でも、なのはなのみんなでの花いちもんめは、ひと味違っていました。列になってみると列が長くって、みんなで歌っているだけなのに、それだけで楽しかったです。

 花いちもんめと言えば、「○○ちゃんがほしい!」で取り合いっこをします。なのはなの特別ルールでは、尻相撲をしたり、エアギターをしたり、お母さんのものまねをして取り合ったり……。それがすごく面白かったです。わたしは惜しくも取られてしまい、敵チームのなかに混ざっていたのですが、ギュッと繋がれた手も雰囲気もあたたかくって、嬉しかったです。

「勝って嬉しい」では本当に嬉しくて、スキップするような気持ちで歌っていたし、「負けて悔しい」では、思いっきり足を上げて悔しい気持ちで歌っていました。勝っても負けても、誰もが笑っていて、楽しそうで嬉しそうでした。

 最後は『ハナミズキ』を歌うこともできました。
 やっぱり、なのはなの母の日と言えば『ハナミズキ』だなあと感じました。お母さん、お父さんが、あたたかく、わたしたち一人ひとりを見て微笑みながら聴いてくださっていたことが、本当に幸せでした。ちゃんと、わたしたちの、お父さんお母さんを好きな気持ちが、ぜんぶ伝わっている、通じ合っていることがわかって、幸せだなあと感じました。

 遊びがこんなに楽しいのは、なのはなのみんなの心のおかげです。
 これまでは、誰かが意地悪したり、誰かが傷ついたり、ルールに飽きてしまったりして、こうした遊びをそこまで楽しいと思えませんでした。けれど、なのはなでなら、誰がやっても楽しい遊びです。本当の遊びは、きっとそのはずなのだと思います。みんなで同じように声を出して、動いて、ひとつの輪になって相談し合って、盛り上がって……。さらに、
「もっと楽しくするためにはこうしたらいいよね」
 と、どんどん工夫が生まれて、なのはなのみんなとだからできた遊びでした。

 ここにしかない昔遊びが、今日、わたしを子供に返らせてくれたと思います。
 今まで味わえなかった、もう戻れないと思っていた、楽しさがありました。時間を忘れて夢中になる感覚、声が枯れて、身体がへとへとになる感覚。けれどいつまでもやっていたい、高揚している感覚。
 その感覚はずっと忘れたくない、覚えていたいと思えました。

 わたしはお父さんお母さんの家族になれて、本当に本当に幸せな子供です。
 わたしはこれから、自分の家族や子供にも、こんなに楽しい昔遊びを伝えていくことができるのだと思うと、嬉しいです。
 お母さん、とっても楽しかったです。大好きです。