「ふたつの喜び」 みつき

4月16日

●たとえどこに居たとしても

 いつもと変わらない日常がありました。
 朝、東京組のみんなと再会することができて、「おかえりなさい」「帰りました」と、声をかけ合いました。どの子も、さわやかな笑顔を向けてくれました。
 昨晩も遅い時間に帰ってきたと聞きましたが、わたしは全く気がつかないまま朝を迎えていました。きっと疲れているだろうに、それを1ミリも感じさせないこと、最後まで気を遣って、無事に笑顔で帰ってきてくれたこと、東京組のみんなが本当に格好良いです。
「ずいぶんと会っていない時間が続いている気がする」と感じていたし、帰ってくる日が待ち遠しくてたまらなかったのに、いざ顔を合わせると、「ああ、何も変わっていない」と感じているのでした。スッと、これまでの毎日が戻って来たようでした。

 食事の席で、「古吉野のみんなの日記を読んでいたよ」「今、たこ焼きを作っているのかな、肥料入れをしているのかな、ってずっと考えていた」と話してくれていて、本当に嬉しかったです。こうやってまた何事もなかったように、安心して時を重ねることができるのは、古吉野と東京、距離が離れていてもずっと同じ気持ちで繋がっていたからなんだなあ、と感じました。本当にお互いがお互いに良い報告をできて、良い3日間を過ごせるようにしよう、と同じ願いを持っていて、東京組のみんなの言葉ひとつひとつが嬉しかったです。
 そして、全く同じことを感じていました。わたしも、お父さんお母さん、みんなが帰ってきてくれて、本当に安心した気持ちでいっぱいになりました。たくさん話したいニュースがありました。
 古吉野でわたしたちが成し遂げたこと、そして東京でみんなが成し遂げたこと、いま、確かにふたつの喜びがあります。みんなが帰ってきてくれて、喜びもふたつになって返ってきてくれて、これからフルメンバーで、フルマラソン、キャンプ、畑に向かっていくのも、楽しみです。

「なのはなの子としての生き方が、どこへ行っても通用する」
 そう教えてもらいました。今も「本当は、こんなものじゃないはずだ」と、どこか道を探している人が居る、別の生き方を求めている人が居るのだと聞きました。
 そんな人たちに、なのはなの利他心の気持ちで生きていくことを伝えることができたら、1人でも多くの人に伝えることができたら、そう考えていると、自分からは離れることができます。
 本当に、自分にとって、病気も症状も必要ないものになります。「こうやって自分は回復していくんだ」と先がぱあっと見えるようです。

 卒業生のえりさちゃんのお話も聞かせてもらいました。
「アメリカでも、なのはなファミリーのような回復施設を作る」という目標が、本当に大きくって、希望があって、なんて嬉しいことなんだろう、と感じました。それを聞いた周りの先生の共感の言葉も、それを志すえりさちゃんの姿も、本当に嬉しいです。

 本当に、自分はたくさんの仲間に守られていることを感じるばかりです。
 今ここ、古吉野のなのはなファミリーに居なくても、どこに居ても同じ気持ちで進み続ける仲間がいることを感じて、
「それならば、自分には何ができるのか」、わたしは、いつも前を向いて進み続けます。