「一番、心ときめく時間」 えつこ

3月8日

 今の私の一番、心ときめく時間は、桃の摘蕾の時間です。摘蕾をしていると、時間がワープしたみたいにはやく過ぎるけれど、とても心が落ち着きます。

 今日も、仕事がはやく終わったので、帰ったらまっさきに桃畑へ走りました。開墾26アールの畑に着くと、みんなが赤い口紅を塗って、桃の木にとりついていて、その光景が、まるで桃の妖精みたいでした。同じ場所にいられるだけで幸せな気持ちになりました。
 今、2巡目の摘蕾をしていて、スピード重視の1巡目よりも、蕾の数がグンと絞られて、より頭を使います。枝に桃の実が着いて大きくなったところをイメージして作業をするのがおもしろいです。もっと心の目を鍛えて、的確に作業ができるようになりたいです。

 今日は風が冷たかったです。途中、あんなちゃんが、美しい笑顔で、「おしくらまんじゅうをしてあたたまろう」と、声をかけてくれました。
 みんなであつまって、背中合わせになって手を組みました。「おしくらまんじゅう、押されて泣くな」と、5回言いました。みんなのパワーがものすごくて、一気に体があたたまり、暑いくらいになりました。私の両隣は、あけみちゃんとまちちゃんで、最強の2人にぎゅうぎゅうに挟まれて、もみくちゃになったのですが、私も負けじと全力で押しました。最後、あけみちゃんが「フルメニューの効果があらわれてるね」と言いました。本当にみんなのパワーがものすごくて、短い時間の間にたくさん体温とパワーを注入されました。

 おしくらまんじゅうの効果で、最後はもの凄い集中力で摘蕾を進めました。私は、高い脚立組より先行して、脚立を使わなくても届く低い場所の摘蕾を進めるチームだったのですが、最後の30分で3本の樹の低い場所の摘蕾を進めることができました。
 清水白桃まで進みました。清水白桃、と言うと、桃の中でも女王様という感じがして、より緊張感が増しました。しかし、たくさんの枝を摘蕾しているうちに、イメージ力が鍛えられて、スピードがあがってきました。

 桃に関われることが、とてもとても嬉しいです。少しでも力になれるようになりたいです。