4月21日(日)「全員完走! 第31回 津山加茂郷フルマラソン全国大会への出場」

4月21日のなのはな
【津山加茂郷フルマラソン全国大会】

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 津山加茂郷フルマラソン全国大会、大成功! 今回、フルマラソンに参加したメンバー全員が、時間内でゴールしました。

 42.195キロを走っていて一番強く感じたことは、自分は自分だけの身体や気持ち、存在なのではなく、自分は大きな生き物や気持ち、エネルギーの塊の一部なのだ、ということでした。

 お正月、皆でとんど焼きをしながら、走るフォームの確認をした1月15日から始まったフルメニュー。最初は、2.5キロの梅の木コースのランニングから始まりました。短い距離でも、息が切れたり、身体が重かったけれど、毎日、毎日、皆と前にまえに足を出し、走り続けました。

 

 

『走ることに身体を慣らす』梅の木コースのランニングから、『距離の限界値を高め、自分の世界を広げる』一番のピーク、14.2キロを走るコースまで徐々に距離を伸ばしていきました。
「人生で初めてこんなに走った」そんな人も何人もいました。ピークを迎えるとその後はゆっくりとピークアウトをしていきます。
 そのように、小さなテーマとコースが11ステップあり、1つのステップが約1週間から10日間になっていました。

 

 

 最初は、道のりが長く大変に感じていたけれど、アッという間に当日を迎えていました。実際に、前日の夜になりお父さんお母さんあゆちゃん、実行委員で、実際の大会の説明や打ち合わせをしているときに、やっと実感が湧いてくるぐらいでした。

 そして、いよいよ迎えたフルマラソン当日。朝、明るくなりだし5時に起床。5時30分に皆で車に乗り込んで出発しました。お父さんお母さんの車を先頭に、会場の津山加茂郷に向かいました。会場に向かう道中、不思議と恐怖心や行き過ぎた緊張が全くなかったです。きっと、それは皆と積み重ねてきた毎日があって、(もうやるだけやってきた)という気持ちがあったのだと思います。皆と積み重ねた日々や時間、景色や空間、それだけでも愛おしく、尊いものが私の中に積み重なっていたからだと思います。

 

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 会場につき、車の中で、前日にお仕事組さんや台所さんが準備してくれた、美味しいおにぎりやパウンドケーキなどの朝食をいただきます。美味しい朝食に小腸も喜び、身体も安心して、開始時間前まで睡眠などの休憩がありました。私は車の中でぐっすりと睡眠をとることができました。こんなにも睡眠を直前にしっかりと取れたのも初めてでした。

 やはり、(自分たちはやるべきことはやってきた、あとは神様や何か人智を超えた存在や流れが自分を導いてくれる、それに沿って自分は最善を尽くすだけ)という感覚が、今回は特に強く感じられていたと思います。

 

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 大会開始が近づき、一度皆で準備体操。お父さんお母さん、あゆちゃん、皆と一緒に体操をするこの瞬間も、とっても愛おしく感じました。一人ひとりの顔をみて、力が湧くのを感じました。その後はゼッケンやランナーチップを装着して、スタートの準備に行きます。

 

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 スタート地点には、たくさんのランナーがいました。私の周りには、お父さんお母さん、あゆちゃん、一緒に走る皆、応援組の皆、たけちゃんもちーちもいました。今日は、天気も味方してくれたのか、ミストのような小雨がずっと降り続けていました。小雨の中で走るのは初めてでした。走り始めるまでは少し寒く感じたけれど、走り始めると、小雨が心地よく熱くなる体温を調節してくれているようで、とても走りやすかったです。

 

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〈開会式の様子です。第31回となるこの大会には、28県から1268名のランナーが集いました〉

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〈この日は霧雨が降り、気温17.1度、風速0メートルと、気候もマラソンに味方をしてくれていました〉

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 「パン!」スタートの合図があり、少しずつ人が前に前に押し出されていきます。応援組の皆と手を振りながら会場を出発していきました。いよいよ、スタートです。これからどんな出会いがあるのか、出来事があるのか、不安もあるけれど、楽しみな気持ちもありました。

 

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 最初の10キロ、商店街がある場所では皆さんが笑顔で旗を振り応援をしてくださいました。手をふりながら笑顔で(行ってきます!)というと、更に笑顔で手を振り返してくれます。「なのはなさんだね。頑張れよ!」そう応援してくださる人も何人もいてくださいました。「あけみちゃーん!!」どこでも、なのはなの応援の皆がいてくれて、大きな声で遠くから手を振り応援してくれました。「かりんとういる?」「飴は?」応援する気持ち、エネルギー源が、ずっとずっと力になって足を前に出すことが出来ました。

 

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 最初の10キロを過ぎ、山を登る坂道が多くなる地点になります。でも、決してつらく感じませんでした。石生1周の坂を皆で走ってきたからか、坂が坂に感じませんでした。足がきつく感じるか、と思ったときに後ろから「あけみちゃーん」と車から手を振りながら応援組の皆がかわるがわる、声をかけてくれて、気持ちが切れることがなかったです。一緒に走る皆の姿も、心強かったです。

 

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 私は、前半は特に慎重にペースを取っていました。時速8キロ弱のペースで走り続け、トイレ休憩や水分補給なども行きたいに行く、取りたいときに取るというスタンスで、脚や身体が無理のないようにと気をつけていました。折り返し地点では、時速約7.5キロ程度の時間だったと思います。

 

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 折り返し地点に向かう道では、折り返し地点を過ぎた皆が笑顔で手を振ってくれます。すれ違う時に皆でハイタッチをしていきました。練習の過程で、故障したり、実際に走りきることに不安を感じていたメンバーの姿もありました。皆笑顔で、とても、とても嬉しかったです。

 

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 折り返し地点を過ぎてからは、坂を下るコースになります。速度を出しすぎて足に負担がないように気をつけながらも、ペースが少しずつ上げられるように感じました。前半よりはペースを少しだけあげて走りました。しかし、最後の10キロまでは謙虚にペースを抑えて走りました。

 

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 走る両サイドに、高く山々があり、細かく小雨がふり、水蒸気のような白い薄い雲が低く山の緑に線を引いていました。山の高いところでは、まだ八重の桜などが残っていました。若い緑が美しかったです。その空間や空気がとてもきれいでした。

 その中で、多くの人の流れの中で淡々と走っていると、自分が自分ではなく、何かの大きな生き物の、大きな自然の、大きな流れの、一部として存在しているのだと感じました。その中で、コツコツと自分のベストを尽くしながら、流れのなか、流れをつくる一部として、生きているのだと感じました。

 そう思ったとき、身体が不思議とリラックスしていくことを感じました。

 

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 折り返しを超え、残り15キロ弱ぐらいだったときだと思います。足が疲れを出してきたときだったけれど、それを感じたとき、何も怖くないと思いました。きっと大丈夫だと、感じました。それは、本当に自分から離れたときの感覚だったのだのかもしれないと思いました。

 

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 残り10キロ地点。少しエネルギー切れを感じていたとき、民家が増え応援の声が増えていきました。行きの道で応援してくださった方が、「おかえりなさい。偉いね。頑張れ!」とまた、笑顔で旗を振り応援してくださいました。お好み焼きや色々なおもてなし、おにぎりをおばあさんが渡してくださったり、いろいろな形で応援してくださいました。
 永禮さんも『なのはなファミリー』という看板を持ちながら笑顔で応援してくださっていました。

 笑顔やエネルギー源をたくさんいただくと、身体にも気持ちにも力が湧くことをハッキリと感じました。

 

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 走っていて、強く感じたのは、人の“気持ち”でこんなにも身体が変わったり、強くなったり、動いたりするものなのだということを今回、改めて強く強く感じました。
 “自分”という身体も、存在も、ある意味入れ物で、たくさんの人の気持ちや思い、自然、食べ物、身体の物質などで作られている集合体のようなものなのだと気づかされました。

 だからこそ、私たちは利他心でしか生きられないのだとも思いました。
 笑顔をもらえば、笑顔になり、笑顔になれば、相手も笑顔になる。そんな風に、相手への善かれの気持ちやつながりは、身体にも気持ちにもプラスのエネルギーになりました。

 自分の身体や自分の存在自体も、頭ですべてをコントロールしたり、間違った利己心で動かそうとしたら反発が起こったり、物事もうまく流れないことも、なんとなく納得ができました。

 

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 最後の5キロ地点。橋を渡り、スタートとフィニッシュ地点になっている総合グランドに向かうまっすぐの道になります。不思議と足が軽く感じました。飛ぶように走れる気がしました。

 摂食障害になり、閉鎖病棟で鍵のかかった個室に入れられ、24時間監視カメラで監視され、ベットから頭を起こしただけで、身体につけられたコードが音を出し、半径1メートルでさえ自由に動けなかったこともありました。症状がきつく、毎日が同じ繰り返しで、色がなく感情がなく、すべてが灰色で、生きているのか死んでいるのかも自分でもわからなかった日々がありました。そんな、私が今、お父さんお母さん、なのはなに出会い、こうやってフルマラソンを走っています。

 

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 走るといっても、自分のためだけのランニングではなく、自分たちが走ることでまだ見ぬ誰かの希望に、少し前の自分と同じように苦しんでいる人の力になるために、走ることができます。そして、同じ方向をみて同じように走る仲間がいます。仲間と一緒に自分たちの傷、痛みをまだ見ぬだれかの力や光に変えていける、表現できる場所、チャンス、手段が私たちにはたくさんあります。

 そういう色々なこと、運や縁に感謝する気持ち、(最後の最後まで自分の全部を、笑顔で、まだ見ぬ誰か、仲間のために出し尽くしたい。そうじゃなきゃ嫌だ)(どうか、今の自分の走るという表現が、まだ見ぬ誰かの力に少しでもいいからつながってほしい)という気持ちでいっぱいになりました。

 

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 最後の5キロ、祈る気持ちを持ちながら自分のすべてを出し切る気持ちでペースを上げ走りました。足が不思議と軽かったです。

 残り1キロ。グラウンドが見えてきます。ももかちゃんが小さな身体で、大きく「あけみちゃーん」と手を大きく振り応援してくれるのが見えました。すぐ近くになっちゃんがいてくれて、応援してくれていました。「よかったー。来ないかと思ったよ!」お母さんがグランドの入口でハイタッチをしてくれました。

 

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(出し切ります!!)と言いながら、最後のグラウンドの1周半は、猛ダッシュで走り切りました。知っているとか、知っていないとか関係なく、グランドに入ると、地域の方、関係者の方、なのはなの皆、皆さんが手を叩いて笑顔で応援してくださいました。最後、全部を出し切るように、ゴールテープに一直線に走り切りました。ゴールの向こうには、カメラを構えたお父さんがいました。嬉しかったです。

 

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 その後も、次々となのはなの皆がゴールテープを切っていきました。皆が作ってくれた特製のお弁当を食べていると、制限時間をきる前に、最後のなのはなランナーがグラウンドに到着。皆で声を出して応援します。

 

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 走る皆の姿を見ていると、涙が出てきました。皆が祈るように、最後の最後まであきらめず自分のベストを尽くし、足を前に出し続けるその姿が、尊く、美しくかったです。ゴールテープを切るのを皆で見届けました。あゆちゃんが、「全員、帰ってきたね」「全員、時間内にゴールしたよ」と教えてくれました。なのはなでも、参加した全員が時間内にゴールしたのは初めてだそうです。
 何か人智を超えた存在に守られながら、導かれるように、皆もそのことを感じながら走っていたように感じます。

 

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〈走り終えたあとに、手製のお花見弁当を頂きました〉

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 これは、私達の大成功体験でもあり、これからのまだ見ぬ誰かの大きな力にも繋がっていると思います。
 今、同じように苦しんでいるまだ見ぬ誰か、まだ見ぬあなたの、力にどうか繋がりますように。
 そして、フルマラソンは終わっても、私たちの人生は続きます。倶に走る仲間と一緒に、また新しい道を切り拓く、日々を積み重ねたいです。

(あけみ)

 

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