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3月13日のなのはな
勝央金時太鼓保存会の会長で、毎週水曜日に太鼓を教えてくださる竹内さんから、大きな夢のような、貴重な舞台の切符をいただいた――。
この秋の11月2日に倉敷市で開かれる、太鼓の演奏会に、勝央金時太鼓保存会の1チームとして、舞台で演奏しないかと、先週の練習のときに、竹内さんから声をかけていただきました。これまで町が開催する、金時祭りや町民音楽祭などに出演させていただくことはありましたが、県で開かれる、このような規模の大きいステージに立つのは初めてのことで、そのお誘いが嬉しかった反面、これから相当な練習量を重ねていかないと、見せられるステージにならないという緊張を強く感じました。
ただ、「11月2日に自分たちの最高のパフォーマンスをする」という大きな目標ができたことは、自分たちにとって、上達のチャンスになりました。自分自身、これまで以上に練習に向かう意欲と、もっと太鼓が上手くなりたいという向上心が芽生えて、目標に向かって走る楽しさを、近頃、十分に感じています。
演奏する曲は、竹内さんからのお声かけもあり、『那岐おろし』を演奏させていただくことになりました。自分たちの持ち曲のなかでも『那岐おろし』は9分間の長曲で、オリジナルの長胴太鼓のソロ回しや大太鼓の見せ場を含んだ、密度の濃い曲です。どのパートも難易度が高い分、見せ所や掛け合いが楽しくて、全員で1つの曲を作っているということを強く感じられる曲だと感じています。
なのはなファミリーのコンサートで演奏したこともある曲ですが、今回の舞台に向けて、新たなメンバーも加わり、新編成で挑む、NEW『那岐おろし』です。
わたし自身も長胴太鼓に入らせていただくことになり、新しい挑戦が始まりました。
1つの目標があると、より楽しみになる水曜日の太鼓練習。この日はいつも以上に、勝央文化ホールへ行って、太鼓を叩けることが嬉しくて、少しでも上達できる1回にしたいという思いで、気持ちを引き締めて練習に取り組みました。
準備体操後からすぐに太鼓を並べて、『那岐おろし』を演奏し、前で見てくださる竹内さんが、曲の始まりから順を追って、フレーズごとにポイントをアドバイスしていってくださいました。
『那岐おろし』は別々のパートの掛け合いもありますが、同じパート内でも掛け合いがあります。
この日の練習で特に印象的だったのは、長胴太鼓内での掛け合いが上手く噛み合うようになったことです。演奏していて、自分たちのなかでも何かはまっていないと感じていましたが、何が問題なのかまではわからずにいました。その部分を竹内さんが気づいてくださり、フレーズを分けて聴き、4音目の左手の音が弱いことを指摘してくださいました。
そのフレーズは枠打ちが決め手なので、わたしは枠打ちの方ばかりに気が向いていて、4音目の左手にまったく意識が向いていなくて、竹内さんのアドバイスは思いがけないものでした。ですが、教えていただいた通りに2音目の左手をしっかり音を出すようにしたら、もう1パートとの掛け合いの音の輪郭がはっきりし、聴かせたいメロディがホールのステージに浮かび上がったことが演奏している自分たちでもわかりました。竹内さんも、「今のはちゃんと聞こえたよ」と言ってくださいました。
ついついアクセントや大きな音を出すほうに意識が向きがちだけれど、そのアクセントを引き立たせるための土台となる刻みがまずはしっかりしていないと、聴かせたいものも聴かせられないのだということを、改めて感じた場面でした。竹内さんが、私たちの課題を、そうして一瞬にして解決してくださることが、とても有り難かったです。
それ以降も部分ごとに区切って詰めたり、基本的な姿勢や叩き方を細かくアドバイスしていただき、この日も2時間ある練習時間が風のように過ぎ去っていきました。
最後に竹内さんが本番の並びを考えてくださいました。これまでは締太鼓が前に座り、その後ろに長胴太鼓が2列、そして1番後ろの中央に大太鼓という並びでした。
それを覆すかのように竹内さんが、「締太鼓、2列目の中心で立ってみようか」とおっしゃいました。そこで締太鼓専用の脚を持ってきて、締太鼓が立った形で中央に3台並び、それを半円状に囲むように長胴太鼓6台、そして後ろを支える大太鼓というふうに、新しい組み方ができあがりました。左右対称のシンメトリーで、中央後ろにそびえ立つ大太鼓を頂点に、まさに『那岐山』のような見栄えです。竹内さんも絶賛、そして自分たちも新しいフォーメーションがとても気に入り、並びが変わるだけで、また新しい『那岐おろし』に近づいていくような気持ちになりました。
最後の最後にみんなでまた気持ちを上げて、この日も笑い合って、喜び合って、練習が終わりました。
まだまだ課題がたくさんあります。この日、竹内さんに教えていただいたことも実践していけるようになっていかなければなりません。最高のステージまでの道のりは険しいけれど、目標を見失わずに向かっていきたいです。11人の仲間と切磋琢磨して、みんなでワンステップ成長できるチャンスを、わたし自身も大事にして、練習に向かっていきたいです。
(るりこ)
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