【3月号⑧】「すべては美味しい桃のために! ―― ネットの支柱立てと摘蕾 ――」 まなかま

 

 冬でも、桃の作業はたくさんあります。
 冬期剪定を終えてからは、桃の樹のまわりに立てているポールを真っ直ぐに補強する作業を進めました。

 ポールは、収穫の時期に、実を守るネットをかけるときの支柱になります。ポールでネットを支えることで、桃の枝に負担がかからないようにするのです。9か所の畑をまわり、ポールの立て直しや修正、補強を行いました。

 支柱立て作業も、毎回、進化しています。今のやり方は、

・穴開けドリルで、地面に深く真っ直ぐ穴を空ける。

・穴にポールをさして上からハンマーで叩き、しっかり埋める。

・穴の隙間を砂で埋めながら鉄筋を使って押し固める。

 という工程で行いました。砂を入れて強度を高めるのは、今回から新しく増えた工夫です。

 

 

 初めてポールを立てたときからは新しい工程が増えていることもあり、最初は、リズムを作っていくのが難しかったのですが、作業に入る度に新しい工夫をみんなで考えながら進めることが出来ました。

 スピーディーに進むのにがっちり頑丈にポールを立てられると、とても嬉しくて、みんなの「よりよくしたい!」という気持ちの中で作業することが、とても気持ちよかったです。

 大人数でポール立ての作業を回りました。穴開けドリルの音や、鉄筋を上から打ち込む音、砂を埋めていく役割の人の「次のポールはいります!」のかけ声で、桃畑が一気に活気ある雰囲気になって、毎回の作業が、とても楽しかったです。

 短期間でしっかりポールを立て直すことができました。夏にネットをかけるのも楽しみになったなあと思います。

 

■摘蕾 1巡目

 2月13日からは、桃の摘蕾が始まりました。
「なのはなの中で一番好きな作業は?」という質問をされて、「桃の摘蕾!」と答える人が多い、冬の人気の作業です。
 私も摘蕾がとっても好き! 最初にあんなちゃんから、桃の摘蕾をする効果や、摘蕾の仕方を教えてもらいました。

 摘蕾は、蕾の数を絞ることで、甘く良い実を実らせることが目的です。養分を温存させて、実らせたい実、葉や枝だけに養分を使えるように、蕾を取ることを教えてもらいました。

 葉芽を取らないように気を付けて、実をつけない部分の花芽だけ落としていきます。摘蕾は、全部で3巡に分けて畑を回っていきます。

 1巡目のとっても楽しいところは、まだ摘蕾していない手つかずの枝にたくさんついている花芽を、一気に落とせるところ!1巡目は、ほとんどの先端と、枝の上側(地面とは反対の背中側)の花芽をすべて落とします。

 その時に、枝を持ってすうっと撫でるように指を蕾に引っかけていくと、蕾がぽろぽろぽろっと取れて行くのが、すごく気持ちいいです。

 

 

 はじめに、開墾26アール畑の清水白桃から摘蕾を始めました。最初にこの広い畑を大勢で進めていると、「ああ、これから130本以上の桃の木が待っている……!」という気持ちになって、よしっ、と気合いが入るような気持ちになりました。

 この蕾が花になって実になるのだな、と思うと、いつも緊張するのですが、一人ひとりが責任感を持って、作業に取り組んでいます。

 摘蕾では、みんなでピンクジャンパーを着て作業しています。
 ある日、摘蕾をしていると、お父さんが車で通りがかって、「まるで花が咲いたようだなあ」と声をかけてくださったことがありました。そのお父さんの声が本当に嬉しそうで、私たちも、すごく嬉しくなりました。

 自分がホームページのための写真を撮っていても、青い空にピンク色のみんながとてもよく映えて、撮るだけで幸せな気持ちになります。

 

 

 摘蕾の雰囲気は、それぞれが集中して桃の木に向かう気持ちで空気が澄んでいることを感じます。

 回を重ねるごとに、どんどんとスピード感を持てるようになってきて、効率よく進めるようになってきました。

 これからも、もっとみんなで意識して、工夫して、目標の期間で摘蕾を終わらせられるように頑張りたいです。